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首から肩、背中にかけての痛みが生じる病気
変形性頸椎症の治療

社会医療法人 弘道会 守口生野記念病院

(大阪府 守口市)

最終更新日:2024/05/09

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  • 保険診療
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  • 脳出血
  • 心筋梗塞

日常的な痛みや凝り、痺れなどを引き起こす変形性頸椎症。高齢の患者に多い傾向があるため、年齢を理由に治療を諦めている人も多い。また、受診はしても保存的治療で症状の緩和を図りながら我慢している人も少なくない。脊柱脊髄疾患のエキスパートが集う「守口生野記念病院」は、脊椎脊髄センターを中心に、充実した設備と熟練の技術で変形性頸椎症の治療に注力。似た症状が出現する脳疾患、心疾患とまずは識別し、次に整形外科、脳神経内科とも共同で脊椎脊髄・末梢神経の疾患に対して総合的な視点から手術を含むさまざまな治療法を提案しているそうだ。そこで自らも治療の前線に立ち、多くの治療を担当する同院の西川節院長に、変形性頸椎症の治療について詳しく話を聞かせてもらった。(取材日2024年3月12日)

命の危険性がある脳疾患・心疾患との識別をつけ、生活環境や全身状態、重症度を考慮した治療を

Q首から肩、背中にかけての痛みは何が考えられるでしょうか?

A

変形性頸椎症について話す西川院長

首から肩、背中にかけての痛みという症状から考えると、最も考えられるのは変形性頸椎症です。ただし、これは特別な外傷もなく、鈍痛が続くような場合に限ります。もし、症状が突然出現したのであれば、心配なのは脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などの生命に危険性が及ぶ疾患です。脳疾患や循環器疾患であれば緊急で対応する必要があり、発症から処置までにかかった時間が予後に大きく影響します。症状が出現しても「様子を見よう」と受診せず、かなり時間がたってからの受診になる方もいらっしゃいますが、失った時間は取り戻せません。突然の激しい痛みを自覚された時は躊躇せず、速やかに脳神経外科、循環器内科を受診することが何よりも大切です。

Q変形性頸椎症とはどのような病気ですか?

A

背骨の首の部分である頸椎やその周辺組織が、加齢や外傷によって変形・損傷することで脊髄や神経を圧迫し、首、肩、背中の痛みや凝り、しびれが生じる病気です。中には腕の動かしにくさや感覚の鈍化から発覚することもあります。人間の頸椎は、全身のバランスを取るために頭を支えながらいつも細かく動いています。そのため骨そのものはもちろん、クッションの役割を果たしている椎間板や、骨同士をつなげる靭帯がどうしても老朽化してしまいます。頸椎に変形や損傷、緩みが生じると、骨がグラグラと余計に動いてずれが生じ、脊髄や神経を圧迫して症状が出現します。歳だからと諦める人も多いですが、治療によって症状の大きな改善が図れます。

Q診断・検査・治療法について教えてください。

A

根本的に治療するためには手術を行う

まずはエックス線やCTを撮影して頸椎の変形具合や骨のずれの状態を調べます。ただ、エックス線やCTでは脊髄や神経の圧迫の状態までは確認できませんので、確定診断をつけるにはMRI検査が必要です。治療には薬物療法、ブロック注射、マッサージ、理学療法、けん引などの保存的治療と手術による外科的治療があります。どの治療法が良いかは患者さんにとって異なり、年齢や生活環境、全身の状態や症状を考慮しながら、患者さんと相談して決定します。重要なのは、保存的治療はあくまでも対症療法で、根本的治療ではないということ。症状だけでなく、神経の異常所見があれば、神経のダメージを長引かせないためにも手術をお勧めします。

Q手術と入院、リハビリテーションの流れについて教えてください。

A

手術の2〜3日前に入院し、心電図など手術を行うための全身チェックを行います。また多くの場合は、この段階から簡単なリハビリを行います。健康状態に問題ないことが確認できれば手術を決行。手術は全身麻酔で行われ、術式にもよりますがおよそ3〜6時間で終了します。手術後はネックカラーを装着し、集中治療室で絶対安静です。ただ、手術翌日の朝には座っていただき、床上でリハビリが再開されます。翌々日には予行も可能で、リハビリの負荷も上がります。1週間後には創部も落ち着いていきますので、画像評価をして退院。退院後は2週間〜1ヵ月ごとに経過観察と週1〜3回のリハビリをしながらネックカラーを徐々に外します。

Qこちらでも多くの治療実績がありますね。

A

西川院長をはじめ、経験豊富な医師が在籍している

当院には脊柱脊髄疾患を専門とする医師、看護師、診療放射線技師が在籍しており、チームで診断を行っています。ストレスなく検査を受けていただける導線も整えており、検査から一両日中には診断をつけ、治療の選択肢を複数提案しています。手術を選択された場合には、すべての手術を日本脳神経外科学会脳神経外科専門医専門医が担当いたします。手術顕微鏡を駆使して、熟練した技術のもと神経の除圧を主眼に置いた低侵襲な手術を心がけているだけでなく、ナビゲーション、術中モニタリングを駆使し、より安全面に配慮し精度の高い手術の提供に努めています。治療計画も標準化し、術後、退院後のサポート体制も構築していますのでご安心ください。

患者さんへのメッセージ

西川 節 院長

1987年大阪市立大学医学部医学科卒業。1994年7月より大阪市立総合医療センター脳神経外科に勤務、2001年からは大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科の講師を務める。米国ニューヨーク、ノースショアユニバーシティーホスピタル留学を経て、2010年4月より守口生野記念病院で脳神経外科部長、脊椎脊髄センター長を務める。2013年より現職。地域の医療、介護、福祉の発展をめざして奮闘している。

多くの人が「首の手術は怖い」というイメージを持っているのではないかと思います。もちろん簡単だと油断して良い手術など一つもありません。どの手術においても常に安全・確実に最高の手術をめざしています。実際の手術は皆さんの想像よりも体の負担は少ないです。当院では脊柱脊髄疾患のエキスパートが診療を担当しており、術後のリハビリはもちろんさまざまなサポート体制を整えています。また脳疾患・心疾患との鑑別も重要視しており、万が一の場合にはスムーズに急性期治療へと移行することも可能です。体の痛みやしびれが続くのはつらいことです。年齢のせいにして諦めるのではなく、前向きな気持ちで治療をご検討いただければと思います。

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