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ロボットアームを使用した精密な人工関節手術で
痛みの軽減を図る

社会医療法人社団菊田会 習志野第一病院

(千葉県 習志野市)

最終更新日:2023/12/01

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  • 保険診療
  • 変形性膝関節症

変形性膝関節症をはじめ、年齢を重ねるにつれ多くの人が抱える膝の痛みは、我慢していると症状が悪化し生活に支障を来すこともあるという。関節の痛みを取り除くための治療の一つである人工関節置換術は、痛みの原因である壊れてしまった関節を人工関節に置き換える手術法だ。開院以来、整形外科の疾患に専門的に取り組み数多くの手術を行ってきた「習志野第一病院」では、ロボットアームを使用した先端の手術を実施。そこで、同院の三橋繁院長と菅野真彦先生に患者の負担が少ない治療として昨今注目されているロボットアーム手術について、詳しく聞いた。(取材日2023年10月17日)

CTの3D画像をもとに適切に人工関節の設置を図る。傷が小さく出血も少ない低侵襲な治療で痛みの軽減を

Qロボットアームを使用した人工関節手術はどのような手術ですか?

A

ロボットアームを使用した人工関節手術の様子

【菅野先生】今までの人工関節手術は術者が見える範囲で骨を切って人工関節を入れていましたが、それに対してロボットアーム手術では、手術の3週間前にCTで肉眼では見えない所まで3Dのデータを取り、それを指標に骨を切ることで、より適切にインプラントを置くことにつながります。ロボットアームには自動制御装置がついており、CTによる術前のデータから外れることなく手術が進められるため、安全性に配慮できるのも特徴です。ロボットが手術をするの?と思われるかもしれませんが、ロボットアームを操作するのは医師であり、決してロボットが自動で手術を行うわけではありませんので、そこは安心してください。

Qロボットアームを使用することのメリットを教えてください。

A

多くの難症例の治療にも携わってきた院長の三橋先生

【三橋院長】1つは正確性ですね。3DのCT画像を指標に、適切に骨の切断を図れるので、人工関節を固定するためのセメントを使用する必要がなかったり、骨の切り直しやバランスの調整などの追加の処置がほとんどありません。そのため、従来法と比べて手術時間は短くなっています。また、従来法では安全に手術を行うために、ある程度の大きさまで切開し、周囲の組織、骨、筋肉、神経が見える状態で手術を行っていましたが、ロボットアーム手術では、必要最小限の傷のみで、膝の周りの組織へのダメージが少なく、患者さんの体への負担が小さいのもメリットです。出血も比較的少量で、局所の腫れや痛みやむくみの軽減にもつながります。

Q手術のリスクはありますか?

A

股関節を専門としながら総合的な診療を心がける菅野先生

【菅野先生】ロボットアーム手術のデメリットを強いて言うならば、CT画像を撮るため、手術の実施まで3週間ほどかかってしまうことです。また、手術中に手術部位とは別の場所にある骨にピンを打つ必要があります。しかし、この傷は非常に小さいため大きな負担にはなりません。手術費用も従来法と比べて変わりはなく、患者さんにとってはリスクよりもメリットのほうが大きいと考えられますので、ぜひ選択肢の一つとして検討していただければと思います。

Qどのような人が手術の適用になりますか?

A

ロボットアーム手術は年齢関係なく適用可能

【三橋院長】基本的には年齢などの制限はなく、若い人から高齢者まで手術が必要な人のほとんどが対象となります。高齢者の弱い骨も、若い人の硬い骨も適切な切断を図ることができ、切りすぎるということはなく、安全性に配慮した手術ができます。ただし、人工関節再置換術という、一度設置した人工関節を入れ替えるための手術だけはロボットアームの対象外となります。痛みが強く早期に手術をしたほうがよい場合は、ナビゲーションシステムを用いた手術で対応しています。

Q治療後の生活についてはいかがでしょうか?

A

患者一人ひとりに合わせたプログラムでリハビリテーションを行う

【菅野先生】当院では、手術後の早い段階でリハビリテーションを開始し、2〜3週間で退院となりますが、そのまま当院で回復期リハビリテーションを継続して行うことも可能です。特に高齢の患者さんは通院が難しい場合もあるため、患者さんの希望に合わせてフレキシブルに対応できることが当院の特徴です。
【三橋院長】退院後は、傷の状態や、ご自宅でもリハビリテーションはきちんとできているか、何か困っていることはないかなどを確認するために外来を受診していただきます。退院後2週頃をめどに一度来ていただき、その後は、患者さんの状態に合わせて、すぐに来ていただくこともあれば、3ヵ月後、半年後ということもあります。

患者さんへのメッセージ

三橋 繁 院長

1992年千葉大学医学部卒業後、同大学整形外科に入局。2001年から米国Anderson Orthopaedic Instituteに研究員として留学し、人工関節手術の研鑽を積む。2016年に父から習志野第一病院を継ぎ、院長に就任。専門分野では高度な医療を提供する一方、地域連携にも力を注ぐ。2020年より東邦大学医学部の客員教授として、多くの難症例の治療にも携わる。日本整形外科学会整形外科専門医。

菅野 真彦 先生

2009年和歌山県立医科大学卒業。千葉大学整形外科に入局後、船橋市立医療センター、千葉県救急医療センター等で外傷診療に従事。2015年より千葉大学大学院に入学、2016年より千葉大学整形外科リウマチ股関節グループで診療を行う。2019年千葉大学大学院医学薬学府先端医学薬学専攻博士課程修了。2019年4月から習志野第一病院で勤務。専門は膝関節、股関節、外傷。日本整形外科学会整形外科専門医。

【三橋院長】膝や股関節の痛みは生死に直接関わるわけではないので、患者さんが治療を選ぶことが大切になります。私たちは、「こうしたほうがいいですよ」、「こんなに良い治療がありますよ」というアドバイスはできますが、尊重しているのは、患者さんの考え方や人生観です。
【菅野先生】患者さんが治療をしたいと思ったときがベストなタイミングです。決してすぐに手術になったり手術を無理強いするようなことはありませんので、怖がらずに相談に来ていただきたいです。保存療法など他の治療法も併せて一緒に検討していきましょう。膝や股関節の痛みを我慢している人も多いと思います。ぜひ気軽に受診してください。

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