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特定医療法人清和会 和ホスピタル

(愛媛県 松山市)

鶴井 雅敏 院長

最終更新日:2023/02/27

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患者の物語に寄り添うチームでの精神科医療

精神科・心療内科の外来・入院診療を行う「和(なごみ)ホスピタル」。松山市の北端にある北条地区にて、心のケアを専門に提供する病院だ。看護師や作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師らによるチームでの精神科医療に力を入れており、それぞれが患者とのコミュニケーションで得た情報を共有し、スムーズかつこまやかな治療につなげている。「診療では話しやすい雰囲気づくりを重視し、患者さんの安心を引き出すことに努めています」と語るのは、日本精神神経学会認定精神科専門医である鶴井雅敏院長。豊かな自然に囲まれた静養の場で、優しく丁寧な診療を提供している同院。患者は松山市だけでなく今治市からも訪れており、地域における精神科医療への貢献がうかがえる。「院内の窓から見える瀬戸内海の景色がお気に入りです」とほほ笑む鶴井院長に、チーム医療や今後の展望について聞いた。(取材日2021年6月11日)

病院の成り立ちについて教えてください。

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1964年に立ち上がった精神科単科病院の「清和病院」が当院の前身です。2001年に「和ホスピタル」と改称すると同時に、老朽化した建物の建て替えが行われました。作業療法やデイケアといった診療体制の充実を図り、現在に続く広域的な精神医療の提供体制を整えました。大きな病院に比べると規模は小さめですが、個々の患者さんに時間をかけて寄り添い、こまやかな対応を行えることは当院ならではの強みだと感じています。患者さんの層は幅広く、松山市と今治市の両エリアからいらっしゃる方が多いですね。年代別に見ていくと、小学生や中学生のお子さんは発達障害、40~50代の働き盛りの方はうつ病や不安障害・強迫性障害などいわゆる「神経症」の症状、ご高齢の方は「認知症」で受診されるケースが増加しています。

作業療法やデイケアなど幅広い取り組みが特徴的ですね。

2

当院がめざすのは、「いつでも、安心して、受診できる病院」です。チーム体制による患者さんのサポートに力を入れており、主治医と担当看護師はもちろん、精神保健福祉士・作業療法士・公認心理師など多職種のスタッフが密に連携しています。スタッフ一人ひとりが患者さんの様子や状況を見つめ、何か異変や疑問点があれば迅速に共有。小さな気づきを治療へつなげていくことを重視しています。精神科の診療目標の一つは社会復帰や在宅復帰であり、健全な生活への復帰をサポートするために、薬物療法や認知行動療法などの精神療法のみならず、精神科作業療法における創作活動や音楽活動、スポーツ、レクリエーションなどのプログラムを提供しています。また、通院中の患者さんを対象としたデイケア、精神保健福祉士による患者さんとご家族向けの生活相談、公認心理師による心理検査、心理カウンセリングにも注力しています。

病棟から海が見える立地もすてきです。

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精神科病院と聞くと、もしかしたら固く閉ざされた印象をお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、当院は開放的な自然の中、ゆっくりと休養できる雰囲気を大切にしています。病院の西側に瀬戸内海、東側に高縄山系が広がるロケーションは大きな魅力の一つです。遠くかすむまで重なる島々、海に沈む夕日など、時間の流れとともに刻々と色を変える瀬戸内海の素晴らしさはまさに絶景。仕事や家のことで悩みがあるとき、日々の人間関係に疲れてしまったときには、窓からの景色を眺めてほっと一息ついていただければうれしいです。ホスピタルの語源は「もてなしの宿」。当院が皆さまにとって安心して休める場となっていけるよう、病院の在り方を常に考えています。

診療の際に心がけていることを教えてください。

4

患者さんのお話をよく聞くこと、そのための話しやすい雰囲気づくりを大切にしています。時間をかけて患者さんと交流を続けていくと、ふと何か心の琴線にふれるような瞬間があるんです。患者さんの物語にちりばめられたエピソードやキーワードといったものが、一直線にならぶ感覚ですね。物語をひもといていく中で患者さんが抱える事情に気づけた時、困難を突破するためのお手伝いができた時は、大きなやりがいを感じます。どなたにもそれぞれの生き方があり、一つとして同じものはありません。精神症状も同じで、症状は典型的なものに限らず、患者さんによって異なるものもあります。できる限り個々の事情をくみ取り、ケアや治療に生かしていきたいと思っています。

読者へのメッセージと今後の展望を伺います。

5

私たちがこの北条の地で精神医療に携わり、存在する大きな意義は、皆さんに「この病院がここにあって良かった」と思っていただけることです。社団医療法人から特定医療法人に移行した理由も、地域医療や社会福祉に貢献したいという想いがあったからでした。これからどんな時代が訪れ、医療がどう変化していくのかはわかりませんが、変わらず取り組むべきは患者さんやご家族、地域の方々に寄り添うことです。必要な時にひと息つける場所でありたいと思っていますので、どうぞ安心してご相談にいらしてください。人の心と向き合う精神科医療は時に難しさもありますが、幸い当院にはチームワーク抜群のスタッフがそろっています。医師に話せなかったことを看護師がくみ取るかもしれないし、精神保健福祉士のひと言で発見があるかもしれない。こうした気づきを治療につなげ、患者さんやご家族のお役に立てたらうれしいです。

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鶴井 雅敏 院長

東邦大学医学部卒業。同大学内科研修医を経て同精神科に入局、東邦大学医学部付属大森病院や東京都立多摩総合精神保健福祉センターで精神医療とリハビリテーションなどに従事。その後、愛媛県にUターンし、精神科医師であった父が立ち上げに携わった同院に入職。作業療法やデイケアなど診療の充実を図りながら、チーム医療を生かしたこまやかな患者ケアに力を入れる。

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