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川西市立総合医療センター

(兵庫県 川西市)

三輪 洋人 総長

最終更新日:2022/12/22

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川西市の地域医療の「要」となる病院に

再整備が進み、新たなにぎわいの場になった川西エリア。公園に隣接した一画で2022年9月に新築開院を迎えたのが「川西市立総合医療センター」だ。市北部にあり経営難と老朽化に直面していた市立川西病院と、川西能勢口駅前で診療を続けてきた医療法人協和会協立病院との合併統合で生まれた同院は、川西市が設置し協和会が指定管理者を担うスタイルで、地域医療の維持と向上をめざす。全個室の病棟、利便性の高い病棟レイアウト、広大な救急エリアや7室の手術室など、充実した診療環境を整えた同院で運営のかじを取るのが三輪洋人総長。「川西の医療をこの病院で支える心意気を大事に、地域の皆さんに信頼され、また職員が笑顔で働ける病院にしたいですね」と穏やかに語る。同院の患者支援センターでは入退院、転院をはじめ地域内での施設入所や在宅医療との連携も行っており、地域医療全体の要としての役割も期待されている。そこで三輪総長に、ソフト、ハード両面から同院の特色や新病院運営への思いを語ってもらった。
(取材日2022年9月12日)

最初に、こちらの病院の理念をお聞かせください。

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川西市ではこれまで大規模な病院がなく、患者さんの一部は市外の病院まで足を運んでいました。今回、市内の2病院が合併統合して先進の医療環境を備えた新病院ができたのですから、ぜひ地域医療の核となり市の医療をしっかり支えていきたい。「市民が安心・信頼できる病院、良質な医療の提供」が公式な理念ですが、さらに医療で地域社会へ貢献することが目標ですし使命です。そしてもう2点、大事にしたいことがあります。1つは「やりがいのある楽しい職場」にすること。異なる文化を持つ病院が1つになる過程では混乱もあるかもしれませんが、私からも和やかな雰囲気を発信して、職員が明るく長く働ける職場にしたいですね。もう1つは「良き医療人の育成」。協和会の法人内には多くの医療福祉施設がありますので、当院の勤務で技量を高めたスタッフが各施設や地域で活躍して、この地域全体の医療水準向上にもつながればと期待しています。

設備面での特色や強みをご紹介いただけますか?

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何よりも、病室がすべて個室であることですね。入院療養の快適性を高めることが当初の目的でしたが、新型コロナウイルス感染症の流行によって、感染症対策の観点でも個室のメリットが高まりました。405床はすべて個室になっており、一部はユニットシャワーとトイレがついています。それから、4階以上のフロアは病棟の中央から個室に面した廊下が見渡せるトリプルクロスという間取りになっています。各病室からは眺望が開けていますし、スタッフは少ない動線で病棟内を移動できて見通しも良い、機能的なレイアウトです。治療に関しては手術室が現在7室、その横には高度治療室(HCU)があり、別の階には脳卒中集中治療室(SCU)を設けました。外来化学療法室やリハビリルームも広く確保しています。なお、アクセス面から救急の初療フロアは1階ですが、浸水などの災害に備えて外来や検査部門、手術室は2~3階に集約されています。

力を入れている診療領域について教えてください。

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地域からの要望が大きい救急診療です。原則的には2次救急までの症状や病気に対応しますが、搬送の打診があれば重症度の高い症例もいったんは受け入れ、状況に応じて大学病院などに送るようにしたいと考えています。夜間当直は現在、救急科の医師が1人ですが、内科、外科、脳神経外科、産婦人科にも病棟当直の医師がいますので、救急車は全部受けるという気概での診療をお願いしています。当院にはドクターカーもあるので、効果的な運用をめざします。また、周産期については産婦人科と小児科の医師が充実しており、分娩を希望される方を積極的にお迎えしていますし、将来的には生殖医療にも取り組みたいですね。さらに設備と医師がそろっていますので、がん診療、例えばがんの手術や消化器がんの内視鏡治療なども積極的に行っています。また、がんの化学療法については、化学療法室だけで完結する、患者さんの負担が少ない外来化学療法を提供しています。

地域全体の医療連携に関しても、大きな役割を担われていますね。

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川西市や市内の病院、川西市医師会など、地域内の多くの医療関係者が関わり開院準備を進める中で、「ぜひ新病院を中心に川西市の医療を完結させたい」という思いが高まりました。というのは、法人内には慢性期病院や老人保健施設などが複数ありますし、旧・市立川西病院の跡地には猪名川町からリハビリテーション病院が新たに移転する予定です。当院で急性期治療を終えた患者さんを支える病床や施設も十分にそろっていることから、当院の患者支援センターでは当院への紹介受診や入退院だけでなく、その後の転院や施設への入所、在宅医療や介護への切り替えなども引き続きサポートします。同センターには紹介受診に関する予約枠確保の権限や地域内のベッドコントロール、地域の医療福祉情報などが集約されています。それぞれの患者さんの事情にあった療養プランを地域の医療資源の中からスムーズに提案・提供し、暮らしの安心を医療面から支えていきたいですね。

新病院開設にあたり、地域の方々にメッセージをお願いします。

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長い準備期間を経て、405の病床と豊富な診療科を備えた新病院がようやくスタートしました。現在は開院直後で不慣れな点もあり、ご迷惑をおかけすることもあるかもしれません。ですが、救急車の搬送数は急激に増えていますし、患者支援センターでは問い合わせの電話が鳴りやまない時間帯もあり、市民の皆さんに当院の存在が認識され始めたという確かな手応えがあります。これからは実際の治療や看護で良い評価をいただけるように、頑張っていきます。近年では病院の統廃合が盛んに行われていて、新設の病院では超急性期医療や先進医療が重視される傾向もあります。当院も大学との人材交流を図りながら高度な医療にも対応したいとは思いますが、まずは住民の皆さんが日常生活で多く遭遇する病気やけがに重点を置き、確実に対応できる「地域に寄り添う病院」でありたいですね。市民から長く愛される病院をめざしていきますので、どうぞよろしくお願いします。

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三輪 洋人 総長

1982年鹿児島大学を卒業後、順天堂大学消化器内科で23年間にわたり診療・研究に従事、米国ミシガン大学内科へも留学。2004年には兵庫医科大学内科学消化器内科主任教授に就任、2014年同大学病院副病院長、2016年からは同大学理事、副学長を務め2022年3月退職。同年9月より現職。専門は胃腸を中心とした消化器内科学。わかりやすい医療情報の発信にも力を入れる。

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