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所沢白翔会病院

(埼玉県 所沢市)

今給黎 敏彦 病院長

最終更新日:2024/07/05

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地域に根付いたケアミックス型の医療機関

緑多い所沢の丘陵地帯に位置する「所沢白翔会病院」。同院が建つ場所は、以前は別の医療機関があり、長年地域医療を担っていたが移転となり、一時、医療過疎地となっていた。そこに開院したのが同院だ。それまで大学病院に勤務していた今給黎(いまきいれ)敏彦先生が病院長となり、他のスタッフと共に一から医療機関を作っている。「初めて地域医療に携わることになり、自分でも多くのことを学んでいます」と、落ち着いた優しい口調で話す今給黎病院長。2024年秋には病棟が順次オープンするため、現在、全面的な改装工事が行われており、数多くのことが同時進行しているという。地域でどのような役割を担う医療機関となるのか、また、診療にかける想いなど、さまざまな側面から今給黎病院長に話を聞いた。(取材日2024年6月6日)

開院に至った経緯と現在の診療体制について教えてください。

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2024年4月1日に開院しました。もともとこの場所には所沢明生病院があり、35年ほど診療を行っていました。昨年、市内の中心に移転してしまったため、跡地に医療法人社団白翔会が「所沢白翔会病院」を開院しました。現在は内科、整形外科、脳神経外科の外来、整形外科の通院リハビリのみを行っています。医師は腎臓内科が専門の私と、整形外科の安岡宏樹副院長が常勤で、あとは近隣の圏央所沢病院や埼玉石心会病院などの医師に交代で来てもらっています。将来、医師が増えれば、他の診療科を増やしていくことも視野に入れています。薬も明生病院時代の体制をそのまま引き継ぎ、院内処方にしています。周辺には薬局がなく、患者さんから院内処方にしてほしいという要望が多かったためです。

どのような役割を担う病院になるのでしょうか。

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2次医療機関として、地域の中核的な医療機関となります。ただ、現在はすべての診療科を網羅することは難しいので、地域との病診連携や病病連携をさらに強化していくことに努めています。いずれは、介護などの職種ともつながる予定です。現在、院内を全面的に改装中で、9月に病棟がオープンする予定です。病床は全部で128床になります。最初に入院、手術を含め、30床の急性期病棟からスタートさせ、その後、体制を整えながら、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟などをオープンさせていきます。将来的には、いわゆるケアミックス型の病院になります。設備としては、一般的なレントゲン撮影装置はもちろん、各種検査機器、骨密度測定装置(DXA)や8月から稼働予定のMRI(磁気共鳴画像装置)、人体内部を動画としてリアルタイムにモニターに映し出すエックス線テレビ装置も導入予定です。

患者さんは地元の方が多いのでしょうか?

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断然、地元の方が多いですね。明生病院の移転に伴い、医療過疎に陥ってしまいましたが、医療のニーズはものすごくある地域です。「明生病院がなくなって困っていたけれど、助かっています」というお声をたくさんいただいています。当院は、地域の患者さんのための医療機関なので、地域と共に歩んで成長していきたいと思っています。患者さんの年齢層は、若い方もいらっしゃいますが、圧倒的に高齢者が多いですね。この辺は丘陵地帯で交通の便も悪く、路線バスもほとんど通りません。高齢の方にとっては通うのが大変なので、当院では無料巡回バスを用意し、3つのルートで患者さんをピックアップしたりお送りしたりしています。

診療時に大切にしていることはありますか?

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例えば、腎臓内科は意外にわかりにくい分野なので、それをいかにわかりやすく患者さんに伝えるかを常に考えています。あとは、できるだけ患者さんにも話してもらい、話を聞くように心がけています。私が携わる内科は、ガイドラインがしっかりと確立されているので、どの医療機関に行っても同じ治療を受けることが可能です。その中で患者さんの満足度を高めるには、やはり話をしっかりと聞き、わかりやすい説明をすることが大事だと思うのです。また、患者さんにあまりネガティブなことは言わないようにしています。決して怒りません。血圧や検査数値が少しでも改善していたら「頑張っていますね」と必ずほめるようにし、できる限り通院が継続できる診療を心がけています。患者さんを治療するというよりも、医学的にサポートするというイメージです。生活習慣病や慢性腎臓病では、患者さんが前向きに治療に取り組むことがとても重要になるからです。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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生活習慣病や高齢者医療を中心に、地域とともにある病院をめざします。私は腎臓内科を専門としてきましたが、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因で腎臓が悪くなる人は、高齢になるほど増加します。透析を必要とする患者さんが増えることが予想されるため、将来は透析もできる体制を整えていきたいですね。また、当院整形外科の安岡副院長は、骨粗しょう症や背骨の圧迫骨折、大腿骨骨折などを専門としていて、やはり高齢者が対象です。それぞれの専門が、地域の医療ニーズにマッチすると思っています。実は、腎臓と骨代謝は密接な関係があります。当院で、骨粗しょう症も生活習慣病もしっかりと治療できる体制を作っていきたいと思っています。地域の皆さんには、ご自身の体のことで心配なことがあったら、かかりつけとして遠慮なく相談してください。

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今給黎 敏彦 病院長

1996年、防衛医科大学校卒業、卒業後は研修医を経て、自衛隊の医官として19年間勤務。その後、同大医学教育部医学科准教授として、学生や研修医に内科学(腎臓・内分泌代謝)の教育を行う。2024年4月より現職。専門分野は腎臓病・高血圧・透析。患者が前向きになり治療のモチベーションを維持できる診療を心がけている。

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