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医療法人社団慈誠会 慈誠会・練馬高野台病院

(東京都 練馬区)

今井 政人 院長

最終更新日:2024/07/24

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患者に寄り添う医療で地域医療に貢献

練馬高野台駅から徒歩圏内の静かな住宅地に2022年8月にオープンした「慈誠会・練馬高野台病院」。急性期病院での平均在院日数が短縮化される中、この地域ではその後の受け入れ先となる病院の開院が待ち望まれていた。ケアミックス型病院の同院では、地域に開かれた病院として、亜急性期および急性期治療後の患者を中心に受け入れている。回復期・療養期のケアに加えて小規模ながらも急性期病院並みの医師と機能を備え、手術や通常では難しい全身管理が必要な術後の患者にも積極的に対応している。開院以来、地域の基幹病院である順天堂大学医学部附属練馬病院はじめ、在宅専門の医療機関や開業医から多くの患者の紹介を受けている同院。急性期病院と後方支援病院のはざまにある患者が行き場をなくすことのないように体制を整え、良質な医療を提供したいと話す今井政人院長に、開院から今日までの軌跡を聞いた。(取材日2024年4月3日)

こちらの病院の診療体制について教えてください。

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当院はケアミックス型の後方支援病院であるとともに、準急性期病院のような立ち位置で長く患者さんを診ていくことをコンセプトにしています。消化器外科と外科に精通した常勤医が私を含む3人在籍しており、毎週手術を実施しています。入院後に新たな病気が見つかることもあり、フレキシブルに機動力高く対応可能な専門の医師を配置しています。急性期病院で治療を終えた後、後方支援病院に転院してくる患者さんは80歳や90歳を超えている場合が多く、そのほとんどが複数の合併症を抱えています。そういった患者さんたちをしっかりと診ることのできる体制を整えることで、開院以来、順天堂大学医学部附属練馬病院、練馬光ヶ丘病院、練馬総合病院をはじめ、都内外のさまざまな病院からも患者さんのご紹介をいただいています。外来は、順天堂大学医学部附属練馬病院をはじめ、慶應義塾大学病院や帝京大学医学部附属病院の先生方が診療を担当しています。

各病院の特徴を生かした地域連携が行われているのですね。

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既存の地域連携のシステムは急性期病院と後方支援病院が相補的に機能できるようにつくられていますが、実際はここまでが急性期、ここからが後方支援と必ずしも割り切れるわけではありません。しっかりとリハビリをすればその後の生活の質の向上が期待できるにも関わらず、急性期治療後に合併症等のため後方支援病院で受け入れができず、適切な医療が受けられていないということも少なくありません。そういった急性期病院と後方支援病院のはざまにある患者さんに、適切な医療を届け地域にお戻りいただくためにできたのが当院です。私自身も長く急性期病院で勤務してきましたが、自分が手術をした患者さんをもう少し長く見届けたいと思いながら次の施設に委ねてきました。当院は、患者さんを在宅に戻すまで2〜3ヵ月かけて関わることができ、全身を診ることもできます。そういった医療を志す30歳代の若い専門医師の先生が多いのも当院の特徴です。

地域の先生との連携はいかがでしょうか。

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在宅医療を担う先生や開業の先生からは気軽にご紹介をいただき、患者さんを受け入れているうちに自然に連携が取れるようになってきました。急性期病院からの転院については、一般的には退院が決まってから転院先の病院の見学をしますが、順天堂大学医学部附属練馬病院の整形外科と脳神経外科と当院では、少しでもスムーズに患者さんが転院できるように、手術が決まった段階でご家族に当院の見学に来ていただき、手術後すぐに転院することを納得していただけるようにしています。入院初日には、医師、病棟看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、管理栄養士、ソーシャルワーカー、ケアワーカーが患者さんの要望を聞いた上で、退院に向けての治療方針を検討します。当院に在籍するすべての職種がそれぞれの分野のプロフェッショナルとして自分の仕事に向き合っており、それに対して互いに「ありがとう」と言える風土があるのは、この規模の病院ならではの良さですね。

特徴であるリハビリはどのように取り組まれていますか?

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リハビリスタッフ全員の活気が非常に高く、患者さん中心の医療が行き届いています。どの職種よりも長い時間を患者さんと過ごしているのがリハビリスタッフで、時には患者さんからの医師や看護師には言えない愚痴を親身になって聞いている姿も見られます。また、嚥下機能の評価にも注力し、嚥下造影検査で咀嚼と嚥下の機能を調べ、安全に食べられる角度や姿勢で食事を取るトレーニングを行っています。屋上にあるリハビリ施設は眺めも良く、実際に道路を歩く前の練習場としても適しています。今後は、ロボットスーツを用いた機能改善療法や心臓リハビリを導入する予定で、心臓リハビリについては、日本循環器学会循環器専門医と経験豊富な理学療法士で体制を整えて開始します。また、腹膜透析患者へのリハビリについても受け入れています。学会等での指針すらない手探りの状態ではありますが腎臓内科や透析治療で豊富な実績を持つ医師を中心に取り組んでいます。

最後に地域へのメッセージをお願いします。

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当院では医師、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、管理栄養士、ソーシャルワーカー、ケアワーカー、事務職員、すべての職種によるチーム医療を大切にしています。病院はスタッフがいるから成り立つものであり、どれだけいろいろなスタッフに助けられて患者さんを診ているのかということを日々感じています。まだまだ人手不足な面もありますが、この環境で働きたいと思ってくれる志のあるスタッフが定着しつつあるので、あとは引き続き人員の補充に努めていきます。当院では開院以来、ケアミックス型の病院でありながら外科手術を含めた急性期疾患もしっかりと診られる環境をつくり上げてきました。そして、そのような診療を実践することで、地域に貢献できていると考えています。ご相談をいただければできる限りのことをいたします。力不足なところについては適切な医療機関や施設にご紹介することで、患者さんにとって良質な医療の提供に努めていきます。

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今井 政人 院長

1988年旭川医科大学卒業、1992年同大学大学院医学研究科修了。医学博士。日鋼記念病院外科、札幌北楡病院外科、旭川医科大学外科学第2講座助手を経て、ハーバード大学外科リサーチフェローその後講師、帰国後は札幌厚生病院外科医長、宇都宮記念病院副院長病院長補佐、上板橋病院副院長、練馬駅リハビリテーション病院副院長を歴任し、2022年8月より現職。2024年4月旭川医科大学医学部客員教授を兼任。

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