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医療法人財団新生会 大宮共立病院

(埼玉県 さいたま市見沼区)

猪原 則行 院長

最終更新日:2020/11/25

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地域の医療、保健、福祉を総合的にサポート

1981年の創設以来、地域に密着した医療を行っている「大宮共立病院」。創設者である漆原彰理事長は、学生時代にやがてやってくる高齢社会を予見し、当時はまだ珍しかった高齢者医療の研鑽に励む中、地域の高齢者のための医療機関を作りたいという思いを募らせ同院を開設。院名の「共立」という言葉には患者、地域と共に立つという思いが込められている。二代目院長の渡部英之先生の時代には、画像診断部門と認知症患者のケアを充実。その後、1989年の新病棟設立に伴う外科分野の拡大のために猪原則行医師が就任。猪原医師は、長年、外科の医師としてがん患者と接してきた経験を生かし、同病院でのチーム医療による緩和ケアを確立。患者だけではなく家族にとっても満足度の高いターミナルケアをめざす。また、同院のグループ施設として、訪問看護ステーションや居宅介護支援センター、介護老人保健施設、がん検診、乳腺や甲状腺専門のクリニック、高齢者総合福祉施設など多岐にわたるサービスで地域医療を支えている。「信頼の医療とここちよい療養の実践」を基本理念とし、日々医療を提供する同院について話を聞いた。
(取材日2017年7月27日)

診療の特色や力を入れている分野はありますか?

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50床からなる回復期リハビリテーション病棟では術後の回復期のリハビリを中心に、「365日リハビリ体制」として日曜日のリハビリも行っています。特殊疾患病棟では重度のパーキンソン病や脳障害の患者さまのケアを実施。介護病棟では認知症の患者さまも受け入れています。リハビリと在宅医療サービスの強化を目的としたアクティビティーセンターでは、1階に医療福祉相談室、居宅介護支援センター、訪問看護ステーションなど関連施設を配置し、リハビリ及び在宅支援に結びつくような医療を提供しています。また人間ドックや企業健診にも力を入れており、人間ドックの受診者は年間1万8500人超えを維持。企業健診は年間受診者、8万人くらいで維持されています。近隣の地域のみでなく、広範囲な健診活動により、予防医学に貢献しています。他、リハビリスタッフが自治会や老人クラブ等に出向き、介護予防体操の実践や認知症予防などを働きかけています。

緩和ケアはどのような取り組みをしていますか?

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当院での最初の取り組みは2003年1月に入院された患者さまでした。その方は日本尊厳死協会に入会されていて尊厳死を希望されていましたが、当時の私たちは尊厳死をどう扱ってよいかわからず、尊厳死とは何かを皆で考えることから始めました。これがチーム医療による緩和ケアのスタートでした。それからは、がんの患者さまには入院後1週間ほどで初期カンファレンスを実施。どういうケアが必要か、疼痛コントロールや栄養摂取などさまざまな職種のスタッフが自由に意見を出し合い、チームの意見を尊重して治療を進めています。その中で、2006年から亡くなられた患者さまのご家族にお盆と暮れにスタッフの寄せ書きのようなお手紙を出していたのですが、それがとても評判が良く、ご遺族とのつながりの大切さを改めて感じました。そこで、ご遺族に対するグリーフケアの実践として、年に一度の家族会・遺族会「虹の橋」を開催、今年で11回目を迎えます。

地域の医療機関との連携について教えてください。

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当院から車で30分以内の近隣に、自治医科大学附属さいたま医療センターとさいたま市立病院があるので、絶えず患者さまの相互受け入れがスムーズに行われています。地域のクリニックの先生も大きな病院に行く段階ではないけれどという際には当院での受診を勧めてくださったり、こちらから退院後の在宅診療をお願いしたりと、病院、診療所ともに良好な関係が築けていると思います。また、自治医大さいたま医療センターからは、当院の外科、整形外科、消化器内科へ非常勤の医師を派遣いただいています。

病院長として心がけていることはありますか?

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キーワードは「地域に信頼される医療・福祉」を提供するためにはどうするかということですが、病気で苦しんでいる人がいれば気持ちよく引き受ける、施設に入って療養したい人にはそのために必要な対応をするなど、要望があればできるだけスムーズに受けてあげたいというのが私の気持ちです。あとは病院や診療所とのつながりを大切にすることで、地域から信頼される病院になり、職員が自分たちの仕事はそういう仕事だという意識を持つことで、いきいきと仕事をしてほしいというのが私の思いです。医療、福祉の仕事は忙しく、責任も重くて大変な仕事ですが、職員一同が心を一つにして、この仕事は地域で信頼されることであると自信を持って言えるように努めていきたいと考えています。

今後の展望と地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

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現在、病院の建て替えを計画中ですが、リハビリをワンフロアにしてより機能的に活用できるようにする、内視鏡のベッド数を増やしカメラも3台置けるスペースを確保するなど、より多くの方に質の高い医療を提供できるよう環境を整えていきたいです。今後は、地域包括ケアシステムが展開されるに応じて、地域での医療・福祉が一層重要と思われます。地域の方には、われわれを信頼して安心して受診していただければうれしいです。それに見合う医療を提供していきたいと思います。当院の基本理念であり理事長が設立以来掲げている「地域社会への貢献」がしっかりとできれば、「職員の生活と質の向上」、「健全な経営」は自ずとついてくるはずです。職員全員が地域の人の役に立っているという実感を持って仕事ができること、それが院長としての一番の望みです。

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猪原 則行 院長

1973年熊本大学医学部卒業。日本鋼管病院外科、慶應義塾大学医学部臨床訓練医、同大学外科小児外科、都立清瀬小児病院(現・東京都立小児総合医療センター)小児外科、杏林大学医学部付属病院小児外科、浦和市立病院(現・さいたま市立病院)外科での勤務を経て、1989年より大宮共立病院。医学博士。外科での経験を生かして緩和ケアにも取り組む。

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