学校法人愛知医科大学 愛知医科大学メディカルセンター
(愛知県 岡崎市)
羽生田 正行 病院長
最終更新日:2026/01/27


医療を通して地域を支える、地域多機能病院
愛知医科大学病院の分院として、緑豊かな岡崎市仁木町に2021年に開院した「愛知医科大学メディカルセンター」。大学病院に準じた各種専門分野に特化した外来、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟および医療療養型病棟を備え、急性期から慢性期、さらには在宅医療支援まで、多様な医療機能を一体的に担う地域多機能病院としての役割を果たす中核病院だ。365日の二次救急体制により、急な体調不良でも専門科を迷うことなく受診でき、軽症から中等症まで幅広い救急患者に対応し、地域住民に安心を届けている。また、外来から入院まで対応する透析部門、24時間体制の訪問看護ステーションに加え、通所リハビリや短期リハビリ入院も設け、地域での生活を支える支援も積極的に展開。「少子高齢化の時代に求められるのは、病床区分ではなく『地域の中でどの機能を果たす病院か』という視点ではないでしょうか」と語るのは、病院長の羽生田正行先生。地域の医療ニーズを見据え、新たな地域医療機関の実現をめざす羽生田病院長に、医療を通じて地域の生活に寄り添う同院の取り組みについて話を聞いた。(取材日2025年11月14日)
病院の成り立ちと、地域における役割についてお聞かせください。

当院は、地域医療を担ってきた「北斗病院」の経営を愛知医科大学が引き継ぎ、2021年に愛知医科大学病院の分院として再出発しました。構想段階では大学病院のように高度医療を提供し、病診連携を行う案もありましたが、少子高齢化が進む地域には、より実情に即した病院機能が求められると考えました。そこで当院は、急性期・回復期・慢性期・在宅支援などを包括的に提供する「地域多機能病院」という理念を掲げています。 少子高齢化が進む地域において必要なのは、コンビニエンスストアのように「身近で、必要な医療がそろう」ことです。軽度のけがから急性期まで、可能な限り地域の病院で支え、本当に必要な時だけ高度な病院と連携することが理想ではないでしょうか。高度急性期病院と介護施設の間を埋め、地域の皆さんにとって「困った時に行ける」多機能な医療拠点となることが、当院の重要な役割であると感じています。
リハビリが充実していると伺いました。

当院の大きな特徴は、入院機能を併せ持ち、高度急性期から回復期、生活期に至るまで、一貫した流れの中で集中的なリハビリを提供できる点です。リハビリはけがからの回復だけでなく、脳疾患や高齢者医療に加えて慢性疾患にも有用です。例えば、糖尿病による運動器疾患も食事指導と連動したリハビリで改善が期待できます。当院では、整形外科や内科などの担当医とリハビリテーション科の医師、看護師、セラピストがチームで連携し、個々の患者さんに合わせたプログラムを提供しています。さらに、整形外科専門の医師がリハビリを直接指導できるため、高齢者の骨折や外傷の機能回復にも強みを発揮しています。愛知医科大学病院で手術や治療を終えた患者さんのシームレスなリハビリを担う、本院の一病棟としての側面も持っています。また自発的にトレーニングができる環境も提供しており、将来的にはロボット技術も活用したセルフリハビリの推進も予定しています。
リハビリに注力されている理由をお聞かせください。

これからの医療、特に高齢者医療は、高度な治療だけでは成立せず、リハビリと組み合わせることで初めて機能すると考えています。当院のリハビリのコンセプトは「寝たきりになりそうな方を歩いて帰す」ことです。地域のクリニックや介護施設、ケアマネジャーと連携し、介護度の悪化を防ぐ「地域循環型医療モデル」を構築しています。当院では「短期メディカルリハ入院」も受け入れ、身体機能の低下や介助量の増加、外出が困難になった方に対し、機能回復・重症化予防・生活能力向上をめざしたリハビリを提供し、住み慣れた場所での生活をより長く維持できるよう支援しています。さらに、介護保険サービスである通所リハビリも実施し、医療と介護が連携した地域循環を支えています。こうした体制を整えることが、地域多機能病院である当院の重要な役割の一つであると考えています。
リハビリのほかに、こちらの病院の強みや特徴を教えてください。

当院の特徴は、大学病院に準じた質の高い医療を、地域に密着したかたちで提供できる点にあります。「困った時に行ける病院」として二次救急に対応し、365日24時まで救急患者を受け入れています。救急車搬送だけでなく、直接来院される方にも対応しております。その初期診療の要として機能しているのが総合診療部門です。幅広い症状や疾患を持つ患者さんを、診療科に関係なく受け入れ、初期診断後は、院内の内科・外科・整形外科の医師たちが連携し、切れ目のない診療を提供します。特定の診療科を問わず、まず相談できる窓口があることは、急な体調不良に見舞われた方々にとっては、大きな安心感につながっているのではないでしょうか。さらに、腎臓病センターには20床の透析ベッドを備え、外来はもちろん、岡崎市内でも数少ない入院透析にも対応しています。救急・総合診療・透析までを備えた、多機能型の地域医療拠点としての役割を担っています。
今後の展望と地域の方々へのメッセージをお願いします。

少子高齢化が加速し、病床の区分ではなく、地域に応じた医療機能そのものが求められる時代に入りました。その中で当院のような地域多機能病院の役割はさらに重要になるでしょう。当院は厚生労働省が地域医療構想案で示す「包括的機能を持つ地域医療機関」の理念に通じる機能を有し、今後の超高齢社会において、この地域で「どの規模で、どのような医療を提供することが最適なのか」を検証していく役割も担っております。地域の皆さまにおかれましては、日常生活で不安や不調があったとき、どこへ行けば良いか迷うことがあると思います。そんなときこそ、まずは当院へご相談ください。紹介状も不要で、365日対応しております。遠慮なく受診していただき、この病院を活用して元気になっていただくことが、私たちの何よりの喜びです。今後も、初期治療からリハビリまで質の高い医療の提供に努め、皆さまのニーズに応え続けてまいります。

羽生田 正行 病院長
1981年秋田大学医学部卒業後、信州大学医学部附属病院や市立甲府病院で外科の医師として研鑽を積む。1991年に米国ワシントン大学へ留学し胸部外科を研究。帰国後は信州大学で講師・医局長を務め、2003年より愛知医科大学呼吸器外科教授。2011年から病院経営にも携わり、副院長、病院長を歴任。2021年より現職。日本呼吸器外科学会呼吸器外科専門医、日本外科学会外科専門医。





