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医療法人澄心会 岐阜ハートセンター

(岐阜県 岐阜市)

松尾 仁司 病院長

最終更新日:2022/07/29

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高い専門性で岐阜県の循環器診療を担う

赤いハートマークが目印の「岐阜ハートセンター」は、循環器を専門とする病院。JR西岐阜駅から車で5分ほどの、岐阜県庁とOKBふれあい会館の間にある。専門性の高い医療を提供する一方で、無医村での地域医療を経験した松尾仁司病院長が信条とする「目の前の患者さまを大切にする」ことも、職員全体で意識しているのだという。広い視野を持って、患者にとってどんな医療が一番良いかを考えられる医師を育てていくことが松尾病院長の目標だ。診療においては、これまで対応が難しいとされてきた透析患者に対する経カテーテル的大動脈弁置換術にも体制を整えて対応。心臓病患者の慢性期を見据えた社会復帰をめざすリハビリテーションにも注力している。「岐阜県の循環器診療を支える存在でありたい」という熱い思いで、常に高い目標を持って診療体制を強化してきた松尾病院長に、基本理念や地域における役割について話を聞いた。(取材日2022年2月10日)

まずは病院の沿革を教えてください。

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当院は愛知県にある豊橋ハートセンター、名古屋ハートセンターと同グループに属します。日本国内において、心臓病はがんに次いで2番目に多い死因です。特に急性心筋梗塞は、治療までの時間が患者さんの予後を左右します。循環器疾患の治療技術、特に低侵襲のカテーテル治療の進歩は目覚ましく、高度な技術が要される時代の流れの中、1999年に誕生したのが、循環器専門病院である豊橋ハートセンターでした。循環器専門病院の大きなメリットは、専門の医師やメディカルスタッフの力を集約したチーム医療にあるといえるでしょう。豊橋ハートセンターの開院から10年後に、当院と名古屋ハートセンターが開院しました。岐阜県の循環器医療を担う専門病院として、急性期から慢性期までをカバーできる質の高い先端医療の提供を目標にスタートしました。

2009年に開院してからどんな病院をめざしてきましたか?

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常に意識したのは、高い専門性。職員全体が日々繰り返される業務の中で忙しさに取り紛れることなく、常に高みをめざす姿勢で取り組んでいきたいと思っています。具体的な4つの目標があり、まず1つ目は「優しさを医療の中心に考えた、何よりも安全な医療の提供に努めること」。2つ目は「確かな技術に基づいた医療を実践するとともに情報発信に努めること」。3つ目は「心温まるケアを実感していただけるよう接遇に努めること」。4つ目は「24時間365日絶対にお断りしない体制づくりに努めること」です。虚血性心疾患に対するカテーテル治療、不整脈疾患に対するアブレーション治療、構造的心疾患に対するカテーテル治療、そしてバイパス手術や弁置換術などの外科的治療、すべての領域の治療成績の向上に全力で取り組んでいます。2015年には新病棟が完成し、CCUや一般病棟の増床、リハビリテーションの拡充、麻酔科と形成外科の新設も行いました。

拡充されたリハビリテーションはどんな内容なのですか?

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患者さまに長く元気でいてもらうためには、手術をして終わりではなく、自宅に帰られた後の管理も重要です。外科手術やカテーテル治療の精度を高めることは一つの目標としていますが、手術数を競うのではなく、患者さまが再手術にならないように考えることが本来の医療の形だと思います。そんな考えから、心臓リハビリテーション領域のオピニオンリーダー的存在である山田純生先生のご指導をいただき、質の高さを重視した心臓リハビリテーションを導入しました。心肺運動負荷試験(CPX)に基づく適切な病態評価を行い、患者さまに適した方法や強度での運動指導を提供しています。医師や看護師、理学療法士だけでなく管理栄養士、薬剤師なども含めたチーム医療で対応し、中には心臓リハビリテーションに知見が深いスタッフも在籍しており、専門性が高いチームとなっています。

心不全に関してもチーム医療で臨んでいるそうですね。

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不整脈、弁膜症、心筋症、心筋梗塞など心臓病は心不全を引き起こす危険性があります。心不全の多くは塩分過多や薬の飲み忘れなどの生活因子からリスクが高まるため、生活習慣を整えることが重要になってきます。栄養指導や水分管理、服薬管理、いかに風邪をひかないようにするかなどを、専門の医師や看護師など各スタッフが力を合わせてこまやかな指導と管理をしています。再入院を繰り返している患者さまや自宅での自己管理が不安な患者さまなどには訪問看護も導入し、訪問した際の体重や血圧、患者さまの訴えや心不全手帳の記載状況などを共有することにも努めています。医療介護連携ネットワークにも参加しているので、自宅療養の患者さまのバイタル情報共有も可能です。2020年10月からは、心不全患者さまのために、2泊3日の「心不全教育入院」も始めました。心不全の自己管理に対する教育と病状の評価を行い、再発を防ぐための取り組みです。

貴院の地域における役割についてお聞かせください。

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医学は進歩しているとはいえ、まだまだわからないことだらけで、そのわからないことに答えを出すという姿勢も大切だと考えています。一人の医師の経験を世の中に発表することによって、その経験値が社会や同じフィールドで活躍する医師の役に立つのではないでしょうか。当院は大学病院並みに研究にも参加していますし、海外にも常に新しい視点で情報発信をしています。そして、日々繰り返している診断・治療を振り返る意味でもこういった情報発信は重要になってきます。また、他施設や地域のメディカルスタッフとともに勉強会も開いています。新型コロナウイルス感染症の流行でウェブ開催となってからは、離れた地域の先生も参加できるようになりました。県内には心臓血管外科のある施設がない地域もあります。岐阜県の循環器診療を支えることを当院の使命と捉え、困っておられる方々のよりどころになる病院であり続けられるよう努力をしていきたいですね。

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松尾 仁司 病院長

1986年自治医科大学卒業。岐阜県立岐阜病院で研修後、国保高鷲村診療所で5年間地域医療に携わり、総合的な内科診療の経験を積む。岐阜県総合医療センター循環器科主任医長、豊橋ハートセンター循環器科部長を経て2014年から現職。専門は循環器内科で、岐阜大学臨床医学系客員教授、愛知医科大学臨床医学系客員教授も兼任する。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医。学生時代はハンドボール部。

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