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福岡大学病院

(福岡県 福岡市城南区)

三浦 伸一郎 病院長

最終更新日:2024/04/16

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地域に開かれた「あたたかい医療」を

1973年に405床の入院施設を備えて開設された「福岡大学病院」。現在は総病床数771床を備え、幅広い医療に対応することで地域医療の中心として機能している。2024年5月にはヘリポートなどを備えた新本館が開設。手術支援ロボットを活用したがん治療、ハイブリッド手術室を拡充し脳血管疾患や循環器疾患に対するカテーテル治療など低侵襲治療を推進。医師や看護師を現場に派遣する際に用いる緊急自動車FMRCやECMOカーを活用した救急医療や周産期母子医療を強化するなど、福岡・糸島医療圏を医療拠点としての存在感を強めている。また移植医療にも注力しており、脳死肺移植に関する移植施設として選定されている。2023年12月から病院長を務めるのは三浦伸一郎先生。「現代は人生100年時代。健康で皆さんと一緒に過ごせるように、優れた医療人を育成し地域医療に貢献できる病院をめざしていきたい」と意気込む三浦病院長に、病院の歴史や地域における役割、特徴的な診療、今後の展望などについて詳しく話を聞いた。(取材日2024年2月13日)

地域においてどのような役割を持つ病院だとお考えですか?

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当院は1973年に設立され50周年を迎えたばかり。特定機能病院として高度な医療技術を用いた急性期医療をはじめ、二次・三次救急をも担う病院として福岡・糸島医療圏の医療を支えています。大学病院であることから、幅広い診療科があり、さまざまな専門性を持つ医師が在籍しています。クリニックなどからご紹介を受けた患者さんをしっかり治療する地域の中核的な病院という役割を果たしています。私立とはいえ公的な面を持ち合わせ、医療の下支えをしていくことが私たちに求められていると思います。救急においては「断らない救急」を合言葉に、現場に医師や看護師を投入するための緊急自動車FMRC(Fast Medical Response Car)、ECMOの装着が必要な重症患者の搬送を可能にするECMOカーを配備し、“攻め”の救急活動をめざしています。大規模災害への対応も一つの役割ですから注力しているところです。

こちらの病院の理念に込められた想いについて教えてください。

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理念として「あたたかい医療」を掲げています。これは2003年頃に策定されたものですが、温かいというと「和みがある」「心温まる」「ゆっくり過ごせる」といったイメージが連想できます。検査を受け、治療のために入院して不安を感じないという患者さんはいないのではないでしょうか。「本当に治るのだろうか」「自分は大丈夫なのだろうか」と心配になるところを、医師だけではなく看護師をはじめとしたメディカルスタッフ全職種で支えながら、包み込むように医療を提供すること。それが私の考える「あたたかい医療」です。検査結果が良い人がいれば悪い人もいる、治療が順調に進む人がいれば逆に予後が大変なケースもある。それでもしっかりと説明を行い、当院で頑張って治療に臨もうと感じていただき、皆さんが苦しい時に頼ることができる医療機関でありたいと思っています。

特徴的な医療についてお聞かせいただけますか?

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いろいろな専門家がいて、それぞれの領域で高度な医療が提供できることは大学病院としての強みだと思います。特に移植医療に関しては、肺移植だけではなく腎移植、膵臓移植などに対応しています。またがん治療は一つの柱であり、その中でも消化器がんの患者さんが多く、それ以外にも脳卒中や、心不全、心筋梗塞などの脳・心血管系疾患、あるいは整形外科領域の患者さんには数多く受診いただいています。2024年5月には新本館が稼働し、救命救急センターでは集中治療室が強化されます。またがんをはじめさまざまな疾患の低侵襲手術が求められていますので、手術支援ロボットを活用した手術を強化するほか、ハイブリッド手術室を充実させ、脳・心血管系疾患に対するカテーテル治療についても注力していく予定です。加えて周産期母子医療を拡充し、低体重や合併症が見られる新生児への医療、難しい出産などにも積極的に取り組みます。

新本館稼働に向けて意気込みをお聞かせください。

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病院長直轄で3つのワーキンググループに取り組むのが大きな特徴です。1つは集中治療のワーキンググループで、ERセンターを設立し、救急センターや集中治療室を一体的に連携する構想があります。もう1つは大学病院として治験を推進するグループです。患者さんを治療するためには高度な技術も重要ですが、新たな薬を世に送り出すことも必要ですから。そして3つ目が多職種連携。現在でもチーム医療を重視していますが、当院には約1900人の職員が働いており、縦のつながりだけではなく横のつながりが必要です。人と人の連携も網目上に広がることで強固になると考えています。医師、看護師、理学療法士、栄養士など、多職種の専門家が知識を出し合って医療を提供することができれば、患者さんにもより良い治療が届けられるはずです。そのためには優れた医療人の育成と獲得が必要ですが、卒後臨床研修センターなどを充実させながら対応していきます。

最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

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私たちがめざす優れた医療人とは、しっかりと患者さんのことを第一に考えられる人のことを意味します。大学病院は臨床だけではなく研究も行う機関ですが、臨床に取り組んでいようと研究者であろうと、最終的に患者さんのことを考えることができる医療人が理想です。そうした人材育成に取り組みながら、地域のクリニックの皆さんとの連携はもちろん、基幹病院ともタッグを組みながら皆さんに医療を提供していきたいと考えています。ですから当院を一度でも受診してくださった患者さんが、「また福岡大学病院にお願いしたい」と感じてもらえるような病院になればうれしいですね。患者さんに開かれた病院、医療スタッフにも開かれた病院であること、今後は急性期を脱した後の生活までを視野に入れられるよう在宅療養支援へと連携できることも必要です。現代は人生100年時代。健康で一緒に過ごせるように、地域医療に貢献できる病院をめざします。

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三浦 伸一郎 病院長

1988年福岡大学医学部卒業後、同大学病院内科学第二にて臨床研修を行い、1994年同大学大学院修了。同年より福岡大学病院第一内科に入職し、米国クリーブランドクリニック・ラーナー研究所へ留学。福岡大学医学部心臓・血管内科学准教授を経て、同大学主任教授、福岡大学病院循環器内科診療部長、福岡大学西新病院長などを歴任し、2023年12月より現職。

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