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社会福祉法人聖テレジア会 聖ヨゼフ病院

(神奈川県 横須賀市)

柴田 朋彦 病院長

最終更新日:2024/03/14

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地域に根差した医療の提供をめざして

横須賀市緑が丘、京浜急行本線横須賀中央駅より徒歩圏にあり、同駅のほか汐入駅や横須賀駅からも送迎バスが運行する「聖ヨゼフ病院」。旧海軍軍人とその家族を診療した「横須賀海仁会病院」を前身に、80年近くにおよぶ歴史を持つ病院だ。キリスト教の精神に基づき、生命の尊厳を守る良質で温かい医療を展開してきた同院は、2020年3月より新病院で新たなスタートを切った。「人間愛による戦後復興をめざした創立当初のスピリッツを受け継ぎながら、今の当地域に求められる医療を実践していきたい」と話す柴田朋彦病院長は、新病院移行のタイミングで病院長に就任し、同院の新たな姿を模索し続けている。専門性にとらわれない内科診療と高度な整形外科医療、内科と整形外科が連携したリウマチ診療を特色とし、また地域の在宅医療を担う医師たちと連携する病院としての役割を果たす同院の特徴とめざす医療を語ってもらった。(取材日2023年12月18日)

新たな病院へと生まれ変わられたのですね。

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前身である「横須賀海仁会病院」が設立されたのは1939年、その後戦後の占領期に米海軍横須賀基地司令官を務めたデッカー大佐の指示で一般利用が始まったのが1946年です。弧を描くような壁面を持つ旧病院は、昭和初期の希少なモダニズム建築として、大切に使ってきました。しかし、築80年を超えて老朽化が看過できなくなったことから、2020年3月に新病院にて新たなスタートを切りました。以前は来院いただくために坂道を上がっていただく必要がありましたが、エレベーター棟を設けたことでアクセスが容易になりました。私は2002年から3年間当院に勤務後、母校の大学病院へ戻り、当院では非常勤として週に1度の外来診療を続けてきました。そして新病院立ち上げのタイミングで、病院長に就任させていただくこととなりました。

貴院の特徴を教えてください。

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現代の医療では専門分科が進んでいますが、専門性にとらわれない内科診療を提供しています。また、呼吸器内科や高度な整形外科診療も強みとしており、特にリウマチ診療では横須賀・三浦地区をけん引する存在であると自負しております。創立当初は産科や小児科を含めた総合病院として地域に愛されており、市内でもお産が多い病院として知られていました。現在は強みである内科と整形外科をメインに、地域のニーズに応える医療を模索しています。135床の一般病床に加え、47床の療養病床を持っており、基幹病院での急性期治療が終わった方の転院を積極的に受け入れ、治療を継続しつつリハビリテーションを行い、退院してご自宅に戻っていただくことをめざしたケアを行っています。訪問看護、訪問診療など幅広く対応するほか、「地域包括ケア推進センター」を設置して、質の高い地域医療を追求しています。

地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいるのですね。

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横須賀は地域の皆さんの地元愛がたいへん強い土地だと感じています。そうした方々の住み慣れた地域で迎える幸せな最期をサポートしたいという思いは強くあります。そのためには、医療と介護の積極的連携や、在宅医療と病院機能のスムーズな連携が欠かせません。当院では訪問看護、訪問介護、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターも併設しており、地域で在宅医療を担う先生方と連携する病院の一つとして、役割を充実させていきたいと思っています。また、病診連携とともに、病病連携にも力を入れており、急性期病院からの転院患者さんも可能な限り受け入れしています。反対に、重症化した患者さんを当院から基幹病院へとお送りする場合もあります。病院間で強固なアライアンスが結ばれており、普段から連携体制をとってきたため、新型コロナウイルス感染拡大の局面でもスムーズに対応できました。これは横須賀エリアならではの医療的な強みです。

力を入れている専門診療についても教えてください。

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私自身、リウマチ・膠原病を専門としていますが、この分野は専門に診る医師が限られた分野でもあります。特にここ横須賀では、リウマチを専門的に診る部門を設け、外来だけでなく入院診療にも対応しているのは当院のみです。地域の患者さんはもちろん、エリアで診療する他の医療機関の期待にも応えるべく、力を入れています。日本リウマチ学会リウマチ専門医が常勤で3人、非常勤も含めると8人在籍。近隣の大学病院と連携し、急性期と慢性期治療を行っています。リウマチと切っても切れない関係である整形外科には、手、足、膝、肩、股関節など各部位の専門家が在籍。質の高い整形外科医療を展開しています。他に、呼吸器内科にも力を入れており、手術こそ難しいものの、気管支鏡による確定診断などにも対応しています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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旧病院の跡地には、看護小規模多機能型居宅介護施設(看多機)の建設を進めており、来年の秋に竣工予定となっています。看多機は在宅ケアだけでなくレスパイトケアとしてショートステイも可能な施設です。市内には訪問診療を担ってくださるクリニックの先生方も多数いらっしゃいますが、そうした先生方と連携し、「家、時々入所」といった在宅医療のスタイルをさらに強化していければと考えています。せっかくの新病院竣工にもかかわらず、コロナ禍により内覧会を行うことができませんでした。地域の皆さんには、新しくなった病院の建物や、そこで働くスタッフの頑張りを、ぜひ見に来ていただきたいと思っています。一人ひとりのスタッフが想いを持って「聖ヨゼフ病院」を支えてくれています。地域ボランティアの貢献もありがたいものです。新しくなった「聖ヨゼフ病院」を、今後とも長く愛していただければと存じます。

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柴田 朋彦 病院長

1996年聖マリアンナ医科大学卒業。川崎市立川崎病院で研鑽を積み、聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科主任医長、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リウマチ・膠原病内科部長を経て、2020年4月聖ヨゼフ病院病院長に就任。日本内科学会総合内科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医。聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科出向教授も務める。

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