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医療法人社団曙会 流山中央病院

(千葉県 流山市)

国吉 昇 理事長

最終更新日:2024/01/17

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長く暮らした地域で一生過ごせるのが一番

流山市の発展とともに医療体制を拡充してきた「医療法人社団曙会 流山中央病院」。国吉昇理事長は、約40年前、流山市が医療過疎地で救急病院がないために、地域の救急患者がたらい回しになっていることを憂慮し、外科中心の救急病院を開設。その後、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設も開設、同病院を核とした医療福祉村をつくるべく精力的に尽力してきた。「皆さんご自身が長く生活してきた場所で、一生を過ごせるのが一番良いことですよね」と穏やかな笑顔で話す国吉理事長。その人柄から、地元の人々からは「大先生」と親しまれ、国吉理事長が院内を歩くだけで多くの人が集まってくるそうだ。そんな国吉理事長に病院の特徴や強みについて話を聞いた。
(取材日2019年1月25日/更新日2023年1月25日)

こちらの病院の成り立ちについて教えてください。

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開設したのは1978年です。当時、私は東京女子医科大学付属第二病院、今の東医療センターに勤務していました。結婚して松戸に住んでいたのですが、隣町の流山がいわゆる医療過疎地であることが耳に入っていました。救急病院がないために、救急患者があちこちたらし回しにあっていたのですね。それで流山に外科の救急病院をつくろうと思い、最初49床で開業しました。その頃の流山は人口9万人で、周りにはブドウ園やナシ園が広がっていました。それが今では人口17万人にも膨らみ、現在も増加中です。そんな町の発展に伴って、当院も西館の増設や本館の大改築などを重ねて医療体制の充実を図ってきました。救急医療では、麻酔専門の医師が常勤しており、24時間365日受け入れています。特に脳血管障害の急性期医療に力を入れています。早期の社会復帰も重視しており、回復期リハビリテーション病棟や通所リハビリテーションなども設置しています。

こちらの一番の強みについて教えてください。

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まず脳神経外科です。優秀なドクターたちが、さまざまな脳血管疾患に取り組んでいます。近年、脳神経外科領域では開頭術と脳血管内治療とを分ける流れとなっていて、大規模病院ではほとんど分離されています。ですが、開頭術と脳血管内治療とは相補的関係であるのになぜ分離するのかと疑問に思い、両方の手術・治療の研鑽を重ねてきた医師もいます。当院では、患者さんにとってより良い手術・治療を選択したいと考えており、可能であれば、低侵襲性の血管内治療を第一選択肢としています。脳血管外科領域では、画像診断が非常に重要ですので、当院では血管造影法(アンギオグラフィー)や核医学検査(アイソトープ検査)などを導入し、脳血管障害を正確に診断できるよう努めています。最近では、脳卒中なら当院へと広く知られるようになり、近隣の大規模病院からの紹介も多くなっています。

手外科・上肢外科部門も開設されていますね。

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2018年4月に、私の息子で手外科が専門の国吉一樹医師が着任し、手外科・上肢外科部門を新たに設置しました。千葉大学整形外科で手の外科の臨床と研究に携わった経験を生かして手・指・腕・肘の疾患について、より専門的な治療を行っています。2019年4月からは、私の母校である信州大学の整形外科の加藤博之先生を名誉病院長に迎え、千葉大学整形外科手外科との連携もさらに密にしながら、多くの手外科疾患に対応していきたいと思います。また、消化器外科も診療体制を強化しています。東京女子医科大学東医療センター外科で長く臨床にあたってこられた山口健太郎先生を中心に常勤3人、非常勤2人の医師たちがそれぞれ得意分野を生かしながら、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、腸炎といった消化器疾患から消化管・肝胆膵領域の悪性疾患や胆のう結石症、脱腸、虫垂炎、痔などの手術を要する疾患まで幅広く対応しています。

こちらは介護・福祉施設など関連施設も多いですね。

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病院開設当初から救急病院を核とした医療福祉村をつくろうと考えてきました。ご自身が長く暮らしてきた場所で一生過ごせるのが良いですよね。気心の知れた家族や仲間がいる所で安心して暮らせるのが一番です。医療法人として通所リハビリテーション施設やサービス付き高齢者向け住宅アンジュカ初石を開設しています。また、社会福祉法人として1983年に特別養護老人ホーム初石苑とショートステイサービス初石苑を開設したのを皮切りに、1999年にケアハウスサンライズ流山、特別養護老人ホームあざみ苑、2005年に特別養護老人ホームはまなす苑、2016年に特別養護老人ホームでいごなど各施設を開設しています。包括支援センターも2ヵ所に設置しています。このように、2つの法人による医療、福祉施設によって、急性期から在宅復帰、施設入居、介護にいたるまで一貫して地域にお暮らしの方々の人生を支える体制が整っている点も大きな特徴です。

では最後に今後の展望をお願いいたします。

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診療部門では、当院の一番の強みである脳神経外科をはじめ消化器外科、手外科をさらに拡充していきたいと考えています。手外科・上肢外科では、専門のドクターを2~3人程度増やしていきたいですね。これまで地域のクリニックから患者さんの紹介もありますが、今後はさらに地域連携を密にしていきたいですね。2019年9月には、リハビリの専門性に特化した泉リハビリテーション病院を新しく開設いたしました。それを機に現在ある西館のリハビリ病棟を2020年4月より急性期病棟に変更しました。救急医療についてはまだ十分ではない点もありますのでさらに医療体制を充実させたいと思います。流山市に暮らす方々の人生をしっかりと見守る、地域に密着した病院であると同時に、高度な専門医療や救急医療を提供できる中核病院としての役割をしっかりと担っていけるよう、これからもさらに努力していきたいと思います。

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国吉 昇 理事長

1966年信州大学医学部卒業。東京女子医科大学付属第二病院(現・東京女子医科大学東医療センター)にて、脳や消化器、泌尿器、心臓、小児などの幅広い外科の臨床経験を積む。1978年外科の救急病院として流山中央病院を開設。医療過疎地における救急医療体制を確立し、現在はリハビリテーションを含めた総合的な医療・福祉の提供に注力。地域に根差した健康維持や予防医療の啓発活動にも力を入れる。

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