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学校法人北里研究所 北里大学メディカルセンター

(埼玉県 北本市)

佐藤 之俊 病院長

最終更新日:2022/06/10

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良質かつ患者本位の医療を追求する基幹病院

北本市を中心とした広域エリアの基幹病院として存在感を放つ「北里大学メディカルセンター」。学校法人北里研究所の付属施設として地域医療を支える役割のほか、研究機関としての顔も持ち、医師や看護師などの医療人を育成する教育機関としても機能するなど、社会に対して大きく貢献している基幹病院である。「セラピーロード」と呼ばれる地元自治体と包括協定が結ばれた緑多き癒やしの空間にあり、院内随所に絵が飾られた「絵のある病院」というコンセプトでも知られている。また北里大学の学祖・北里柴三郎先生は結核やペストなどの感染症治療に大きく貢献し、その後も後進の研究者たちが各種伝染病の治療、予防、研究において広く社会に貢献してきたいきさつから、今も新型コロナウイルス感染症に対しても尽力している。そんな多彩な顔を持つ「北里大学メディカルセンター」を率いるのは、2021年7月に就任した佐藤之俊病院長。歴史や特色から、今後の展望までさまざまな話を聞いた。(取材日2022年5月23日)

創立33年を迎えられたそうですね。

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当病院は北里研究所創立75周年の節目である1989年に開設した「北里研究所メディカルセンター病院」が前身となります。現北里大学特別栄誉教授・大村智博士が北里研究所の未来を託す事業として提案したもので、高度かつ先進的な地域の中核病院と地域文化の発信基地としての役割を担う存在として開院。その後、2013年に「北里大学メディカルセンター」となりました。北里研究所は近代医学に自然と芸術を融合させた「ヒーリングアート」をコンセプトに、アートインホスピタルの考え方を取り入れた先駆け的存在ですが、その一環として当院も「絵のある病院」として約1700点の絵画で院内が彩られています。1階ロビーでは通常であれば定期的にコンサートなども開かれ、地域住民の皆さま方の憩いと集いの場ともなっています。豊かな自然と人々の癒やしがうまく調和しているのが当病院の特徴です。

さまざまな特色ある取り組みをされています。

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当病院では、日本盲導犬協会の多大なるご協力のもと、2014年より動物を介在した医療に取り組んでいます。セラピードッグが患者さんたちの体や心に与える良い影響は、医療関係者の間で注目されていますが、私たちはそこからさらに一歩進め、エビデンスの確立をめざしています。当病院にはこの規模の病院には珍しく研究機関が付属しており、これまで蓄積してきたデータをもとに分析を進めているところです。そのほか、地域の基幹病院として災害医療(DMAT)にも取り組んでいます。北本市周辺で大きな災害が起こったときにいつでも出動できるよう、体制を整え訓練をしています。各診療科については、この4月から稼働している呼吸器外科、高齢の心不全の患者さんが増えている循環器内科、複数の慢性疾患を持つ患者さんの人工透析を積極的に行っている腎臓内科、人間のウィークポイントである腰を診る整形外科の活躍が特徴として挙げられます。

教育機関としての役割も果たされていますね。

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当病院は、キャリアをスタートさせたばかりの若い医師たちの学びの場としても大きな役割を果たしており、しかも多くの医師たちが初期の臨床実習終了後、後期の実習も引き続き当院で行うという、うれしい流れができつつあります。当病院は北里研究所の他の付属施設などと人材交流があり経験豊富な先輩医師の指導が受けられること、指導体制がしっかりしていること、地域の基幹病院としてさまざまな症例や難症例を数多く経験できることなどが、意欲ある若い医師たちが数多く集まる要因となっているようです。それは医師だけでなく看護師も同様です。当病院の産婦人科は自然分娩が中心で、分娩施設が少なくなっていることもあり看護実習希望の申し込みが毎年数多く寄せられるのですが、残念ながらすべてをお受けできない状況です。

病院内の雰囲気がとても明るく心地良いですね。

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医師、看護師だけでなく全スタッフの仕事に対するモチベーションが高いのも自慢です。大規模病院と違って、互いの顔がわかる程良い規模の病院ですから、関係部門の横のつながりが強く、何かあればどこの誰に相談すればいいかすぐ見当がつきますし、協力体制も堅固で互いに成長し合う関係性が築かれています。患者さんから感謝の言葉をよくいただくのも、スタッフ間の良い関係が仕事へのモチベーションにもつながり、評価につながっているのかもしれませんね。私は病院長として「当病院を自分の家族がかかりたい病院にしてほしい」とスタッフにお願いするとともに、一人の医師としては、患者さんが治療に前向きに取り組めるような環境づくり、雰囲気づくりをとても大切にしています。というのも、ご本人がネガティブな気持ちだと治療行為が迷惑なものになってしまいかねないからです。これからも患者さんの気持ちを第一に考えた医療を追求していきます。

今後の展望をお聞かせください。

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今後は救急医療にも力を入れたいと考えています。地域の方々に、いざとなったら「北里大学メディカルセンター」があるから大丈夫、と安心していただきたいのです。そしてもっと身近な存在に感じていただきたいと思っています。同時に、新型コロナウイルスの流行以降、滞ってしまっている地域の開業医の先生方との顔が見える密な関係の構築も急務です。気軽にご相談いただき、また病状が落ち着いたら逆紹介でフォローをお願いする、そういった連携をもっともっと深めていきたいですね。さらに今後は感染症の流行が収束次第、地域住民の方々に向けての情報発信をしていきたいですね。もっとご自分の健康に意識を向け、「体が健康でこその実りのある人生」であることを認識していただきたいのです。どんな病気も早期発見早期治療が肝心。自分の体を労り、健康も投資に値するものと思っていただけたらうれしいです。

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佐藤 之俊 病院長

1989年東京医科歯科大学大学院卒業。三井記念病院等の勤務を経て、2007年北里大学医学部呼吸器外科学主任教授、北里大学大学院医療系研究科教授。2018年北里大学病院副院長。2021年北里大学メディカルセンター 病院長就任。趣味はロードバイク。己に勝ち大会で少しでも良いタイムを出そうと練習をしており、勤務日は自宅から自転車通勤、週末には100キロを走破。日々の鍛錬に余念がない。

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