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国家公務員共済組合連合会 呉共済病院

(広島県 呉市)

寺坂 薫 病院長

最終更新日:2023/04/14

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デジタルを活用し、患者が通いやすい環境へ

2004年に創立100周年を迎え、呉市の急性期病院の一つとして大きな存在感を放つ「国家公務員共済組合連合会 呉共済病院」。心疾患や腎臓疾患、がん治療などを得意とする同院が昨今、力を入れているのが、地域連携の充実と、院内のDX化(デジタルシステムを活用した効率化)だ。「人口減少に伴い、どの病院も変革を余儀なくされている最中でしょう。その中にあって患者さんが治療を受けやすい環境をつくることは急務といえます。『呉共済病院に来て良かった』と喜んでいただけるための一つの方法として数年前からさまざまなシステムを取り入れてきました」と語るのは病院長の寺坂薫先生だ。SNSを活用した待ち時間の負担軽減や、院内スマホですぐに確認できる電子カルテの導入などを推進するほか、2022年からは医療従事者へのコミュニケーション勉強会を定期的に開催し、患者とのコミュニケーションにも注力。ハード、ソフトの両面から患者が治療を受けやすい環境づくりに注力する病院長に、同院の歴史や特徴、そして新しい取り組みなどについて詳しく話を聞いた。(取材日2023年2月6日)

病院の成り立ちや、特徴をお聞かせください。

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呉共済病院の前身は、呉海軍に勤める人々の健康を守るための「呉海軍工廠職工共済会病院」で、1886年に設立されました。終戦後は財団法人共済協会に引き継がれ、1958年に「国家公務員共済組合連合会 呉共済病院」となり、現在に至ります。入院治療や救急医療を中心とした診療が主体ですが、症状が回復して退院した患者さんの経過観察を主に担う「かかりつけ医」との地域連携にも特に力を入れており、院内の「地域医療連携室」では患者さんの医療費や退院後の生活、介護保険や身体障害者手帳などの福祉サービスについて知りたいなどの相談に、親身になって寄り添う体制を取っています。急性期病院は地域に必須の機関ですが、昨今、呉市に限らず、全国的にも人口減少は顕著な課題であり、当院でも2022年3月には一部の病床を地域包括ケア病床へと転換しました。

特に力を入れている治療は何でしょうか?

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呉市の急性期病院には当院と、呉医療センター、中国労災病院の3病院があります。どの病院も幅広い疾患に対応していますが、腎臓内科で行う透析、不整脈の治療で行うカテーテルによる不整脈治療は当院が得意とする治療です。ほかにも心臓から肺に血液を送る肺動脈の血圧が高い状態になる肺高血圧症、心不全などの治療も当院は多く対応し、加えて歯科もあるため手術の際の肺炎防止や、入院中の患者さんの口腔ケアも大切に取り組んでいます。3病院それぞれに特徴があり、領域が重なっている部分もありますが、地域の急性期病院として3病院が情報共有をしながら地域の皆さんの健康を守っていることに変わりはありません。また当院ではがん患者さんの交流の場として「がんサロン」を設けていましたが、新型コロナウイルスの流行により、ここ数年はやむなく開催を見送っています。

「地域医療連携室」の役割についてお教えください。

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地域医療連携室は名前のとおり、地域の医療機関や介護福祉施設などとの連携窓口としての役割を担っています。具体的には、かかりつけ医から紹介される患者さんの予約調整から、退院される際の患者さんの支援、医療福祉の相談まで、患者さんとそのご家族の不安を払拭するためのさまざまなサポートを提供する部門です。「退院後の生活や治療後のことが心配」「自宅での介護はどうすればいいの?」といった患者さんやそのご家族の不安にもこまやかに対応しています。

相談しやすい環境作りのため取り組まれていることはありますか?

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独自の取り組みとして、医療従事者のコミュニケーション勉強会を開いています。当院ではがんを発症した患者さんやご家族の不安を和らげるためさまざまな相談に乗っていますが、説明やアドバイスが患者さんにうまく伝わっているとは限りません。そこで外部の講師を招き、医療従事者が患者さんとの会話や関係構築にどう深みをもたらすのかを考えていく機会を設けています。病気の原因やご家族との関係性、退院後の生活など不安を医療従事者に話していただくことは治療においても非常に大事なことです。勉強会では毎回テーマを変え、グループディスカッションも取り入れながら知識を深めています。30分という短時間なのでスタッフも参加しやすいようで、少しずつですが患者さんの受け止め方や、医療従事者同士の関係も良いほうへと変わってきているようです。学びをきっかけに自発的に患者さんと接することが大切ですから、今後も継続していきたい取り組みです。

SNSの活用や電子カルテの導入などにも積極的ですね。

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SNSでは受診前に「来週予約があります」、来院後は「次の順番です、お越しください」といった通知が届くので「呼び出しまで余裕があるから買い物をしておこう」と患者さんも余裕を持って来院できているようです。また、医療従事者が使用する院内スマホでは電子カルテ、MRIなどの情報を共有し、当院の大きな役割である救急時にも「この所見があるならすぐにこの治療をしてください」と各分野の専門の医師からすぐに指示が仰げ、スムーズに治療へとつなげられます。今後もデジタルの利点を取り入れて効率化を進め、患者さんが治療を受けやすい環境にしていくつもりです。また「紹介状がないと受診できないですか?」と聞かれますが、そんなことはありません。体の調子が悪い時はいつでも当院を頼ってください。患者さんが「呉共済病院で良かった」と思える病院をめざしていますので、ぜひ当院を活用していただきたいと思います。

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寺坂 薫 病院長

1982年に岡山大学医学部を卒業。岡山協立病院、津山中央病院、姫路中央病院などを経て、2019年に呉共済病院の病院長に就任。これまでに脳神経外科の専門家として脳脊髄や脳卒中などの手術を多数経験し、手術後のリハビリテーションにも尽力。「まもりたい、あなたの明日と地域の医療。」を新たに病院のキャッチコピーに据え、受診や治療の効率化を通じ、通いやすく、相談しやすい環境づくりにも注力している。

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