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埼玉県立循環器・呼吸器病センター

(埼玉県 熊谷市)

柳澤 勉 病院長

最終更新日:2023/05/12

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循環器・呼吸器・脳疾患で高度な医療を提供

埼玉県熊谷市にある「埼玉県立循環器・呼吸器病センター」は、循環器系および呼吸器系の高度・専門病院として、クリニックや一般病院では対応しきれない難治症例や特殊症例を診ている病院だ。さまざまな先端の医療にも取り組んでおり、意欲的な医師が数多く在籍しているという。各分野の専門家が24時間6人待機しており、時間との戦いが迫られる疾患でも迅速に対応できるよう体制を整えている。まさに地域における循環器・呼吸器疾患の最後の砦ともいえる存在で、地域のかかりつけ医との連携も深く、紹介を受け、病院での加療が落ち着いたらまた逆紹介でかかりつけ医でのフォローを依頼している。地域の医療レベルの底上げとともに、高度な治療への挑戦で日々進化を続ける埼玉県立循環器・呼吸器病センターの柳澤勉病院長に話を聞いた。(取材日2023年2月27日)

循環器・呼吸器系疾患に専門的な治療をする病院だそうですね。

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当センターは1954年に開所した結核療養所である「埼玉県立小原療養所」が前身で、1994年に呼吸器系疾患に加えて、心臓疾患、大血管疾患、脳血管疾患など循環器系疾患の患者さん増加に対応するため、高度で専門的な医療設備と技術を備えた「埼玉県立小原循環器病センター」として開設しました。その後1998年に「埼玉県立循環器・呼吸器病センター」と改称して呼吸器部門の充実を図り、さらに呼吸器系疾患の病棟の移転、緩和ケア病棟やハイブリッド手術室なども備えた新館棟を開設。さらに腎・透析センターや脳神経センターなどをオープンさせ病院機能の充実を図ってきました。そして2021年には地方独立行政法人埼玉県立病院機構の一員として新たにスタートを切りました。

やはり強みは呼吸器系疾患の診療でしょうか。

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当センターは基本的にご紹介の患者さんの治療をしますので、かかりつけの医院や病院などである程度の治療を受けられ、それでも快方へ向かわない難治症例の患者さんが集まってこられます。呼吸器内科で診る肺炎と言っても原因はさまざまで、鑑別診断が治療の鍵になってきます。正確な診断をするために常に励んでおります。当センターに来られるまでにある程度の治療が行われていますので、無効だった治療法の詳細を含め貴重なデータをすでにお持ちです。それらをもとに気管支鏡検査などを行い詳細かつ精密な診断をつけていきます。また呼吸器外科では肺がん治療で胸腔鏡を用いた低侵襲の治療にも積極的に取り組み、さらに通常は機器を入れる穴を体に3ヵ所開けるところを1ヵ所にする単孔式の実現に向けて尽力しているところです。新型コロナウイルス感染症については、初期から患者さんを受け入れ、主に中等症から重症患者さんの治療にあたってまいりました。

循環器疾患治療でも高度で先進的な取り組みをされておられます。

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循環器疾患治療の根幹である狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患の治療に加えて、構造的心疾患(SHD)という、弁などの心臓の構造に異常がみられる疾患群への治療にも力を入れています。放置しておくと心臓に大きな負担がかかり、心不全を引き起こす原因となるこれらの疾患は、これまで胸を開いて心臓を止めてする手術でしか対応できませんでしたが、近年一部の症例でカテーテルでの治療が可能になりました。中でも大動脈弁狭窄症治療や僧帽弁閉鎖不全症治療や左心耳閉鎖術は、近隣地域では可能な施設が限られておりますし、これまで年齢や合併症などにより心臓手術が適用外だった患者さんにも対応ができるようになり、こういった疾患の治療の選択肢が広がり、かつ治療可能な患者さんの幅も広がることで、地域医療に大いに貢献できるようになったと自負しております。

脳神経センターも呼吸器、循環器に並ぶ3本柱の一つですか?

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当センターは「埼玉脳卒中治療ネットワーク」の基幹病院で、脳卒中が疑われる救急搬送時には救急隊員から当センターの医師に直接ご連絡いただき迅速な搬送体制が取れるようになっています。脳梗塞の治療は時間との勝負といわれてきましたが、血栓を薬で溶かすための治療の他に、血栓回収術というカテーテル治療ができるようになりました。これまで脳卒中というと、麻痺や言語障害などが残り社会復帰が難しかったり、要介護の状態になることも多かったのですが、発症後最大で24時間以内にこの血栓回収術を施すことで、後遺症を大幅に防ぐことにつなげることができます。ただ術者の技量の高さが要求されます。脳神経センターの先生方の日々のご努力と熟練の技には心より敬意を表したいと常に思っています。

地域住民や読者へのメッセージをお願いします。

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地方の病院の深刻な医師不足の中、当センターでは24時間365日、各科の医師合計6人が当直している体制をとれており、対象疾患に限りはありますが夜中でも高度な医療をご提供できる体制を整えています。それでも医師数はまだまだ十分とは言えませんが、当センターは難しい症例が多いこと、若い先生方も指導医師のもとで先端の治療に数多く携われることから、非常に意欲的な先生方に来ていただいています。そのほかの職員も、常に患者さんに「誠意と熱意を持って患者さんに接する」という理念のもと、県立病院の職員として医療人としての立場から真摯に職務に取り組んでおります。また地域医療支援病院として地域の先生方との「顔の見える関係づくり」にも注力しており、互いの信頼関係のもとで紹介・逆紹介を活発に行っております。当センターが安心して地域で暮らせる一助になれば幸いです。

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柳澤 勉 病院長

1984年新潟大学医学部卒業。卒業後は群馬大学第三内科に入局。関連病院での勤務を経て、埼玉県立循環器・呼吸器病センターへ。2021年院長就任。趣味は走ることで、これまで20回以上地域のマラソン大会などへ出場し、フルマラソンにチャレンジしている。現在は屋外の他に冷暖房完備テレビつきの自宅トレーニングを行う日々で、月に200キロの走破を目標にしている。地域住民へのお勧めの健康法は、歩くこと。

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