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医療法人信和会 福岡信和病院

(福岡県 福岡市南区)

石丸 敏之 理事長

最終更新日:2025/02/19

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在宅生活を支援するための多角的な対応

2015年11月に開業した「福岡信和病院」は、内科を中心としながらリハビリテーションも積極的に行っている施設で、地域の急性期医療と在宅医療の橋渡しをする役割を担っている。感染症や膠原病を専門とする内科医3人が在籍しており、発熱疾患や生活習慣病などの一般内科から入院治療を含めた回復期のフォローアップ、訪問診療を交えた在宅医療の支援まで、一人ひとりの状況に応じた診療を提供している。リハビリテーションにおいてはそれぞれの目標を設定し、理学療法士や作業療法士など充実したスタッフが一丸となってサポート。嚥下機能のチェックや訓練もカバーしており、さまざまな領域の機能回復をめざしている。「患者さん個々の状態に合わせて柔軟に対応し、最後までケアを行い、患者さん自身の尊厳を守っていく病院でありたい。そのためにも外来、入院、訪問診療と幅広い診療を活用しながら、解決策を導き出したい」と話す石丸敏之理事長に、同院の役割や診療の特徴、地域医療に対する想いなどについて語ってもらった。(取材日2025年1月21日)

御院は地域においてどのような役割を担っているのでしょうか?

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当院は開業から約10年がたちますが、患者さんやその家族を援助するというスローガンのもとそれぞれの部署のスタッフが一丸となって診療に取り組んでいます。患者さん個々の状態に合わせて柔軟に対応し、最後までケアを続けて尊厳を守っていく病院でありたいですね。そのためには医師だけではなくコメディカルスタッフを含め、さまざまな職種が立場を超えてでき得る限りの医療を提供することが不可欠です。「地域に住んでいる方が病気になっても、なるべく地域内で過ごせる手助けをしたい」という前理事長の想いに感銘を受け、その志を引き継ぎ奮闘しているところです。通常、総合病院は病気を治すのが主な役割ですが、例えば誤嚥性肺炎など、高齢の方では嚥下機能や運動機能が低下しており、肺炎が治癒しても自宅での生活が難しいケースは少なくありません。当院はそうした方々に寄り添って、地域医療の後方支援という使命を担っていきたいと思っています。

そのためにリハビリテーションに力を入れているのですね。

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病気の治療に際して、一定期間動けない状況が続く場合、特に高齢者では急速に全身状態や機能が低下してしまいます。病気が治ってしまえばできるだけ早めに退院しなくてはなりませんが、昨今、老老介護状態の高齢者家族など、自宅での生活にはすぐに戻れないという方も増えていますので、リハビリテーションで患者さんの機能回復を図り、できるだけ元の自宅生活に戻れることは重要です。「家で過ごしたい」「日常生活でできることを増やしたい」など、それぞれの目標をしっかり伺い、その方のレベルに合ったリハビリテーションを提供するよう心がけています。リハビリテーション科には理学療法士と作業療法士に加え、嚥下機能のチェックや訓練ができるスタッフもいて、いろいろな症状を抱えた患者さんをカバーできるようにしています。退院時にはソーシャルワーカーが自宅の環境調査を行ったり、介護保険の相談にも対応していますので安心してお任せください。

そのほか、どのような診療に取り組んでいらっしゃいますか?

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前理事長が外科系の医師だったこともあり、以前は手足の骨折や腰椎の圧迫骨折など、整形外科領域で当院を受診される患者さんが多かったようです。歩行が難しい、トイレに行けないなどリハビリ目的の入院が主体でした。現在は私を含め内科医3人の体制となり、慢性心不全や肺炎後の嚥下障害など、内科系疾患を患い自宅生活が難しくなってしまった方の入院治療も積極的に受け入れています。外来では糖尿病など生活習慣病をはじめ、一般的な内科疾患を診療していますが、膠原病の専門家が加わりましたので関節リウマチの治療にも取り組んでいます。CT検査も行っており、急性腹症などの初期対応に加えて、私の専門は感染症ですから、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザといった発熱疾患の患者さんにも安心して受診していただければと思っています。昨年私が赴任してきた時は高齢者の方が中心でしたが、今は若年層の患者さんも増えてきている印象です。

通院が困難な方のために訪問診療にも取り組んでいるそうですね。

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あまり外出できない患者さんが自宅で過ごすためには、訪問診療は欠かせません。今では私たち医療従事者にも大切なことだと痛感しています。例えば、訪問診療では患者さんの生活を垣間見ることができます。「今の体の状態なら入院したほうが良いだろう」とか「これくらい動ければ自宅でも大丈夫」といった判断にも役立ちます。患者さんはそれぞれ生活環境が大きく違いますから、その方の希望に一番沿うかたちでサポートするには、実際の状況を知る必要があります。また、患者さんが自宅で過ごせるようになるためには、重篤な状態を治療する急性期病院や、日頃の診療を行う地域のクリニックとの連携も重要です。重症の患者さんは急性期病院にお願いしますが、治療で落ち着き次第引き受け、クリニックに通院されている患者さんのちょっとした入院依頼に対応したりと、超高齢社会の地域の中で、自施設がどこを担えるかを認識することが喫緊の課題だと感じています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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私たちが大切にしているのは患者さんとのコミュニケーションです。ゆっくりと時間をかけてお話ししていく中で、ご本人の症状だけではなく、生活環境、同居している方の状況、場合によっては経済的な問題など思いが至らなかったバックグラウンドの情報が見えてくることをよく経験します。その上で皆さんと一緒に最適な解決策を導き出していきたいと考えています。そのためにもざっくばらんに病気以外のこともなんでも話せる関係づくりをめざしているところです。もちろん、患者さんと医師の相性も重要ですので、なるべく相性の良い先生に診てもらえるように調整もします。日頃の健康管理は近所のかかりつけクリニックがよいと思いますが、体調を崩して入院したいときなどは、かかりつけの先生に相談して当院を受診いただけるとうれしいですね。外来や入院、訪問診療と幅広く対応しています。急性期病院での治療後のフォローアップなど、お気軽にご相談ください。

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石丸 敏之 理事長

1983年長崎大学医学部卒業。九州大学医学部第一内科に入局し、佐世保共済病院や福岡逓信病院での勤務を経て、米国メモリアルスローン・ケタリングがんセンターに留学。その後、下関市立中央病院呼吸器科部長、福岡赤十字病院感染症内科部長、同副院長を経て、2024年6月より現職。

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