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医療法人三愛会 埼玉みさと総合リハビリテーション病院

(埼玉県 三郷市)

熊澤 健一 院長

最終更新日:2024/03/14

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多職種連携で質の高い回復期リハビリを追求

つくばエクスプレス・三郷中央駅からバスで5分ほどの場所にある「埼玉みさと総合リハビリテーション病院」は、回復期リハビリテーションに特化した専門病院。2003年の開設以来、脳血管疾患などによる脳神経障害、下肢や脊椎などの整形外科手術後の運動機能障害、さらに重症感染症や大手術により廃用症候群を来した患者を対象として、在宅復帰を目標に早期の機能回復をサポートしている。中でも脊髄損傷の患者の受け入れや摂食嚥下訓練、自動車運転評価に力を入れている。日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医4人をはじめ、各科の経験豊富な医師陣に加え、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士ら130人を超えるセラピストが在籍しており、民間の回復期リハビリテーションを手がける単科病院としてチーム医療体制を整備。院長の熊澤健一先生に、同院の強みや回復期リハビリテーションのあるべき姿、今後の展望などについて、詳しく話を聞いた。(取材日2023年11月7日)

こちらはリハビリテーションに特化した専門病院だそうですね。

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はい。脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患をはじめ、頭部外傷や脳腫瘍などに起因する脳神経障害のある方、あるいは大腿骨骨折などの整形外科手術後すぐに歩けない方、あるいは大きな手術や重症疾患などの治療により臥床時間が長いために筋力が低下し、いわゆる廃用症候群になってしまった方など、厚生労働省が指定する回復期リハビリテーションの対象疾患の患者さんのほとんどを受け入れています。ちなみに当院に入院されている患者さんの元の疾患を見ると、脳血管疾患が6~7割と多くを占めていることが特徴の一つです。リハビリテーションの内容は、手足の運動機能の回復はもちろん、注意力や記憶力などの高次脳機能、言語機能、嚥下機能の回復など多岐にわたっています。患者さんの回復力によっては家事や復職、運転なども積極的にめざしています。

医師陣も経験豊富な人材がそろっていると伺いました。

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日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医4人をはじめ、脳神経外科、整形外科、神経内科などを専門にするリハビリテーションに精通した医師が複数在籍しております。これら医師が連携し合い、患者さんを総合的かつ詳細に診療することで、入院時不安定だった心・肺・消化器などの内臓機能を向上させ、リハビリテーションに専念できるよう努めています。回復期リハビリテーションを手がける民間病院でこれだけの体制を整えているのは、埼玉県下でも少ないのではないかと思います。この強みを生かし、毎週のカンファレンスで主治医とセラピスト、看護師ら多職種が一人ひとりの患者さんのリハビリテーションの進捗状況を報告し合います。当初立てた目標を達成できる見通しか否か、医師も参加してリハビリテーション計画の再検討を行い、新たな方針を決定しています。このように常に多職種の緊密な連携によるチーム医療を提供しています。

こちらの病院ならではの強みについて教えてください。

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理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったセラピスト約130人が在籍しているリハビリテーション科単科の病院ですから、スタッフが充実している分、調理や掃除洗濯などの家事、仕事復帰や自動車運転評価など患者さんが少しでも社会復帰できるようなリハビリテーションに開院以来注力し、実績を積んできました。また受け入れ先が決して多いとは言えない脊髄損傷の患者さんも、当院には脊髄損傷の診療経験豊富な医師がいるため、積極的に受け入れています。また、喉の神経障害や筋力低下により飲み込みが難しくなってしまった患者さんのために、嚥下造影検査と嚥下内視鏡検査の両方で随時回復具合をチェックしながら進める摂食嚥下リハビリテーションにも注力しています。さらに臓器移植や敗血症、多臓器不全などで半年以上寝たきりとなった重度の廃用症候群の方にも症例を選び運動機能と内臓機能の相乗効果をねらってリハビリテーションに挑戦しています。

地域の中で担うべき役割についてはどのようにお考えですか?

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当院は、急性期病院で治療を終えた患者さんの受け皿として、厚生労働省が2000年に回復期リハビリテーション病棟を定めて3年後の早い時期に開設されました。当時は回復期リハビリテーションに特化した病院の数がまだ十分ではありませんでしたから、都心の大学病院や東葛地域、市川市、松戸市といった広範囲にお住まいの患者さんを当院で受け入れており、三郷市民ではない方の利用が多数を占めていました。しかし近年は回復期リハビリテーションを手がける病院が増え、地域医療構想に基づいて地域完結型の医療連携が整いつつあり、入院患者に占める割合も三郷市や近隣市町村の比率が高くなりました。だからこそ、今後は入院でのリハビリテーションが終了した患者さんを外来、通所、訪問のリハビリテーションを組み合わせることで継続的に診られるような体制を整え、地域の皆さまのリハビリテーションをより一層きめ細かくお支えしていきたいと考えています。

今後の展望をお聞かせください。

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急性期疾患の場合、「病気を治す」という目標がどの方にも共通していますが、リハビリテーションで立てる目標設定というのは、一人暮らしか、家族がそばにいられる環境にあるかなど、その方を取り巻く生活背景によって一人ひとり異なります。当院はリハビリテーション科単科の病院だからこそ、そうした個別の事情に寄り添いつつ、技術的にもレベルの高いリハビリテーションサービスを追求したいですし、同時に急性期病院からの求めに応じてできるだけ早期に幅広い患者さんを受け入れられるよう、より一層の体制強化を図っていかなくてはならないと感じています。ですから、今後はスタッフの人員を増やすことはもちろん、心臓手術後の患者さんに特殊な機器を用いて行う「心臓リハビリテーション」も対応できるように準備を進めたいと考えています。対象疾患を可能な限り広げ、単科病院としてより質の高い回復期医療を地域の皆さまにお届けしていきたいですね。

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熊澤 健一 院長

1979年新潟大学医学部卒業。東京女子医科大学第二病院外科講師、新松戸中央総合病院外科部長・副院長などを経て現職。専門は消化器外科。著書に「告知」など。日本医科大学、獨協医科大学などと緊密に連携し、リハビリテーション機器に関する共同研究などにも積極的に取り組んでいる。

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