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医療法人社団七仁会 田園調布中央病院

(東京都 大田区)

石田 順朗 院長

最終更新日:2020/06/22

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地域に密着した小規模急性期病院

1950年に⽥園調布中央診療所として開設された「⽥園調布中央病院」。1992年に「愛し愛される病院」を理念に掲げ地域医療に貢献する⼾⽥中央医科グループの⼀員となり、現在の名称に変更。地域の救急・急性期医療、⾼齢化が進む中での医療と介護の連携、病気の早期発⾒・予防に努めている。同院がめざすのは、誰もがかかる可能性のある肺炎や⼤腸ポリープ、⼤腿⾻頚部⾻折、⽩内障など⼀般的な病気やけがを適切に治療すること。91床という⼩規模な病院だからこそできる、こまやかさとフットワークの良さで丁寧に対応している。地域包括ケアシステムにおいては、安⼼して退院後の⽣活が送れるよう、医療と介護の円滑な連携を進めるための多職種連携に⼒を⼊れている。予防医療については、検診後、必要に応じて速やかに2次検診を実施。英語での検診対応にも取り組みつつある。「医療を提供する上で⼀番⼤切なのは、他者のためを思い他者の役に⽴ちたいということ」と話す⽯⽥順朗院⻑に、病院での取り組みや地域、患者そして職員への思いを聞いた。(取材⽇2020年5⽉28⽇)

病院の特徴について教えてください。

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当院では特別な疾患を専⾨的に診るのではなく、肺炎や⼤腸ポリープ、⼤腿⾻頚部⾻折、⽩内障といったありふれた疾患やけがを適切に診ることをめざしています。⼤規模病院に専⾨的な急性期医療が集中する中、中⼩規模の病院はそれ以外の疾患やけがの診療を担っていくことを求められており、当院にも⼤規模病院で治療を終えた⽅や、施設やご⾃宅で療養されていて具合の悪くなった⽅が来院されています。こうした⽅は特別な病気というより、肺炎などいわゆる普通の病気であることが多いのですが、ありふれた病気だから治療が簡単かというとそうでありません。例えば肺炎の場合、どういった抗⽣物質を使うのか、何⽇くらい使⽤するのかなど治療全体がうまくいくように進める必要があり、それを病院として決めることで診療の質を担保しています。こうしたきめ細かな医療は実はこの規模の病院だからこそできることで、当院の強みの⼀つだと思っています。

地域における病院の役割をどのようにお考えですか?

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⾼齢化が進む中、地域の⼤⼩の病院や診療所、介護施設がスクラムを組み、そこに住む患者さんを⽀えていくことになりますが、その⼤きな柱の1つとなることが病院として地域に果たす役割だと考えています。地域包括ケアでは多職種連携によるケア⽅針の策定が重要ですが、難しいのは、お互いに⽴場が異なるためどうしても意⾒の対⽴や議論が噛み合わないことが出てくること。またケアについての情報が多くなりすぎて、在宅療養の現場で患者さんやご家族、介護をする⼈が消化しきれなくなってしまうこともあります。⼤切なのは無理なく実施できるよう、ケア情報を厳選することです。多職種連携についてはまだまだ課題が多いですが、近隣の在宅医療チームや、高齢者施設の方たちとの退院前カンファレンスを重ねるうちに、随分円滑に進むようになってきました。これからは医療と介護の連携がポイントになるはずなので、特に⼒を⼊れて取り組んでいきたいです。

地域医療連携についてはどのように取り組んでいますか?

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紹介患者さんを受ける場合は、できるだけ早く受け⼊れできるように⼼がけています。近隣の救命救急センターの後⽅ベッドの役割を果たせるよう、ご依頼当⽇の受け⼊れも応需しています。転⼊まで時間的余裕のある場合には、地域医療連携課を通して患者さんやご家族の当院での医療に係るニーズをしっかり聞き取るようにしています。病病連携でこちらからご紹介をするときは、回復期リハビリテーション病院、あるいは療養型病院に転院していくケースが多いです。回復して社会復帰される⽅がおられる反⾯、中には全⾝状態が思わしくなく医療的ケアを受けながら看取りの段階に⼊っていく⽅もいらっしゃいます。そのような場合は、できるだけ苦痛のない状態でご本⼈やご家族の持っている要望を実現してほしいと丁寧に伝えるようにしています。転院がご本⼈やご家族にとって積極的な意味を持つようにすることが、患者さんをお送りする側の責任だと思っています。

院長として大切にしていきたいことはありますか?

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私が院⻑に就任したのは、新型コロナウイルスが猛威を振るう4⽉でした。そのような中で、何よりも⼤切に思っているのは、皆が⼼を⼀つにして協⼒し合うことです。奉仕の気持ちで周囲に対して寛容であること。これが基本で、お互いに⽀え合うことが、巡り巡って⾃分⾃⾝を助けることにもつながります。当院でも発熱の外来を設置しましたが、感染したらどうしようと皆が不安を抱きました。そのときに各セクションを回って、新型コロナウイルスから⾝を守る術を学べるのは医療従事者として最前線にいるからで、リスクがある反⾯チャンスにも恵まれている、皆で分け持つことで⼀⼈ひとりが負うリスクを減らしていこうと伝えて回りました。同じ不安を乗り越えたからこそのチームワークがあります。院⻑の役割で⼀番⼤切なのは⾃分の⾔葉でメッセージを発すること。それと同時に、進路を⽰して病院のめざす⽅向性を明確にすることだと感じています。

最後に今後の展望と、地域の方へのメッセージをお願いします。

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新病院開設の計画がようやく動き出し、⾶躍の年となるよう病院全体で取り組んでいます。その⼀つとして、新型コロナウイルスをきっかけに始めたのが診療科を超えての看護師のローテーションです。お互いの持っている看護技術を学び合い実⼒を⾼め、すべての看護師がどの診療科でも対応できるようにすると同時に、病院全体の医療効率の向上もめざしたいです。新型コロナウイルスに⽴ち向かうためには、世界中が⼒を合わせることが必要です。私たちがそれぞれの持ち場で、互いに協⼒関係を築き、それを地域や社会に広げていくことが、やがて世界を良い⽅向に変えて⾏く⼒になる、そういう思いを持って⽇々の業務に取り組んでいます。⼈間同⼠は助け合うべき存在であり、医療の現場はそういう理想を⾼く掲げられる場です。この理想を実践していけるように、病院としての使命を果たし、成⻑していくことで、患者さん、地域社会、そして世界に貢献していきたいです。

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石田 順朗 院長

1990年東京⼤学医学部卒業。東京⼤学医科学研究所を経て旧・国⽴⼤蔵病院にて内科研修。公⽴昭和病院救急医学科に勤務。⽥園調布中央病院副院⻑を経て2020年より現職。⾼齢の患者が増える中、単純に体だけを診るのではなく、⽬で⾒たり⼿で触れたりできないがリアルなもの、⼼や魂、愛や希望や幸福といった価値観をとらえ、患者にどう関わることができるかを考えて医療を提供していきたいという思いで診療にあたっている。

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