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医療法人財団青葉会 青葉病院

(東京都 世田谷区)

志茂 新 院長

最終更新日:2024/05/02

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乳がんの検診、手術、治療を一貫して実施

三軒茶屋駅北口Bを出たすぐ目の前に、2023年4月にリニューアルオープンした「青葉病院」がある。老朽化した施設を一新するとともに、高齢者のための療養型病院から、乳がん治療を主軸として検診から手術、治療まで一貫して対応する施設へと生まれ変わった。院長を務めるのは、聖マリアンナ医科大学病院の乳腺・内分泌外科に20年勤務し、多くの手術を手がけてきた志茂新(しも・あらた)先生だ。大学では、根治をめざしながら、かつ患者のQOLを守るために「美しい術痕」にもこだわって手術を行ってきたという志茂院長。「待ち時間を減らして、もっと多くの人により良い乳がん医療を提供したい」との思いから、同院のリニューアルオープンに踏み切ったという。生まれ変わった青葉病院は、志茂先生が長年の診療の中で抱いていた思いを結実させた、女性のための病院だ。(取材日2024年1月30 日)

2023年に行ったリニューアルの経緯をお聞かせください。

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8年前、子育てに良い環境を求めて家族でこの近くに引っ越してきました。地域を知ろうと街を歩いていた時、ふと目に留まったのが駅前の青葉病院です。当時の青葉病院は長期にわたって療養を必要とする高齢者のための病院でした。三軒茶屋駅の階段を上ってすぐの好立地ですが、療養型病院ですから頻繁に患者さんが出入りすることもなく、その抜群の利便性を生かしきれていないように感じました。大学での仕事にやりがいを感じる一方、外来の待ち時間の長さや、乳がん検診の受診率の低さに心を痛めていた私は、「ここに乳がんの一貫した診療を行う施設をつくれたら」と考えたのです。医療法人財団青葉会の理事長である大坪茂先生は、大学院時代に国内留学していた東京大学医科学研究所の先輩でしたから、その縁を頼ってすぐ話をしに行きました。私の思いと、乳がん診療をこの場所で行うことの社会的意義に共感していただき、リニューアルに至ったという次第です。

今の診療内容を詳しく教えてください。

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長期療養を必要とする患者さんの入院設備は特殊疾患病棟として残し、2階フロアを外来機能として乳腺に特化した三軒茶屋ブレストセンターとしてリニューアル。カウンセリングから、乳腺疾患の検査、診断、治療まで一貫して行える環境を整えました。こだわったのは、超音波検査室をできるだけ多く設置すること。超音波検査は乳がんの早期発見に有用な検査ですが、機器が高額であること、検査をする人の技術がものをいうことから、自治体の検診の多くはマンモグラフィのみです。そこで当院では、設備を確保するとともに優秀な検査技師を招き、検査の精度向上を図りました。また、閉経後の女性は骨粗しょう症になりやすく、大腿骨などを圧迫骨折して一気に活動性が低下する事例が後を絶ちません。こちらも早期発見に向け、骨密度を測定する機械を導入しました。6階、7階も全面的にリニューアルし、個室中心の入院設備や化学療法室などを設置しています。

乳がん治療の特徴を教えていただけますか?

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乳がんの手術を大きく分けると、乳房を残してがんを取り除く「乳房温存術」と、乳房をすべて取る「乳房切除術」があります。乳がんがわかると「怖いから乳房を全部取る」という方が多くいます。しかし、2つの手術の再発リスクに差はないとされています。乳房温存術は難易度の高い手術ですが、適応があって術後の経過に変わりがなければ、医師は温存の選択肢を示すべきだと考えます。残せたはずの乳房を失うことによって、術後の長い人生を悲しみとともに過ごしてほしくないからです。ただ、たとえ乳房を切除した場合でも乳房再建術という選択肢があります。私は、乳房温存術と乳房切除術、どちらの手術でも正面に傷をつけず、できるだけ傷口を小さくする手術を追求してきました。この方法は、温存した際に傷が気になりにくく、再建もしやすいのが特徴です。当院では乳房再建術が専門の佐武利彦教授の協力を得て、治療から乳房再建まで一気通貫で行います。

入院設備にもこだわられたそうですね。

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昔、大部屋で過ごす母親のもとに自由に行くことができず、暗くなってきた待合室で一人待つ子どもを見たことがありました。個室ならもう少し気軽に会わせてあげられるのに、と思ったことを今もよく覚えています。入院している患者さんも、カーテン1枚で仕切られた大部屋で暮らすことに多大なストレスを抱えているのを感じました。といっても、一般的に個室は高いので、気軽に選択できないという方が多いでしょう。そこで当院は「気軽に個室へ」をコンセプトに掲げ、利用しやすい個室を多めに取りました。もちろん、大部屋を希望される方のために、3人部屋、4人部屋もできるだけ広めに個々のスペースを確保した設計にしています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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乳がんは、30~70代の幅広い年齢層の女性にとって、最も罹患率が高いがんです。しかし、早期に見つけることで、根治をめざせるがんでもあるのです。乳がんの発症を未然に防ぐのは困難ですが、適度な検診によって早期に発見・早期治療につなげることは難しくありません。当院では、乳がん検診を含めた婦人科検診を行い、働く世代に必要な検査を総合的に実施することで疾患の早期発見に全力を尽くしています。ぜひ、アクセスしやすい立地を生かして、忙しい方にも隙間時間で検診を受けていただきたいですね。私が大学病院の外来を継続しており、大学病院の手厚いサポートを受けることも可能です。地域の方に愛され、親しまれる病院をめざして努力してまいりますので、どんなことでもお気軽にご相談ください。

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志茂 新 院長

2001年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業。同大学病院の乳腺・内分泌外科に在籍し、精度が高く、傷痕が目立たない手術を追求し、多くの手術を執刀。同時に、相談しやすい気さくさと優しく温かい人柄で、心の面でも多くの患者をサポートしてきた。2023年4月より、リニューアルした青葉病院の院長に就任。日本外科学会外科専門医。

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