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日本赤十字社 秦野赤十字病院

(神奈川県 秦野市)

田中 克明 院長

最終更新日:2023/12/20

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今後も地域に必要な病院として進化する

秦野市南部に位置し、同市内の各地域から救急車で10分ほどで到着できるという「秦野赤十字病院」。2017年に就任した田中克明院長のもと「救急の日赤」にふさわしい診療体制の構築に努め、現在は秦野市と協力した「秦野市派遣型救急ワークステーション」により、救急対応の機動力も高めている。田中院長は「地域の病院と連携を深め、小児救急をはじめ秦野市、隣接する伊勢原市の救急医療をさらに充実させたい」と語る。「そのほか、当院は消化器病センターの開設をはじめ各機能を充実させ、地域の皆さんから頼られる基幹病院となれるよう尽力しています。必要な際は大学病院などへの紹介も迅速に行いますので、当院の受診を検討いただければと思います」。さらに、カテーテルによる脳と心臓の血管内治療を行うチームをつくり、そうした治療に適した血管造影室を2室設けるなど、診療体制と設備の両面から充実を図っている。田中院長に、ここ数年で大きく進化した同院の診療内容、今後の展望などを詳しく聞いた。(取材日2023年10月19日/情報更新日2023年12月4日)

院長就任後の病院の変化をどう感じておられますか?

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私が当院の院長に就任した2017年から、病院の経営見直しと診療の充実をめざした取り組みを続け、地域の皆さんに安心して受診していただける体制づくりに努めてきました。赤十字の原点ともいえる救急医療や災害医療に力を入れたのはもちろん、患者さんに適した治療がスムーズに行えるよう消化器病センターなども開設しています。その後、新型コロナウイルス感染症の流行のような逆風もありましたが、今も診療科の拡充、医療機器の整備、AIを活用した問診の導入など新たな動きは続いています。医師をはじめ職員も同じ意欲を持って病院を良くする努力を続けた結果、一度撤退した診療科が続々と復帰するとともに、新たに救急科、放射線科、皮膚科が加わり、医療現場が充実してきました。本年11月9日には念願であった地域医療支援病院の承認を受け、秦野市において中核的な役割を担う病院として、今後も地域に必要な医療が提供できることをめざしています。

救急医療では秦野市と協力されているそうですね。

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当院の救急は地域の輪番制の中で、該当日の夜間救急を担当していますが、秦野市との協力は日中の救急対応の機動力を高めるものです。「秦野市派遣型救急ワークステーション」と呼ばれ、毎週月〜木曜日に秦野市消防本部から救急車1台、救急隊員3人が当院に派遣されています。派遣された救急スタッフが出動する場合、必要に応じて当院の医師・看護師が救急車に同乗して現地または搬送中に治療を開始することで、より早期からの救命措置を可能にします。出動は麻痺や意識障害のような脳血管の病気、胸痛など循環器の病気といった一刻を争う症状が中心です。また、小児救急は輪番制で週2日の対応ですが、同じ地域で小児救急を担当する病院、大学病院との連携を深めて、地域全体で小児救急を充実させたいと考えています。このほか、輪番担当の日以外でも当院に連携登録された地域の先生方からのホットラインを受け、救急の患者さんを受け入れています。

消化器病センターなど診療面の充実について教えてください。

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胃がんや大腸がんは早期なら内視鏡治療で対応し、進行していた場合は腹腔鏡手術、開腹手術で治療するなど患者さんに適した治療をシームレスに行える点が消化器内科と消化器外科を統合した消化器病センターの特徴です。中でも進行した大腸がんをご紹介いただくことが最近増えてきました。また、肝臓病や胆膵疾患の専門家も在籍し、近年増えているNASH(非アルコール性脂肪肝炎)、総胆管結石や膵臓がんなどの治療も得意です。さらに、循環器内科では心臓カテーテルによる治療が盛んであることに加え、脳卒中センターを開設し、脳梗塞の血管内治療の件数が大きく増えました。2023年11月には造影剤を使って精度の高い検査・治療を行うための血管造影室を2室に増やし、より多くの患者さんの診療が可能になりました。このほか、12月に内視鏡手術支援ロボットを導入し、前立腺がん、直腸がんを対象に負担の少ないロボット手術を本格稼働させる予定です。

そのほか特徴のある分野をご紹介ください。

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例えば整形外科では膝関節・股関節の人工関節置換術、脊椎手術も多いほか、リハビリテーションは急性期の治療開始後すぐに行うケースから、ご自宅で日常生活ができるよう支援するケースまで幅広く対応しています。がん治療では、消化器外科、泌尿器科、脳神経外科などに加え、乳腺外科に女性医師が在籍し、良性疾患から乳がんまでの診断・治療が可能です。また、当院は災害拠点病院でもあり、秦野市で大規模災害が発生した際には重要な医療拠点として、治療が必要な方を随時受け入れ、一般の病院などの後方支援をする役割を担います。さらにDMAT(災害派遣医療チーム)は大規模な災害や事故の発生直後から現場に入って医療活動を行っています。日本赤十字社は独自に情報収集して現場に人員を派遣するスキームを持っていて対応もスピーディーであり、東日本大震災の時には当院のチームが震災の翌日朝には仙台市で活動を始めたそうです。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

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コロナ禍での受診控えの影響なのか、大腸がんが腸閉塞状態で見つかるケースが目につきます。当院の健診センターは、人間ドックの1日コース以外に半日コースを設けるなど利用しやすくなりました。病気の早期発見には普段からのチェックが大切。地域の皆さんが病気にならないよう当院でも健診をさらに充実させたいと思っています。また、現在は「救急の日赤」と言えるような体制を整え、一時期に比べて診療科も充実して、一通りの病気・ケガは診られるようになっています。隣接する伊勢原市の大学病院は救命救急センターを持ち、重篤な患者さんや高度医療を必要とする患者さんの治療が中心となりますので、どの病院に行くか迷ったら、まずは当院においでください。病状の程度と緊急度に応じ、適した病院を紹介しています。今後も地域の皆さんのために適切な医療を実践していきます。

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田中 克明 院長

1979年横浜市立大学医学部卒業。同大学医学部第3内科(現・消化器内科学教室)入局。同大学医学部助手、講師、助教授を経て、2000年同大学医学部附属市民総合医療センター消化器病センター教授。2010年、同病院内に臨床研究推進センターを設立。2017年から現職。横浜市立大学名誉教授。日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会消化器病専門医。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/1日コース:44,550円〜、半日コース:34,280円〜

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