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医療法人社団康明会 康明会病院

(東京都 日野市)

百瀬 義雄 院長

最終更新日:2024/02/08

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患者を包括的にサポートすることをめざす

日野市豊田を走る街道沿いで、開院から70年以上にわたって地域医療を担ってきたのが、「康明会病院」だ。現在は、内科の一般診療に加え、パーキンソン病をはじめとする神経難病や認知症、片頭痛などの脳神経内科疾患には専門性の高い医療を提供。同時に、地域包括ケアや療養型の病棟を運用し、デイケアなどの介護サービスとも連携することで、人生の後期を迎える患者やその家族のさまざまな問題に、包括的に対応することをめざしている。そんな同院の院長を2023年から務め、「疾病だけでなく患者さんの人生やご家族も視野に入れた医療を提供し、日野市に住む皆さまや医療従事者から、頼りにしていただける病院にしていくのが目標です」と話す百瀬義雄院長に、同院のことや地域医療への思いなどを聞いた。(取材日2023年11月22日)

最初に病院を紹介していただけますか?

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当院は、1950年に平山診療所として開院した歴史のある病院で、それ以来、地域医療を担ってまいりました。現在は、内科や脳神経内科、老年内科、リハビリテーション科などの診療を行っており、地域包括ケア病棟と医療療養病棟、各48床の96床を運用。レスパイト入院やお看取り、がんの末期患者さんの終末期医療にも対応しています。病院内にはデイケアも併設しており、利用者さんにレクリエーションやリハビリテーション、入浴サービスなどを提供しています。外来診療から入院加療や療養、訪問診療、介護サービスまで、人生後期の患者さんやそのご家族のさまざまな問題に対応することをめざしています。私自身は2022年より常勤となり、2023年1月からは院長に就任しました。自分自身の出身が日野市ということもあり、地域に愛着を持って診療にあたっています。

力を入れていることは何ですか?

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まずは、パーキンソン病やパーキンソン症候群、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、筋萎縮性軸索硬化症などの神経難病です。現在は、入院の4割ほどが神経難病の患者さんです。私自身が脳神経内科を専門にしていて、さらに常勤と非常勤の日本神経学会神経内科専門医が各一人ずつ診療にあたっています。神経難病の患者さんを拝見する上で気をつけているのは、まずはしっかりと診断をつけること。その上で、一人ひとりの患者さんに最適と考えられる対応方法を探って、提供することが非常に大切だと考えています。在宅療養を希望する患者さんやご家族も多いので、その希望に添えるよう自宅にお帰りいただいて、訪問診療や訪問看護などによってサポートさせていただいています。神経難病で近隣の急性期病院に入院されていた患者さんにも、自宅に帰りたいという場合には対応しています。

認知症や頭痛の診療にも力を入れていると伺いました。

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認知症の患者さんは増加傾向にあり、脳神経を専門とする医師に診てもらいたいという希望も多く、ほかの病院から紹介をいただくことも少なくありません。認知症とみなされた方には、意識障害など別の病気が原因が隠れているケースが時々あり、そのような方は絶対に見逃してはいけません。まずはしっかりと診断をつけて、治療につなげていくことが大切だと考えています。片頭痛の治療は、私自身が専門としており力を入れています。以前の片頭痛治療ではトリプタン系製剤が中心でしたが、近年では抗CGRP抗体薬が登場し、より高い効果が期待できるようになってきています。一方で、この地域には脳神経内科や頭痛を専門とする医師が少ないのです。片頭痛の患者さんは30〜40代の方が多く、当院はどちらかというと高齢者が中心の病院ですが、それは気にせずに片頭痛でお困りであれば、ぜひ受診していただきたいと思います。

ほかに特徴的な取り組みはありますか?

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ご自身では通院が困難な方のために、外来診療では無料送迎も行っています。自分で車に乗り込めるなどの条件はありますが、患者さんの自宅まで車でお迎えに上がります。訪問診療では、いざというときには同じ病院で入院ベッドを用意して差し上げることができることは、患者さんの大きな安心にもつながるのではないでしょうか。病床は、差額ベッド代はかかりますが個室と2人部屋を多くして、プライバシーに配慮しています。さらには、地域包括ケア病棟の看護師配置基準は13対1のところ、当院は看護師を多めに配置して、よりきめ細かく看護やケアができるよう努めています。これは、同時に看護師をはじめとするスタッフの負担軽減にもなり、ワークライフバランスも取れるなどのメリットもあります。また、伝統的に多職種のカンファレンスを熱心に行っており、スタッフ間の連携も非常によく取れているのも特徴の一つだと思います。

病院の運営や診療で心がけていることを教えてください。

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疾病だけでなく患者さんの人生やご家族の心情も視野に入れた医療を提供し、日野市に住む皆さまや医療従事者から、頼りにしていただける病院になることが目標です。私自身の診療では、患者さんをお待たせしないことにも配慮しています。大学病院などでは予約が1ヵ月後以上先ということもありますが、そういうことは絶対にしたくない。本来の外来診療時間外であってもできるだけ時間を作り、病院側の都合よりも患者さんの事情を優先するよう自らを戒めています。そして、これからも日野市の高齢者医療と難病医療をさらに充実させていきたいですし、病気になったことはおつらいですが、この病院にかかって良かった、と思ってもらえるよう努力していきたいと思っています。お困りのことがあれば、気軽にご相談ください。

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百瀬 義雄 院長

1993年名古屋大学卒業後、日本赤十字社医療センターを経て、東京大学医学部神経内科学教室に入局。東京大学大学院、同医学部クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット、北原国際病院、横浜新都市脳神経外科病院勤務などを経て、2021年より同院。副院長を経て2023年より現職。日本内科学会総合内科専門医、日本神経学会神経内科専門医、医学博士。

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