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東京女子医科大学附属八千代医療センター

(千葉県 八千代市)

新井田 達雄 院長

最終更新日:2023/06/07

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高度急性期医療で地域の人々の健康を支える

八千代市とその近隣地域における医療の中心的な役割を担っているのが、「東京女子医科大学八千代医療センター」だ。40を超える幅広い診療科で専門性の高い医療を提供している同院。高度急性期医療の提供に力を入れており、救命救急センターでは命の危機にある救急患者を積極的に受け入れ。さらには、総合周産期母子医療センターも運用してハイリスク妊娠・出産にも対応するなど、成人医療や小児・周産期医療における千葉県の拠点病院となっている。そんな同院の新井田達雄院長は、「これからの時代は、一つの病院ですべての医療を完結することをめざすのではなく、それぞれの病院が持つ強みを生かしながら、連携していくことが必要となるでしょう」と話す。そんな新井田院長に、同院のことやこれからの地域医療の課題などについて話を聞いた。(取材日2023年4月28日)

最初に病院の成り立ちや理念について教えていただけますか?

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当病院は2006年、八千代市や八千代市医師会などの要望によって開院しました。当時の八千代市は、重篤な患者さんを隣接の千葉市や船橋市に加え、浦安市など湾岸地域まで搬送しなくてはなりませんでした。また、八千代市の住民は後期高齢者と若い世代の両方が急増しているという二極化が進んでいました。そのような中で、地域の医療ニーズに応えられる病院を作ってほしいと10万人をこえる八千代市民の請願書をいただき、開院することになったのです。当病院の理念は、東京女子医科大学の理念である「至誠と愛」です。「至誠」は、相手と真摯に向かい合うこと。「愛」は、相手を思いやる心や優しい心など、思い描くことはそれぞれ異なるでしょう。ただ、医療で考えれば、患者さん一人ひとりと真摯に向き合い、それぞれの生き方や家庭環境などまですべてを鑑みた上で、その方に即した個々の医療を提供することではないかと考えています。

特徴は、どのようなところでしょうか?

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大学病院として幅広い診療科を備え、専門的で高度な医療を提供することをめざしている中で、高度急性期医療に特化した診療体制があげられます。当院では救命救急センターを運用しており、脳卒中や心臓疾患などをはじめとするさまざまな病気や外傷などで、命の危機にあるような救急患者さんを市内を中心に受け入れているほか、千葉市や船橋市、習志野市など近隣自治体からも多く搬送されて来ています。屋上にはヘリポートがあり、そこから直接、6床ある専用のICUに運べるようにしてあります。ほかに、ICU・CCUは12床、脳卒中ケアユニット(SCU)は6床あり、脳外科、整形外科、形成外科、心臓血管外科などと連携して良質なチーム医療を提供できるよう努めています。さらには、千葉県の小児三次救急医療の指定を受けており、小児集中治療室(PICU)も10床用意して、より重篤な子どもの患者さんも積極的に受け入れています。

周産期医療にも力を入れていると伺いました。

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現在、千葉県で総合周産期母子医療センターに指定されているのは、当病院と亀田総合病院、千葉大学医学部附属病院の3施設あります。当病院の総合周産期母子医療センターには、母体胎児集中治療室(MFICU)6床、新生児集中治療室(NICU)21床、継続保育室(GCU)16床を用意しています。妊娠高血圧や切迫早産、緊急帝王切開などリスクの高い妊婦さんの救急搬送を24時間365日体制で受け入れており、母体と胎児、新生児を守ることをめざし高度で専門的な治療を行っています。千葉県全域に加えて、東京都や茨城県などからも多くの緊急妊婦さんが搬送されてきており、迅速に対応しています。また、今話したようなハイリスク妊娠や分娩以外で、合併症がなく妊娠経過が順調な方の分娩にも対応していますし、八千代市にお住まいの方もセミオープンシステムの利用や里帰り分娩を希望される方まで、幅広く受け入れを行っています。

最近は地域医療における病院のあり方も変化してきたそうですね?

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新型コロナウイルス感染症をきっかけに、病院の連携や機能分化が進んできましたね。当病院は高度急性期病院ですから、重症の患者さんを受け入れて、経過観察で大丈夫というような場合は、ほかの病院で診てもらうということができるようになった。それが新型コロナウイルス感染症だけじゃなくほかのことでも自然とできるようになってきた。加えて、従来の行政区外からも搬送されるようになるなど広域化した。新型コロナウイルス感染症の流行を機にそういう体制が、徐々にでしたけど作られてきたことはとても大きいと思います。このことは、次に医師の働き方改革につながります。長時間の時間外労働は法律上許されなくなるので、医師が少ない病院では産科や小児科、脳外科、循環器疾患などの救急対応ができなくなります。そうすると、ある程度の規模の病院に医師と患者さんも自然と集約されていくことになり、それに向けて病院の組織も変えていく必要があります。

こちらの病院としては、どのように対応していくお考えですか?

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昔はあちこちに総合病院がありましたが、これからは構造的に成り立ちませんから、そうはいきません。ですから、大きな病院でも全科をそろえるのではなくて、医師を集中させる。当院の場合なら救急や周産期、小児、脳外科、循環器などの強みを生かしながら、ほかのことについては市内はもちろん習志野市や鎌ヶ谷市など、従来の考えよりも広い範囲で連携して対応する必要があります。加えて、在宅医療です。これからは、本当に必要な人が必要な時だけ入院して、それ以外は訪問診療で、お看取りも在宅でしていく時代になると思います。八千代市では医師会が中心となり「八千代ケアネットワーク」というNPO法人を運営して訪問診療をサポートしており、当院も協力しています。つまり、新型コロナウイルス感染症の流行や医師の働き方改革などによって病院の運営は劇的に変化してきていますので、その流れの中で病院も改革をしていかないといけないと考えています。

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新井田 達雄 院長

1981年東京医科大学卒業後、東京女子医科大学消化器病センター外科に入局。同附属八千代医療センター外科准教授、 同教授などを経て、2015年より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。東京女子医科大学理事。医学博士。患者の本当の気持ちや考えをくみとって医療を提供することを大切にしている。

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