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医療法人 JR広島病院

(広島県 広島市東区)

田妻 進 院長

最終更新日:2024/03/15

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断らない救急、信頼の医療をめざし地域貢献

1920年、広島駅構内に開所した広島鉄道治療所をルーツに、広島鉄道病院として1940年に開設された「JR広島病院」。開院から約100年の歴史を持つ同院は1987年に民営化、2016年には医療法人化し、現在は近隣住民だけでなく県外からも患者を受け入れる総合病院となっている。注力する整形外科の脊椎手術、眼科手術の他、隣接する広島がん高精度放射線治療センター(HIPRAC)と連携した高度がん治療や透析など、幅広い領域をカバー。ペインクリニックや骨粗しょう症に特化した外来を設置し、時代の多様なニーズに応える診療体制を構築している。健診センターでは人間ドックや生活習慣病予防健診、各種健康診断に注力。健診から診療、手術とシームレスな医療の提供で地域住民の健康を守っている。2030年には同院を含む4つの医療機関が統合した新病院の開設が計画されており、地域の課題でもある「24時間断らない救急」の担い手として期待を集めている。「鉄道病院」として地域に親しまれてきたホスピタリティーはそのままに、よりレベルの高い医療と設備環境を整えた未来を見据える田妻進院長に話を聞いた。(取材日2024年2月7日)

病院の成り立ち、地域で果たすべき役割について教えてください。

1

当院は、1920年に広島駅構内に開設された広島鉄道治療所をルーツに、旧日本国有鉄道の病院として1940年に設立されました。2016年に医療法人化して名称も変わりましたが、鉄道という言葉が病院名からなくなった現在でも“鉄道病院”と呼ばれて地域の皆さんに親しまれ、気軽にいつでも診療を受けられる総合病院というイメージを持っていただいています。広島市東区の総合病院としての立ち位置を理解した上で、地域の信頼に応えるべく、常に質の高い医療を提供することが私たちの重要なミッションだと考えています。ここ数年で変わったことは、東区の方々の利用率や介護の帰宅率の上昇、医療圏としては旧市街地側、郊外側にまで広域化しているということです。特に整形外科、泌尿器科、眼科、消化器内科、呼吸器内科、循環器内科の病床シェア、診療シェア率が高く、これは当院の診療科の特徴でもあります。

特徴的な診療、注力されている領域について教えてください。

2

当院には脊椎疾患を専門とする医師が在籍しており、脊髄疾患や転倒に伴う大腿骨の骨折など整形外科領域の受診率が高いシェアを占めています。整形外科の患者さんは、地域を問わず広範囲から紹介受診をされている方が多いのですが、一方では予防的なことをこちらから提案する必要もありますので、骨粗しょう症に特化した外来を立ち上げ、市民向けの勉強会や公開講座なども開催しています。診療の対応とその後のフォローアップ、そして予防の観点も交えた取り組みも当院の特徴の一つです。また、眼科では年間800件を超える手術を行っています(2021年1月~同年12月)。今後のセンター化に向けて、手術室の隣に回復室を整備し運用を開始しています。また、泌尿器科の手術件数も増加しているため、年内の早い段階でロボット支援手術の導入を計画しており準備を進めているところです。

その他の特徴についても教えてください。

3

がん治療においては広島がん高精度放射線治療センター(HIPRAC)が隣接していることから、当院でがん治療を行いつつ、放射線治療も含めた集学的な治療ができるという利点があります。先ほどお話ししたロボット支援手術の主体は泌尿器科ですが、泌尿器科領域に加えて大腸がんや直腸がんの手術にも活用していく予定です。その他、特徴的なものとして温熱療法があります。この治療を行う医療施設は数が少ないため、当院ではしっかりと治療機器を整備し専用のスペースを設けています。また、健診センターを併設していることから、健診から診療、手術までを当院で完結することができます。診断が遅れて複雑化すれば、特殊な医療機関でしか対応できないことが増えますから、早い段階で診断できる健診施設の併設は大きな特色だと思います。受診者の多い内科については、私自身の専門が胆膵領域ということもあり、人員の増員を含めて実績を深めていく予定です。

今後、さらに注力していきたいことは何でしょう?

4

おそらく、どの医療機関でも大切なことは、掲げている理念を正しく実践していくことだと思います。当院の理念は「良質で安全な医療・患者さんと共に築く医療・健全な運営による医療の提供」です。この3つの医療の中で、3つ目の運営に関する理念はどの病院でも掲げているものとはいえないでしょう。私たちは収支を含めた病院運営の健全化は、組織体として当然の責務と捉えており、社会との約束である理念を正しく履行していくために努力を重ねています。また、当院には急性期、地域包括ケア、緩和ケアの病棟がありますが、それぞれの病床が持つ本来のミッションが遂行できるよう新たに担当診療部長職を設けてクリニカルパスの改訂にも取り組んでいます。例えば、その薬は本当に必要なのか、服用期間が長すぎないかなど具体的に踏み込んだ作業を行い、実際の成果を数値化して共有することで病院の健全な運営が推進できると考えています。

最後に今後の展望と地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

5

当院がめざす「断らない救急」を実現するには、われわれが社会で求められているミッションを大切にするというマインドの醸成が必要です。すでに新しい当直体制をスタートさせ、数年後の救命救急センター機能設置を見据えたマインド養成につなげています。例えば、夜間にCT検査を行った際、ICTを活用し放射線科の医師が自宅からアクセスしてすぐにレスポンスできる環境を整えたり、必要な備品を整備したりと、具体的な取り組みも進めています。2030年に向けて、当院がいわゆるメガホスピタル、先進的な医療施設に変わっていくことに対して「これまでどおり訪れることができるのか」という地域の皆さんからの不安の声も耳にしますが、われわれは従来どおりの誠実な診療を確約します。その上で救急医療にも期待していただきたいですね。新しい病院が完成するまでの期間においても、これまでと変わらず良質な医療の提供をめざしていきたいと思います。

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田妻 進 院長

1980年山口大学医学部卒業。広島大学医学部附属病院内科にて2年間研修後、広島大学第一内科入局。1985年米国Cleveland Clinic消化器内科フェローを経て1999年広島大学第一内科講師に着任。2001年同准教授、2003年同大学総合診療科教授に昇任。その後広島大学病院臨床実習教育研修センター長、同病院副院長兼務、2019年JA尾道総合病院病院長、2023年4月よりJR広島病院院長就任。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/4万2900円〜

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