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社会福祉法人恩賜財団 大阪府済生会野江病院

(大阪府 大阪市城東区)

福田 和彦 院長

最終更新日:2023/10/19

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専門分野を多数持つ地域に根差した公的病院

病床400床を有す公的病院として1951年の開設以来、地域に根差した医療を提供し続けてきた「大阪府済生会野江病院」。心臓・血管センター、創傷治癒センター、脳卒中センター、無菌治療センター、消化器センター、呼吸器センターなど各専門のセンターを設置し、内科と外科がシームレスに連携した質の高い専門医療に取り組んでいる。2022年度に体制を一新した脳神経外科では脳卒中に特に強みを持ち、手術件数も増えているそうだ。2024年度初めには手術支援ロボットの導入も見据え、人口約37万人を擁す大阪市東部3区により高度な医療を届けるためにまい進する、福田和彦院長に話を聞いた。(取材日2023年7月10日)

貴院の歴史と地域での役割を教えてください。

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1951年、前身の診療所から病院へと昇格した当院は、困窮者の方々の救済を目的とし明治時代に設立された済生会の一施設として、地域に密着した医療を展開してまいりました。70年を超える歴史の中で、病院の規模拡大、医療の進歩も含めた病院の果たすべき役割の変化に対応するため、2回の移転を経て、2011年5月より当地に新築移転しました。城東区・鶴見区・旭区があり人口約37万人を擁す大阪市東部エリアの公的総合病院として、数多くの救急車を受け入れるなど、救急医療においても非常に重要な役割を果たしていると自負しています。超高齢社会の進行に伴い、ご高齢の方の大腿骨頸部骨折など整形外科領域の搬送も増え続けています。また当院では脳卒中センターや心臓・血管センター、消化器センターや呼吸器センターなど6つの専門的なセンターを設け、診療レベルの向上に努めている点が当院の特徴であり強みです。

脳神経外科では、脳卒中の診療に力を入れているそうですね。

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2022年に脳神経外科のメンバーが入れ替わり、特に脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の3つを指す脳卒中の診療に強みを持つ医師2人が入職しました。ともに日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医の資格と高い専門性を持ち、2022年度の血管内治療数はそれ以前に比べ飛躍的に増加しています。看護師や放射線技師など各スタッフをはじめ病院一丸となって、時間との戦いである脳卒中に適切かつ速やかに対応できる体制を整えています。脳梗塞への血栓回収療法なども得意とするほか、くも膜下出血に対してはコイル塞栓術なども積極的に受け入れているのも特徴です。なお脳卒中はもちろん心臓血管外科、循環器内科の各診療にも欠かせない血管造影装置は2台を配置。2023年9月にはより精密な検査が実現し、合併症発症リスクも抑えるのにも有用な新しい血管造影設備を導入し、高度な医療の提供が可能となります。

創傷治癒センターなどあまり聞かないセンターもありますね。

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6つあるセンターのうち、非常に特徴的なのが「創傷治癒センター」です。糖尿病の場合、足の血管が詰まり足が腐敗して壊疽(えそ)に至ることがあります。壊疽してしまうと足を切断しなければならないのですが、創傷治癒センターでは、形成外科を中心に糖尿病・内分泌内科、血管に関連する循環器内科の医師らが協働して治療に取り組むほか、看護師や管理栄養士ら日常生活指導を行うスタッフも介入して、壊疽を未然に防ぎ、足の切断に至らないように努めています。循環器センター・呼吸器センター・消化器センターなども、内科と外科がシームレスに連携し、より適切な医療をスピーディーに提供できるのが強み。治療を終えた後、地域のかかりつけの先生方に患者さんをお返しするまでの一連の流れがスムーズになるのも、メリットだと考えています。なお前述した脳卒中の診療には、脳神経外科医師と脳神経内科医師が参加し24時間365日体制を可能としています。

地域連携にも力を入れていると伺いました。

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設立以来、地域とともに歴史を積み重ねてきた当院は、大阪市東部3区を中心に約400人の地域連携登録医の先生方とつながっています。当院は直接初診を受け入れる性質の病院ではなく、まずは開業医の先生、特に登録医の先生方からご紹介いただいて、適切な検査・治療を行い、地域にお返しするという役割を担っています。当エリアの医師会と共同で講演会を年1回実施しているほか、ご紹介いただいた患者さんのオンラインでの経過説明とディスカッションなどの取り組みも長く続いていますね。また、いくら適切なタイミングでご紹介いただいても、多忙で平日の受診は難しいという患者さんもいらっしゃいます。当院では受診される方の利便性を第一に考え、祝日は通常どおりに診療を実施しているのも特徴です。

今後の展望と地域の方々へのメッセージをお願いいたします。

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がん診療にも力を入れている当院では、白血病など血液内科領域は内科のみでの対応となるものの、それ以外の領域のほとんどが内科・外科が協働してがん治療に取り組んでおり、術後の化学療法は外来でも対応しています。今後さらにがん治療を発展させたいと考える当院では、2024年度初めを目安に手術支援ロボットの導入が決まっており、消化器外科・泌尿器科・呼吸器外科・婦人科の各領域で手術支援ロボットを活用した繊細・精密な手術を提供できるように努めます。また手術件数も急増中の脳卒中の診療は、国内トップクラスの施設をめざして邁進してまいります。当院はかかりつけの先生方のご紹介でご来院いただくケースがほとんどだと思いますが、地域のための病院ですので、困ったことがあれば遠慮なくお越しください。そのための体制を整えてお待ちしております。

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福田 和彦 院長

1981年京都大学医学部卒業。同大講師・助教授などを経て、同大学大学院医学研究科侵襲反応制御医学講座麻酔科学分野教授に就任。大阪府済生会野江病院院長補佐として勤めたのち、2022年より現職。日本専門医機構麻酔科専門医。医学博士。

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