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超高齢者でも受けられる
構造的心疾患のカテーテル治療

医療法人澄心会 岐阜ハートセンター

(岐阜県 岐阜市)

最終更新日:2026/02/02

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  • 保険診療

「構造的心疾患」と聞いて、心臓の病気というのはわかっても、どんな病気かを知る人は少ないだろう。聞きなれない言葉だが、心臓弁膜症なら知っている人も多いのではないだろうか。構造的心疾患とは、心臓を構成している弁や壁などパーツに関わる疾患の総称で、心臓弁膜症もその一つ。近年、治療法の進化、心臓の弁や血管に代わる人工パーツのハイテク化で、心臓治療が一気に進んだ。「心臓の構造に精通した専門の医師や治療法が増えたことで、構造的心疾患という言葉もよく使われるようになりました」と説明するのは、大動脈弁狭窄症が専門の志村徹郎循環器内科部長。構造的心疾患の新しい治療について、志村先生に解説してもらった。(取材日2025年11月13日)

「切らない治療」が進化。局所麻酔・約30分のカテーテル治療で難症例にも対応

Q構造的心疾患にはどんな病気がありますか?

A

循環器内科部長の志村徹郎先生

構造的心疾患とは、心臓の中にある「扉」や「壁」といった、心臓の構造に関わる病気の総称です。こうした構造物の異常は心臓全体の働きに影響するため、早期の発見と適切な治療が重要です。代表的なものとしては、大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症などの心臓弁膜症、そして先天性心疾患が挙げられます。中でも大動脈弁狭窄症は、心臓と大動脈の間にある「大動脈弁」が加齢などで硬くなり、弁の開きが悪くなる病気です。弁が十分に開かないと、血液が通る通路が狭くなるため、心臓はより強い力で血液を押し出さなければならなくなります。その結果、心臓に負担がかかり、息切れや胸の痛み、失神などの症状につながることがあります。

Qやはり高齢者に多い病気なのでしょうか?

A

初診から専門の医師が診療にあたり、早期発見を心がける

心臓弁膜症は高齢の方に多く、年齢とともに発症率が高まり、患者数も増えています。弁に異常があると血液の流れが妨げられたり逆流したりして、心臓に負担がかかるため、心不全の原因にもなります。高齢者に多い主な理由は、加齢に伴う弁の変性や石灰化です。年齢とともに血管が硬くなるのと同様に、弁も硬くなったり厚くなったりして、開きにくくなることがあります。動悸や息切れ、足のむくみなどの症状は、加齢に伴う体の変化と似ているため、「年齢のせい」と考えて放置してしまう方も少なくありません。気になる症状が続く場合は、聴診で雑音がないか確認し、心臓超音波検査(心エコー検査)で弁の狭窄や逆流の有無を調べることが大切です。

Qどんな治療をするのですか?

A

患者の状態や希望に寄り添い、治療方針を決めていく

薬で症状を和らげることは期待できますが、弁の変化そのものを元に戻したり、進行を完全に止めたりすることは難しいのが現状です。重症まで進行した場合、胸を開いて直接心臓にアプローチする外科手術と、胸を切らずに血管から器具を入れて行う低侵襲なカテーテル治療があります。外科手術では人工心肺を用い、機能が低下した弁を人工弁に置き換えます。一方、カテーテル治療では太ももの付け根などの血管からカテーテルを挿入し、人工弁を新しく植え込みます。当院には循環器内科と心臓血管外科の両方がそろっており、患者さんの状態に応じて、相談の上で治療方法を選択します。80歳以上の高齢者がカテーテル治療の対象となることが多いです。

Q80歳以上でないとカテーテル治療は受けられないのですか?

A

あくまで「目安」であり、治療法は年齢だけで決めるものではありません。患者さんの社会的背景や生活環境、ご本人の希望も丁寧に伺った上で、全身状態や合併症、解剖学的条件などを含めて総合的に判断します。カテーテル治療は2000年代以降に急速に発展してきた比較的新しい治療で、人工弁には動物由来の生体組織を用いた「生体弁」が使われています。カテーテル治療はその有用性と安全性について研究が進んでいる治療であり、ここ数年では、さらに耐久性に関する報告も世界的に増えてきており、患者さんの体内に植え込んだ後、10年以上も問題なく機能することが見込めると示されてきております。

Q心臓弁膜症と診断されたら、すぐに手術をするのですか?

A

心臓弁膜症の多くは、年齢とともに徐々に進行することが知られており、最終的に外科治療かカテーテル治療が必要になる方も少なくありません。まれに急速に重症化するケースもありますが、多くは軽症から中等症、重症へと段階的に進みます。ですので、診断されてすぐに治療される方もいますが、全員がそうなるわけではありません。病気が見つかっても、症状が軽い段階で直ちに治療に踏みきるのではなく、併存疾患の治療を行いながら、定期的な検査で重症度の変化を確認し、必要なタイミングで治療を行うのが基本的な考え方です。治療開始の時期は、症状の有無に加えて、心臓超音波検査(心エコー検査)の数値を重要な判断材料とします。

Qこちらで行うカテーテル治療の特徴を教えてください。

A

経験豊富な医師がそろい、多様な症例にカテーテル治療で対応

外科手術が全身麻酔で数時間かかるのに比べ、カテーテル治療は局所麻酔で可能で、治療時間も数十分と比較的短く、体への負担を抑えられるのが特長です。当院では、状態が安定していれば翌日には立って歩いていただけるよう支援しています。また、複数の医師に加え、看護師などを含めた多職種が連携するチームがカンファレンスで方針を共有した上で治療にあたっています。治療法の普及や教育にも力を入れており、全国の医療機関で指導を行っている医師も複数在籍しています。経験豊富なチームが、重症でハイリスクの患者さんにも積極的に対応し、急に状態が悪化した場合には緊急での手術やカテーテル治療にも迅速に対応します。

Q術後の注意点やリハビリテーションについても教えてください。

A

多職種と連携して、一人ひとりに合わせたリハビリの提供を行う

ご高齢の方は筋力が低下していることも多く、退院後の転倒も防ぐことが大切なポイントです。せっかく心臓の治療がうまくいっても、別の理由で寝たきりになってしまうのは避けたいところです。まずは転倒予防を意識して生活していただきたいと思います。そのために、術後は早期からリハビリを開始することが重要です。当院では理学療法士を中心に、管理栄養士や臨床検査技師など多職種が連携し、患者さん一人ひとりの状態に合わせたリハビリを提供しています。心臓リハビリに精通したスタッフも多数在籍していますので、安心してご相談ください。医師やリハビリスタッフの指示のもとで、できる範囲から積極的に体を動かしていきましょう。

患者さんへのメッセージ

当院では、患者さんそれぞれに合わせた治療法を提供する体制を整えております。高齢で、体力が低下した方でも、問題なく受けていただけるように治療法も提供できると思います。息苦しさや同期、胸の痛みで思うように動けなかった方でも、治療によって元気に体を動かせるようになることが期待できます。高齢だからと諦めず、まずは一度ご相談ください。治療までの流れは、紹介状を頂いてから検査・評価を行い、問題がなければおおむね1週間~1ヵ月以内で日程を調整できます。「もう年だから」と諦めず、より良い生活をめざすための選択肢として、前向きに検討していただければと思います。

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