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岐阜大学医学部附属病院

(岐阜県 岐阜市)

秋山 治彦 病院長

最終更新日:2022/09/21

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高度医療に対応していくため設備を整える

岐阜市の中心部から車で20分ほどの緑豊かなエリアに立つ「岐阜大学医学部附属病院」。特定機能病院として、先進のがん医療や救急医療をはじめ、あらゆる領域で中核医療機関の役割を担う病院だ。2020年には名古屋大学と法人が統合され、未来の医療をめざす共同研究も始まった。また、2022年4月には新手術棟が完成するなど、高度な医療を提供するための設備もさらに充実。新たに病院長に就任した秋山治彦先生は、にこやかな笑みを浮かべながら、診療・教育・研究分野において同院が果たすべき使命や、将来のビジョンを丁寧に語ってくれた。より一層信頼される大学病院をめざし、これからも進化を続けていくことだろう。(取材日2022年8月16日)

病院の歴史と、最近の動きについて教えてください。

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当院は1875年に岐阜県公立病院として設立され、その後、何度かの名称変更を経て、1964年に国立岐阜大学医学部附属病院となりました。2004年には、柳戸の現在地に移転新築し、電子カルテが導入されたのをはじめ、高度な救急医療の提供が可能な病院として新たに生まれ変わりました。そして2020年4月には、岐阜大学と名古屋大学の法人統合に伴い、東海国立大学機構が運営する病院となり、新たな挑戦を開始しています。また、2022年4月には新手術棟が完成しました。これまでも当院は、内視鏡外科手術のトレーニングセンターを開設するなど県内の若手医師の技術向上に努めてきましたが、現在設置を進めているカダバートレーニングセンターとも連携し、献体を用いたより実践的な訓練が行えるようになりました。

地域でどのような役割を担っている病院なのでしょうか。

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当院には、岐阜県の地域医療の最後の砦となる大きな役割があります。特にがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患の5疾患と救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療の5事業に注力してきましたが、さらに、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、今後は新興感染症に対する医療も加わって、5疾病6事業で地域の中核病院の役割を担っていくことになります。救急医療では、ドクターカー、ドクターヘリも備え、24時間体制で重症患者に対応する高度救命救急センターを運用。がん治療では手術、薬物療法、放射線治療、がんゲノム医療を組み合わせて患者さんに負担の少ない低侵襲医療を提供しています。

新しい手術棟は、どんな機能を備えているのですか?

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2022年4月の新手術棟完成により、従来は12室だった手術室が17室に増え、手術までの待機期間が短くなることが期待できます。新手術棟の5室は広さも段違いで設備も充実しています。当院は新鋭の手術支援ロボットを2台有していますが、ロボットが余裕を持って稼働できるスペースを持つ専用手術室も新設しました。ロボット手術はこれまで泌尿器科だけで行っていましたが、呼吸器疾患、消化器疾患、産婦人科疾患などにも保険適用範囲が広がり、患者さんもロボット手術を希望する方が増え、幅広い領域で行うようになっています。また、手術台に血管造影装置を組み合わせたハイブリッド手術室も2室あり、高画像の透視や3D撮影を活用したより精度の高い手術が可能になりました。今年から、トレーニングセンターでロボット手術のシミュレーター訓練も開始する予定で、医師の技術習得も同時に進めます。

大学附属病院としての研究や人材育成についても教えてください。

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名古屋大学と連携して互いの医療情報を研究に生かすプロジェクトを進めていますが、来年度からは愛知・岐阜の各自治体からも健康情報を提供いただいて、例えば、住民や自治体の要望に合わせて認知症やロコモティブ症候群を予防するといった取り組みも開始します。また、当院では国立がん研究センター東病院と共同研究を行っているがんゲノム医療をはじめ、多くの研究が進行しており、新たな標準治療を創成することをめざしています。新型コロナウイルス流行の影響で現在はストップしていますが、フランス、カナダ、アメリカ、韓国、シンガポールの大学と提携し、医師や学生の交流も積極的に推進しています。さらに、医学生の臨床実習、医師の初期研修システムを見直し、内科医を志望する人には内科系診療科を多く回ってもらうような新しいプログラムを来年からスタートさせる予定です。

今後の展望についてお聞かせください。

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2023年1月に総合患者サポートセンターを開設する予定です。地域の病院・クリニックからの紹介窓口、入院から退院後の生活まで見据えたサポート、そして患者さんの相談に応じるという機能を1ヵ所に集め、これまで以上に迅速、丁寧な個別対応を行うようにします。ここでは患者さんが入院前や入院中に、手術・治療の解説動画を見ることができるコーナーもつくります。当院がめざすのは、特定機能病院として高度な新しい医療を安全に提供できる病院です。同時に受診しやすさも追求します。2024年には本院の北側に東海環状自動車道岐阜ICが開通予定であり、岐阜市のみならず岐阜県全域から来院しやすくなります。通院できない方々へはデジタルトランスフォーメーション技術を活用してオンライン診療を提供することや、各地域の病院・クリニックとの連携をさらに強化するなどの方法も考えていきます。

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秋山 治彦 病院長

1988年京都大学医学部卒業。整形外科の医師として同大学医学部附属病院や神戸市、松江市の基幹病院に勤務した後、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターアシスタントプロフェッサー、京都大学医学部整形外科准教授を経て、2013年岐阜大学医学部整形外科教授に就任。2022年4月から岐阜大学医学部附属病院病院長を兼任。専門領域は、変形性股関節症、臼蓋形成不全、大腿骨頭壊死症など、股関節疾患の研究と診療。

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