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社会医療法人大成会 福岡記念病院

(福岡県 福岡市早良区)

上野 高史 院長

最終更新日:2022/12/27

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「断らない医療」で地域医療を大きく支える

1959年に「大塚外科医院」としてスタートした「福岡記念病院」は、1965年に現名称に変更。以来、地域救急医療の中心を担う役割を担ってきた。地域の医療機関との病診連携や、同法人で予防医学・健康管理を行う「福岡記念PET・健診センター」とも連携体制を構築し、地域に根差した医療を提供。2020年から同院を率いる上野高史院長は、「地域住民が求める安全で信頼される医療を行う」という理念のもと、内科、外科をはじめ、循環器内科、脳神経外科、泌尿器科、放射線科など豊富な診療部門による質の高い専門性を追究する総合病院をめざす。より精度の高い治療を行うためにガンマナイフなどの高度医療機器も導入。また、救急車のみならず、個人で来院する急患も24時間体制で受け入れるなど、「決して断らない」という信念の救急医療体制も大きな特徴だ。「365日ベッドに空きがある限り、決してお断りしません。救急疾患には心臓血管疾患、脳血管疾患、外傷などの整形外科疾患やがん関連疾患など、すべての領域に対応できる体制を整えています」と話す上野院長に、同院の診療体制や取り組みなどについて詳しく聞いた。(取材日2022年11月16日)

病院の成り立ちについてお聞かせください。

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1959年に「大塚外科医院」としてスタートしたのが始まりです。1965年に現名称の「福岡記念病院」に変更し、外科、内科、胃腸科、小児科、整形外科、肛門科を開設。以来、診療科を拡充しながら、長きにわたり地域救急医療の中心を担う役割を果たしてまいりました。現在は、内科、外科をはじめ、循環器内科、脳神経外科、整形外科、泌尿器科、放射線科、小児科など30を超える診療部門を設置。「地域住民が求める安全で信頼される医療を行う」という理念のもと、各診療科において、より精度の高い検査と治療、そして質の高い専門性を提供する総合病院をめざしています。また、開放型病院として地域の診療所やクリニックなどの医療機関と親密な病診関係を築き地域医療を支えているほか、予防医学・健康管理を行う系列の「福岡記念PET・健診センター」とも連携体制を構築。地域に根差した医療の提供を行っております。

地域においてどのような役割を担っていますか?

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困ったときの駆け込み寺、もしくは最後の砦のような役割を担っていると言えばご理解いただきやすいかと思います。初代院長がめざされたのがまさにそこでした。救急患者を断らない病院を目標に、ここまで規模を広げてきたという歴史があります。クリニックからのスタートでしたから、それは並々ならぬ努力と熱意だったでしょう。私は新型コロナウイルスが流行するさなかの2020年に着任しましたので、まず未知なる感染症の受け入れにおいて協力を得るのに苦労するだろうと覚悟をしておりました。多くのコメディカルを抱えておりますので、皆の理解を得ることから始めなければならないと考えていたところ、驚くべきことにその必要がまったくなかったのです。彼らは皆、常に受け入れをどうやって断ろうではなく、どうすれば受け入れることができるかを考え医療に従事していたんです。これには感服いたしました。

急性期疾患や診療の特徴についてはいかがでしょう。

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急性期に関しては循環器と脳疾患で救急搬送される方が多く、意外だと思われるでしょうが「めまい」で搬送されるケースも。というのが、めまいの陰に脳梗塞が隠れていることもあります。当院は全診療科が夜間も含めオンコール体制をとっていることから、脳疾患やそのほかの疾患も踏まえた上での対応が可能です。一方心疾患に関しては、やはり高齢者の発症が多く、医療資源が豊富といわれている福岡市でも受入れる余裕がなくなっている施設が増えているのが現状ですので、そういった場合の受け皿になっているのも特徴だといえるでしょう。そのほか、豊富な診療部門を備え、低侵襲の機器やガンマナイフなど先進機器も積極的に導入し、股関節の人工関節手術、がん治療、リハビリテーションなど包括的な診療が可能。その一方で、定期検診や人間ドックの場合は近くにある「福岡記念PET・健診センター」と連携をとり、病気の予防と早期発見に努めています。

地域連携によるチーム医療にも注力されているとお聞きしました。

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総合診療部門には5人の医師がおり、迅速な判断力を生かした診療で非常に貢献してくれています。すべての方を受け入れるスタンスは今後も変わりませんが、病態によってはほかの施設のほうが適しているケースもありますので、それを見極める力は非常に重要です。超高齢社会になり、心不全パンデミックといわれているように、大きな病院では高齢者をこれ以上受け入れきれないという状況が目の前に迫ってきています。それを回避するためには「施設完結型医療」から「地域完結型医療」へのシフトが急務です。当院でも病診連携、地域医療連携室を強化する取り組みを行っています。各施設とのパイプは数多くあるため、そのクオリティーを高めていくために、今後は行政の協力も仰ぎながら地域全体で切磋琢磨することが必要だと考えます。当院は専用の救急車両を備えていますので、施設間の送迎も行っています。

では、最後に今後の展望についてお聞かせください。

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これまでは救急対応が中心でありましたが、アクセスに恵まれた立地を生かして、今後は日帰りの脊椎手術や、脳腫瘍をはじめとするがん治療など幅広く包括的な医療の提供に注力していきたいと考えています。現在、各診療部門の医師67人、看護部324人、医療技術部132人、その他含めると総勢約630人によるチーム医療を実施。深夜にこれほどMRIやCTを撮っている病院はないんじゃないかと思うくらい、志の高いスタッフが集結している病院だと自負しています。その一方で、建物自体が老朽化してまいりましたので、今後次なる感染症が起こっても耐え得るように、新病院の構想も練っております。昔から新規の感染症が発生するたびに、新たな文化の誕生や化学の進歩にもつながってきました。そういった意味で、われわれは特に新型コロナウイルス流行の経験を生かし、自分たちが何をやれるのかを常に考え、日々の診療に取り組んでまいりたいと思います。

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上野 高史 院長

1982年長崎大学医学部卒業後、米アトランタ心臓血管研究所留学、福岡市医師会成人病センター副院長、久留米大学循環器病センター教授、同病院副院長などを経て、2022年より現職。専門は虚血性心臓病やカテーテル治療、末梢動脈病変など循環器一般。日本循環器学会循環器専門医。「決して諦めない」をモットーに、地域の救急医療と診療体制の充実に取り組む。

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