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埼玉県立がんセンター

(埼玉県 北足立郡伊奈町)

影山 幸雄 病院長

最終更新日:2024/05/15

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幅広くがん治療に対応する専門病院

「唯惜命~ただ命を惜しむ~」生命の尊厳と倫理を重んじ、先進の医療と博愛・奉仕の精神によって、がんで苦しむことのない世界をめざすことを理念に、がん治療の三本柱である手術・放射線治療・薬物療法を専門性高く提供している「埼玉県立がんセンター」。埼玉県のがん治療の拠点となる専門病院だ。がんゲノム医療、ロボット支援手術、内視鏡的治療、分子標的薬・免疫治療剤などの先進的な薬物療法、放射線診断科でのリモート読影など先端システムの活用に取り組むほか、入退院支援をさらに発展させ、治療や生活の支援に加え就労支援など治療後の社会復帰支援にも注力をしている。また治療の初期段階や検査の段階からつらいことを取り除くための緩和医療にも積極的で、検査から診断、治療、治療後、患者対応をするスタッフまでがん患者を取り巻くあらゆる場面で尽力する。病院長の影山幸雄先生に同病院について話を聞いた。(取材日2024年3月27日)

埼玉県のがん診療連携拠点病院としてがん治療に注力されてます。

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当病院はがん治療の三本柱である手術・放射線治療・薬物療法を高いレベルで提供するべく全力で取り組んでいます。また埼玉県のがん診療連携拠点病院として診療はもちろんのこと、情報交換の場も積極的に設け、がん医療の全体的な底上げと平均化にも尽力しています。手術では症例数が多い消化器外科を中心にロボット支援手術を軸とした質の高い手術を提供。このロボット支援手術は患者さんのお体への負担を軽減できるだけでなく、担当する医師にとっても効率的で精密性を高められる方法です。他にも泌尿器科、婦人科、頭頸部外科、整形外科、脳神経外科、歯科口腔外科、乳腺外科、皮膚科などの各診療科でも多くの実績があり高難度の手術を積極的に手がけています。今年度からは麻酔科の人員を増強し、さらに多くの手術ニーズにお応えできるようになります。

がんゲノム医療など比較的新しい分野でも実績を積まれてますね。

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今後ますます注目されると思われるがんゲノム医療は、当病院では腫瘍診断予防として早くから取り組んできました。今は人の遺伝子情報のごく一部を解析していますが、いずれ全ゲノム解析の時代が来るでしょう。どんな情報がわかるのか、わかったときにどう対処するのか、今から考えておく必要があるでしょうね。また当病院には手術だけではなく、放射線治療や薬物治療の患者さんも多く来院されています。放射線治療ではより適切な照射が可能な強度変調放射線治療(IMRT)を充実させ、画像診断では遠隔で読影を行う、リモート読影のシステムを構築。患者の負担が少なく、効率的な質の高い放射線治療につなげています。薬物治療では従来の抗がん剤に加え、分子標的薬や免疫治療剤などの薬物療法も行っています。通院治療センターでは、特に乳腺腫瘍内科、呼吸器内科、消化器内科などのスタッフが多くの患者さんに対応しています。

がん以外の疾患のある患者さんにも丁寧に対応されておられます。

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これまで弱点であったがん以外の疾患を持つ患者さんも、安心して治療が受けられるよう総合診療を行う内科を設置し、サポート体制を強化いたしました。他の病院や医療機関との連携体制も強化して取り組んでいます。また精神腫瘍科、心療内科も設置し、精神面での患者さんの支援体制も整えました。当病院では伝統的に緩和医療にも力を入れていますが、経験豊富なスタッフが心を込めた終末期医療を提供しているほか、検査や治療の初期から患者さんがつらい思いをできるだけされないよう各所で工夫をしています。さらに埼玉県のがん治療を担う存在として、新しい薬剤や治療法の開発につながる治験にも積極的です。埼玉県で中心的な役割を担えるよう努力を重ねています。

スタッフの皆さんが生き生きと働く姿も印象的です。

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当病院には診療科だけではなく検査技術部、ME室、栄養部、薬剤部、リハビリ、病理、事務などたくさんの職域のスタッフがいます。スタッフを取り巻く状況もさまざまで、どんなスタッフも働きやすい環境を整えるべく頑張っています。当病院には当時の看護部長の発案で始まった「認め合い、支え合い、成長する」をテーマにしたMSSという活動があります。これは多職種が参加するグループワークで、できていないことを反省するのではなく、できていることや頑張っていることを言葉や文字で互いに伝え合い認め合うことを主眼にした取り組みです。職員間の相互理解が進み風通しが良くなり職員満足度の向上につながっています。私自身スタッフの雰囲気が格段に良くなったと実感していますし、実際に離職率がかなり下がりました。病院内の良い雰囲気は患者さんへの対応にも表れ、患者さんやご家族の治療に対するモチベーションや満足度にもつながるものと思います。

地域の方々へのメッセージをお願いします。

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患者さんやご家族からのご信頼にお応えするのはもちろんですが、当病院を信じて大切な患者さんを託してくださる近隣の先生方にも御礼を申し上げたいと思います。私たちは一丸となって、ご期待に応えたい、応えなければならないと思っています。診察や治療の場面はもちろんですが、不安を抱えてお越しになった最初の入り口のところから丁寧な対応を心がけています。また当病院では国際対がん連合(UICC)が行うライトアップイベントにも毎年参加。がんサバイバーのイベント・リレーフォーライフにも積極的に参加し、当病院独自の啓発イベント「がんの集い」も毎年開催しSNSなども活用して広く情報をお届けするべく努力しています。がんの基礎研究分野で活躍している併設の臨床腫瘍研究所でもサイエンスサロンやサイエンススクールという形で情報発信をしております。今後もさまざまな形で皆さまのお役に立つべく尽力してまいります。

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影山 幸雄 病院長

東京医科歯科大学医学部卒。大学附属病院などの病院勤務、National Cancer Institute客員研究員、東京医科歯科大学大学院泌尿器科学講座助教授などを経て、2006年埼玉県立がんセンター泌尿器科へ。2022年病院長就任。病院スタッフが生き生きと取り組む姿を見るのが大好き。ストレス解消法は瞑想で、手術など集中力や瞬時の判断力を要する場面でも大いに役立つそう。

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