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公益社団法人 地域医療振興協会 東京北医療センター

(東京都 北区)

宮崎 国久 管理者

最終更新日:2023/06/09

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地域・へき地から災害医療まで幅広く活躍

地域医療支援病院として地域のクリニックなどの医療機関、在宅医療などをしっかりとバックアップし、地域住民の安心につなげている「東京北医療センター」。「つなぐ、命と人と」というスローガンには、診療や出産で命をつなぎ、周辺の開業医や病院と連携しながらチーム医療を行うという決意が込められている。2004年に開設、2017年に増床し、外来部門や手術室、ICU、HCUをリニューアル。2025年夏には放射線治療を実施予定で、地域の健康を守るために日々進化を遂げている。そんな発展を続ける東京北医療センターの管理者である宮崎国久先生に、同院の特徴や診療方針、今後の展望について話を聞いた。(取材日2023年4月26日)

病院の成り立ちについて教えてください。

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当院を運営する公益社団法人地域医療振興協会(JADECOM)が、病院の一般公募に手を挙げたのが始まりです。JADECOMは当院の理事長を含めた自治医科大学の卒業生が中心となって設立した協会で、「各都道府県のへき地に9年間勤務することを義務づけられている卒業生の受け皿を作ること」「へき地や地域を支える精神を守り、伝え、派遣し続けていくこと」という2つを目的としています。そこで都内に基幹病院を造り人材を確保し、へき地や地域を下支えしようとしたのです。現在は全国62施設に医師を派遣。さらに良い職場環境確保にも尽力しています。そんな当院の基本理念と言えるのが、地域住民のための病院であると同時に、この地域にあるクリニックや病院も大事にして医療連携を実現すること。何でも診るのは無理ですから、役割分担をはっきりさせ医療機関同士が連携することで、それぞれの患者さんに適した医療を届けることをめざしています。

2025年夏に放射線治療を本格的に実施されるご予定ですね。

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これまではがん治療といえば、がん専門の病院などに患者さんを集約し専門的な治療を行う傾向がありましたが、特に当院のある北区周辺などではがん患者さんも高齢の方が多くなり、なかなか地元を離れて治療を受けることが困難になってきました。特に放射線治療は継続的な通院や、その後の定期的な観察も重要ですから、身近な医療機関で受けたいというのが患者さんの本音ではないでしょうか。それに伴い放射線部門のための新棟を建設予定で、院内のレイアウトも改良する予定でいます。そして救急部門のスペースを倍増させる予定でいます。昨今の新型コロナウイルス感染症の流行下で救急体制の課題が見えてきましたので、より充実したものへと進化させたいと思っています。どの部門もそうですが医師や看護師の頑張りや自己犠牲だけでは、良質な医療は継続できません。きちんとしたシステムを構築して機能させる必要があるのです。

周産期医療や救急、総合診療などの特色がありますね。

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少子化などの影響で分娩数そのものは減っていますが、当院は産科の医師も小児科の医師もいて、助産師もそろい、新生児集中治療室(NICU)もあり、安全なお産がめざせる施設ですし、小児救急も地域にとってなくてはならない部門になっていると思います。中でも救急はニーズの高い部門で、例えば高齢で複数の疾患をお持ちの方が急変して搬送される場合、どこの診療科が担当するかの判断に時間がかかったり、受け入れがスムーズにできないことがあります。当院では基本的にまず総合診療部門が担当し、専門的な加療が必要な場合はそれぞれの診療科に引き継ぎますから、ロスタイムなく受け入れができ、迅速に治療を開始できます。地域の先生方からのお急ぎでのご紹介の場合では、専門的な診療科をご指定いただく場合もありますが、お急ぎの時はまず総合診療部門で受け入れることもできますし、とにかく断らずに素早く受け入れる、ということを意識しています。

スタッフ力もこちらの特徴だと伺いました。

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医師も看護師も医療の専門職もスタッフも、誰も一人では仕事はできません。当院のスタッフはみんな、よくあいさつをしてくれます。あいさつはコミュニケーションの基本です。コミュニケーションが取れなければ仕事は円滑に進みません。新型コロナウイルス感染症が流行する中でも、ほとんどのスタッフが離職せず職責を全うしてくれました。これは本当に素晴らしいことで、誰しも不安がある中で意識高く仕事に向き合ってくれて感謝しかありません。例えば登山をしている途中で大きな岩にぶつかり、とても一人では乗り越えられないときでも、みんなで力を合わせ知恵を出し合えば乗り越えることができるはずです。例えば先述の感染症に対しては災害対応としてスタート。みんなで協力して対策本部を立ち上げましたので、すぐに受け入れを開始することができました。そうしてみんなで一丸となって取り組むということができるスタッフが集まっているのです。

地域の方々へメッセージをお願いします。

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当院では地域の先生方と密に連携し、何かご要望があれば迅速に受け入れる体制をとっています。また在宅医療の先生方や医療機関とも連携し、ご自宅での急変の際には当院から救急車を出してお向かいに伺います。よく一度当院を退院して紹介元の医療機関に戻ったら、二度と当院で受け入れてもらえないのではないかと思われる患者さんがいらっしゃるのですが、まったく違います。必要な時はいつでもお力になります。また当院では、いざというときに役立つ医療情報を1分ほどの動画にまとめて配信しています。当院の先生方がわかりやすく説明していますので、受診を迷ったり不安だったりする時にもお役に立てるかと思います。お子さんの熱中症や発熱時の対応から各診療科の紹介までいろいろな情報発信にも取り組んでいます。困ったときには、お気軽にご相談いただければと思います。

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宮崎 国久 管理者

長崎県島原市出身。自治医科大学医学部卒業後、国立長崎中央病院(現・国立病院機構長崎医療センター)、長崎県内の島の病院を経て、自治医科大学附属大宮医療センター(現・自治医科大学附属さいたま医療センター)で研鑽を積む。2004年東京北医療センター外科部長に就任。2014年同病院管理者となる。趣味兼健康法はマラソンで、年に5つほどのフルマラソン大会に出場。

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