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医療法人相愛会 相原第二病院

(大阪府 大阪市阿倍野区)

林 清二 院長

最終更新日:2023/02/03

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「身近で通いやすい」病院であり続ける

「相原第二病院」は大阪メトロ谷町線の阿倍野駅から徒歩2分、利便性と暮らしやすさが備わった街並みの一画にある。同院のルーツは戦前にまでさかのぼるが、場所や診療内容を変えながらも「地域医療に貢献できる」病院として歴史を重ねてきた。現在は内科・整形外科の外来・入院診療、救急診療、さらに人工透析も提供し、地域の住民や近隣で働く人々が「気軽に受診できる」病院として親しまれている。同時に地域の高齢化に合わせ、近年では地域包括ケアシステムにおいて同院ならではの役割を拡大するとともに訪問診療にも注力。新型コロナウイルス感染症の流行拡大に対しては、安全性に考慮しつつ最大限の取り組みを行ってきた。2020年から院長を務める林清二先生は、「身近で通いやすい病院という昔から変わらない姿勢や、198床という規模から生まれるアットホームな雰囲気が、当院の良さだと思います」とほほ笑む。これからも地域住民の暮らしに寄り添う医療を提供していきたいと話す林院長に、同院の診療内容や各部署での取り組みについて聞いた。
(取材日2022年11月9日)

この地域で長く診療を続けてきた病院だと伺いました。

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1939年に西成区で診療を始め、その後は近隣の区でも複数の病院を設けていたそうですが、戦後にそれらを2つの病院に統合し、1983年にはこの地域の再開発を機に今の相原第二病院へ一本化しました。現在は内科、それから整形外科を中心とした外科診療のほか、また呼吸器内科や泌尿器科の診療日を設け、以前から行っていた人工透析にも引き続き力を入れています。大阪市の二次救急指定医療機関でもあり、24時間365日で対応。近隣には三次救急を行う規模の大きな病院も多いため、当院の救急では地域の方の日常的な体調不良やけがを中心に受け入れていて、当院ならではの役割が果たせていると思います。それから198床の病床のうち、現在は地域包括ケア病床が82床まで増えています。ご高齢の患者さんがスムーズに日常生活に戻れるよう、入院中は整形外科医と9人の理学療法士からなるチームがリハビリテーションを積極的に実施しています。

高齢患者の生活を支える医療に取り組んでいるのですね。

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当院より南に広がる阿倍野区の古い街並みが残るエリアや隣接する西成区では、大阪市内でもより高齢化が顕著です。そして高齢のご夫婦だけの世帯や一人暮らしの方が非常に多く、当院への入院患者さんの平均年齢も高くなっています。このため患者さんの退院に際しては、ご自宅へ戻るだけでなくご家庭の事情に合わせた施設をご紹介するなど、さまざまな配慮が欠かせません。当院では地域医療連携室、院内では相談室と呼ばれている部署に4人のスタッフがいて、高度急性期病院からの受け入れや退院後の手配まで、橋渡しを担ってくれています。非常に多忙だと思いますが、地域包括ケアにおける当院の顔として頑張ってくれていますね。また、数年前からはご自宅や施設への訪問診療を開始し、利用者は徐々に増えています。ご家庭の事情による一時入院なども実施しており、当院ならではのアプローチで、地域包括ケアシステムにおける役割を広げています。

救急診療の現在の様子をご紹介ください。

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基本的には内科、外科の医師と看護師が各1人、さらに検査スタッフも24時間体制で対応しています。救急搬送としては、以前はご高齢の方の発熱が多く、誤嚥性肺炎や夏場には熱中症も増えます。また若い方であれば軽度の骨折や通勤途中の体調不良まで、日常的な症状も断ることなく診療しています。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大直後は、高齢の誤嚥性肺炎で人工呼吸器などによる呼吸管理が必要になった場合、当院の人員と設備では万全の感染対策を講じた呼吸管理が困難なため、発熱患者さんの救急受け入れは慎重にならざるを得ませんでした。そこで、2021年初めより新型コロナ対応病棟を開設し、発熱患者さんの感染状況が判明するまで収容する病床を確保できるようになった結果、徐々に以前の救急受け入れ状況に戻りつつあります。新型コロナウイルス感染症患者さんについては中等症の患者さんを中心に入院治療を行っています。

人工透析部門も充実しています。

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現在の相原第二病院として診療を始めた1983年から、人工透析を実施しています。やはりご高齢の透析患者さんが多いですし、糖尿病で腎機能が廃絶されるぐらい病歴の長い方が多いのも特徴です。透析室には27床のベッドがあり、主に入院透析を行っていますので、症状がやや悪化された方や、透析患者さんで内科や整形外科の入院治療を受けたいという方にもよくご利用いただいています。また併設する診療所では主に外来での透析を行っており、夜間透析の実施日を病院とずらしていますので、患者さんの都合に応じてどちらかを利用してもらえます。現在、当院透析室の機材を新しいものに入れ替えている最中で、ベッドも新しくなりましたし、各ベッドにはテレビを設置しています。無料での送迎サービスも行っており、透析室のチームを中心に、院内の他科や近隣の高次病院とも連携しながら、生活圏内で安心して透析を続けてもらえる環境を整えています。

先生がお感じになる病院の強みと展望をお聞かせください。

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当院の良さは「地域医療に貢献できる病院」という理念が、診療開始当初から現在までぶれずに貫かれているところですね。地域に必要な医療は時代に応じて変わりますが、今日であれば地域包括ケアへの積極的な関わりや、新型コロナウイルス感染症の診療など、できる限りのことに全力で取り組んでいます。198床という規模ですので、各職種や部署を越えてスタッフの顔が互いに見えるアットホームで和やかな雰囲気も大きな魅力だと感じています。特に新型コロナウイルス感染症への対応はスタッフにとってストレスも大きかったはずですが、志願してくれた看護師チームがまずスキルを身につけ、それが良いかたちで次のスタッフや院内全体へ広がりました。この経験は一つの財産だと考えています。今後は電子化や施設のリニューアルも視野に入れながら、「敷居が高くない病院」という当院の良さを維持して、地域の方に気軽に頼ってもらえる病院であり続けたいですね。

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林 清二 院長

1979年大阪大学医学部卒業後、大阪府立羽曳野病院(現:大阪はびきの医療センター)などで研鑽を積む。1987年には米国国立がん研究所留学。1995年大阪大学医学部第三内科講師、同大学院医学系研究科助教授を経て2002年より国立療養所近畿中央病院(現:国立病院機構近畿中央呼吸器センター)。内科部長、副院長を経て2010年より同病院院長を務めた。2020年7月より現職。専門は呼吸器内科学。

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