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妊娠初期から産後のケアまで
母子を主役としたきめ細かなサポート

社会福祉法人 石井記念愛染園 附属 愛染橋病院

(大阪府 大阪市浪速区)

最終更新日:2023/07/18

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  • 保険診療
  • 自由診療
  • 乳腺炎

女性やその家族にとって妊娠、そして出産直後から始まる子育ては、喜びと不安が連続する大きな出来事だ。「お産の病院」として知られる「愛染橋病院」では、妊娠初期から分娩前後、子育てが始まってからも手厚くこまやかなサポートで母子の心身を支える。周産期医療に力を入れる同院だけに、医師をはじめ助産師、看護師、保健師など母子と関わるスタッフは、専門的知識と豊富な経験を持ち、多方面にわたる支援を実施。小さく生まれた赤ちゃんやハイリスク妊婦なども含めすべての母子と丁寧に向き合い、個々人の状況や思いに寄り添いながら、退院後の生活につながるサポートを重視しているという。産婦人科部長の早田憲司先生と母体胎児集中治療室(MFICU)の助産師である千葉貴子師長に、取り組みの現状を聞いた。(取材日2023年4月26日)

母子の安全と健やかな生活のために、職種や部門を越えた情報共有で時期や状況に応じた多彩なサポートを提供

Q妊娠初期から分娩前まで、さまざまなサポートを行っていますね。

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助産師の千葉師長

【千葉師長】当院で分娩を希望される方はなるべくお引き受けしたいので、遠方からの里帰り出産も受けつけています。以前は12週頃までに一度受診してもらっていましたが、現在は遠隔分娩予約も可能で、大阪府外の方は、かかりつけ医から地域医療連携室を通して分娩予約をお申し込みいただき、経過や持病など当院で問題なくお受けできるかどうか確認。地域医療連携室からお返事し、妊婦さんには32週までに来ていただくようにしています。またファミリークラスでは、週数に応じて妊娠中の生活や育児の実際、分娩経過などをご説明するほか、多胎児を妊娠中の妊婦さんと出産後の方が交流できる双子教室も再開予定です。

Q無痛分娩も実施されていると伺いました。

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産婦人科部長の早田先生

【早田先生】当院の無痛分娩では、麻酔科の医師が硬膜外麻酔の処置や管理を担当します。また、分娩の誘発は行わず、自然な陣痛発来や、破水が起きたタイミングでの入院になります。お母さんの痛みの軽減を図りながら、安全性にも十分に気を配り、なるべく自然な流れで分娩が進むよう努めています。ただ、この方法ですといつ無痛分娩が始まるか予定が立てられず、対応できる分娩数に限りがありますので、予約制にして受け入れ数を限っています。また、37週未満の早産であったり、分娩時に感染があったりした場合は、予約をしていても無痛分娩ができない場合もあります。無痛分娩に関心がある方は、妊婦健診の際に産婦人科医師にご相談ください。

Q入院中にはどのようなケアや指導が受けられますか?

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分娩前は患者に寄り添ってサポート

【千葉師長】分娩予定の妊婦さんには、分娩の際にしたいことや、産後の手伝いや、授乳に対する考え方などのバースプランをあらかじめ書いてもらい、それを尊重したサポートを行います。母乳育児に関しても、考え方は変わることもあるので、気持ちの変化にしっかり寄り添います。集団での退院指導では、沐浴など赤ちゃんのお世話の指導や病気のサイン、お母さんの産褥期の変化や避妊についてもお話しします。個別に、落ち着いた環境でお話しすることもあります。

Q母乳についての相談もできるそうですね。

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出産後は退院した後もフォローが続く

【千葉師長】産前に行う母乳教室では、病棟の助産師が母乳栄養・母乳育児のメリットや授乳の方法、妊娠中から準備できることをお伝えします。入院中の授乳は病棟で随時サポートしますし、退院後は産婦人科外来で、母乳の量の不安や飲ませ方、そして特に乳腺炎での痛みなど、母乳や授乳に関するご相談にも対応しています。乳腺炎には個人差もありますが、独自の評価方法を作成して漢方薬なども使いながら、早期の回復に努めています。最近では断乳ケアも始めました。母乳のご相談は他院で出産された方も受けつけていますので、ぜひご利用ください。

Q産後の子育てで悩みや困り事ができた場合には?

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「孤立しない子育て」支援を実践

【千葉師長】公費が使用できる2週間健診と1ヵ月健診を実施しています。特に2週間健診はなるべく受けてもらうよう声をかけています。赤ちゃんがまだ入院中のお母さんにも、メンタル面を含めたサポートを行います。その後、産婦人科では2ヵ月から1歳頃までの親子に向けたベビーマッサージを実施。現在は1回1組だけですが、以前のように集団で楽しめるようにしたいですね。また日帰りや宿泊で利用できる産後ケアは、この数年で利用者が増えています。お子さんを預けて眠りたいというお母さんが多く、授乳や育児の相談・練習も行っています。産後ケアは生後4ヵ月まで利用できますので、困ったときは一人で悩まず気軽に頼ってください。

患者さんへのメッセージ

早田 憲司 産婦人科部長

1992年秋田大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院産婦人科で研修した後、八尾市立病院、大阪府済生会中津病院、大阪府立母子保健総合医療センターなどで産婦人科診療に従事。2006年より愛染橋病院で勤務し、現在は産婦人科部長として総合周産期母子医療センターや母体胎児集中治療室(MFICU)の診療・運営をけん引する。

産婦人科には、妊婦さんや赤ちゃんが好きでその助けになりたいと願って専門性を高めてきたスタッフが集まっています。みんな優しいですし、若いスタッフでもお母さんの気持ちに上手に寄り添っていますよ。妊婦さんに向けた助産師による外来も実施しており、医師には話しにくい悩みを相談できる環境です。当院ではハイリスクな妊婦さんもいらっしゃいますので、外来と病棟のスタッフは日頃から密に情報を共有していますし、保健師や医療ソーシャルワーカー、行政などとも連携しながら継続した支援を行います。お母さんと赤ちゃんが主役となって出産や子育てに向き合うためのサポートを今後も大事にしていきます。

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