全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,877件の情報を掲載(2025年10月13日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市東淀川区
  4. 崇禅寺駅
  5. 医療法人康生会 淀川平成病院
  6. 渡辺 直也 院長

医療法人康生会 淀川平成病院

(大阪府 大阪市東淀川区)

渡辺 直也 院長

最終更新日:2025/10/06

Hf main z67692 20250916 029Hf main z67692 20250916 029

回復期を支え、退院後も訪問リハビリを提供

大阪市東淀川区にある「淀川平成病院」は、2020年3月に開院。脳血管疾患や整形外科疾患などの急性期治療を終えるも自宅へ帰るには不安のある患者を受け入れ、回復期のリハビリを提供する病院だ。また退院後も患者の在宅生活を支えるため訪問リハビリを提供。「じぶんを生きる を みんなのものに」の理念のもと、医師、看護師、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士など、多職種が連携してチーム医療を実践している。同院の院長渡辺直也先生に開院の経緯や患者への思い、特色あるリハビリについて詳しく話を聞いた。(取材日2025年9月16日)

開院の経緯を教えてください。

Hf 1 z67692 20250916 015

私は以前淀川キリスト教病院の院長を務めていました。この地域には従来から急性期・慢性期の病院は多くありましたが、回復期の医療を担う病院は少ない状況でした。そのため急性期の治療が落ち着き、回復期リハビリ病院への転院が必要になると、いったん遠くの病院に移らなければならないという問題がありました。また、この地域ではクリニックや訪問診療、訪問看護の面が充実している一方で、リハビリ施設は不足しているという実情がありました。そんな中で、もともとここにあった淀川キリスト教病院のホスピス・こどもホスピスが病院本体に移転するにあたり、跡地を利用して地域完結型の医療を提供できないかと考えました。そこでリハビリ医療を得意とし、全国に多くの病院・施設を運営する平成医療福祉グループに依頼したのです。そして、同グループの25番目の病院として、回復期リハビリに特化した当院を2020年3月に開設しました。

理念にはどんな想いが込められているのでしょうか。

Hf 2 z67692 20250916 008

2023年にグループの新理念「じぶんを生きる を みんなのものに」が制定されました。これには患者さん一人ひとりが自分らしく生きられるように、必要なサポートをしていきたいという思いが込められています。単にリハビリを提供するのではなく、地域の困っている方を「どうお受けするか」「どのような医療を提供するか」「どう回復につなげて、どのように退院していただくか」が大切です。また多くの方は退院後も引き続きリハビリやその他のサポートが必要です。そのために私たちは入院中の患者さん一人ひとりに対して、1ヵ月に1度定期カンファレンスを行います。医師、リハビリ技師、看護師、栄養士、薬剤師、社会福祉士など最低6人のスタッフが集まって、リハビリの状況や問題点、退院見込み期間、退院後に必要なリハビリやサービスなどを検討します。一人ひとりの「じぶんを生きる」を支えるべく日々悩みながら努力しています。

こちらのリハビリの特徴について教えてください。

Hf 3 z67692 20250916 061

76床の小さな病院ながら、リハビリスタッフは現在77人が在籍しています。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が疾患別リハビリにおいて、すべての分野でマンツーマンで実施しています。在宅復帰をめざすにあたって、食事や排尿・排便は重要で、当院では嚥下や排泄のリハビリにも注力しています。まず嚥下に関しては嚥下造影を行い機能を評価。飲み込める場合でも、濃いとろみ、中くらいのとろみ、薄いとろみのどれなら飲めるかの段階を見極めて、適切なリハビリを提供しています。また排泄に関しては、急性期の病院から尿道カテーテルが入った状態で来られるケースが多いため、患者さん自らの意思で排泄を行えるようサポートしていきます。入院は平均3~6ヵ月です。退院すればリハビリが終了するわけではありません。引き続き日常生活動作(ADL)を上げるよう図る必要がありますから、訪問リハビリを引き続き行うことが肝心です。

訪問リハビリについて教えてください。

Hf 4 z67692 20250916 055

訪問リハビリは、スタッフが患者さんのご自宅を訪問し、それぞれの生活に合わせたリハビリを行います。週に2~3回のペースが多いですね。歩く、立つといった日常動作は理学療法士が、手の動きとか細かい動きは作業療法士が得意とする分野ですが、自身の専門領域でない部分は情報共有を行い、カバーしています。また患者さんによって理学療法士の日と作業療法士の日を分けるといった対応も可能です。さらに当院は、言語聴覚士を多く抱えているため、食べ物を誤嚥してしまう、うまく発声できないといった患者さんに対しても訪問リハビリでアプローチできる点は大きな特徴です。また身体機能面の治療はもちろん、生活しやすい住宅環境づくりなど、総合的なアドバイスも提供いたします。退院前にはケアマネジャーを含めたチームで家屋調査を実施し、段差や手すりのチェック、介護保険の範囲内で行える家屋の改修の提案も行っています。

今後の展望をお願いします。

Hf 5 %e5%b1%8b%e4%b8%8a%e3%82%b9%e3%82%ab%e3%82%a4%e3%82%ac%e3%83%bc%e3%83%87%e3%83%b302

一人でも多くの回復期リハビリが必要な方を受け入れられるように、効率化に取り組むのが当院の使命と考えています。現在当院は100%に近い稼働をしている状態です。入院中に9割まで仕上げて1割を訪問リハビリで、また6割まで仕上げて残り4割は訪問リハビリでなど、患者さんやご家族によって希望は異なります。ご希望に応えながら適切なリハビリを提供して、安心してご自宅に戻っていただけるよう、そして新しい患者さんをお受けできるよう、全スタッフが全力で努力しています。退院でリハビリを終了するのではなく、退院後もリハビリを続けることが大切なので、今後も訪問リハビリには注力していきたいです。また訪問リハビリの場合、3ヵ月に1回の医師による診察が必要ですが、その通院が患者さんやご家族の負担になっているのではないかという懸念もあります。どのように解決していくかは検討中ですが、意欲的に取り組んでいきたいと思います。

Hf main z67692 20250916 029

渡辺 直也 院長

神戸大学医学部を卒業後、同大学大学院第一内科学を修了。1987年より淀川キリスト教病院内科に勤務。同病院内科医長、健康管理増進センター部長などを経て、2013年から2020年まで同病院院長を務める。2020年5月より淀川平成病院に副院長として着任、2021年9月から院長に就任。

access.png