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医療法人社団 協友会 横浜鶴見リハビリテーション病院

(神奈川県 横浜市鶴見区)

吉田 勝明 院長

最終更新日:2021/08/20

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日常生活動作の回復で自立した生活をめざす

2019年6月、JR鶴見線鶴見小野駅近くに開院した「横浜鶴見リハビリテーション病院」は、横浜市医師会が運営する看護専門学校、民間の高齢者施設なども近接。横浜市鶴見区を中心に医療福祉の充実を図るエリアの一角を占める。同院は、病状の変化が著しい急性期の治療を終えた患者を受け入れ、日常生活への復帰をめざす回復期リハビリテーションを提供。退院した患者が自宅や施設などで自立した生活が送れるよう、リハビリテーションの各専門職を含む多職種連携により、日常生活動作の回復・再獲得に向けたアプローチに力を入れる。さらに吉田勝明院長は、口から食べる、家族と会話するといった患者の楽しみも大切に考える。そのために同院では10数人のST(言語聴覚士)を中心に、摂食嚥下や会話の回復指導の充実も図っているそう。「患者さんと患者さんの家族目線での診療を心がけ、これからじっくりと信頼を培って、患者のご家族や紹介元となる医療機関の方から、常に頼られる病院で在りたい」。そう話す吉田院長に回復期リハビリテーションの取り組みなどについて話を聞いた。(取材日2021年8月6日)

貴院の地域での役割などをお聞かせください。

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当院は神奈川県の医療に広く貢献された新江良一先生を初代院長に迎えて、2019年6月に開院し、2021年4月から私が院長を務めています。診療面では回復期リハビリテーションと療養に特化し、病床もそれぞれ114床ずつ、合計228床を設けました。高齢社会になり、この地域でも病気やケガで療養が必要な方も増えています。このため回復期リハビリテーション病棟では、より多くの方にスムーズに社会復帰していただけるよう、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)といったリハビリテーションの専門職を多く配置しました。さらに医師や看護師、管理栄養士、歯科衛生士、検査技師など、多職種が密接に連携しながら、損傷した機能の回復や日常生活動作の改善・再獲得を支援しています。また、医療療養病棟でも多職種の連携により、長期療養の患者さんに快適にお過ごしいただけるよう、サポート体制を整えています。

リハビリテーションはどのような方針で取り組まれていますか?

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患者さんが退院後になるべく自立した生活を送れるよう、日常生活動作の改善や再獲得も重視している点です。このため、患者さんごとに異なる退院後の生活、実際の生活場面を具体的に想定した訓練も多く取り入れています。加えて、口から食事をし、会話をするといった人生の楽しみを大切に考え、嚥下(飲み込み)と会話の回復指導にも力を入れます。そうしたリハビリテーションの専門家であるSTを10数人そろえ、言語聴覚室も5室備えるなど充実を図りました。回復指導は画像診断などをもとに安全性重視で指導するのはもちろん、食事で栄養や水分が体内に蓄えられているかなどは体組成計で数値化し、リハビリテーションの成果を確認しながら進めるのも特色です。嚥下がうまくいかずに起こる誤嚥性肺炎も、発症後に薬で治療するのでなく、こうしたSTによる回復指導、歯科医師、歯科衛生士による口腔内のケアなどで、予防する時代になったと私は考えています。

設備面での特色を教えてください。

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当院のリハビリテーションは、多職種の連携、リハビリテーションスタッフによる患者さんへの直接的なアプローチといったソフト面と、設備などのハード面の両方が重要と考えています。そうした中でハード面の特色としては、前述した日常生活動作の訓練支援が挙げられます。訓練室に台所など日常動作を行う設備があるほか、病棟の廊下は歩行訓練をしやすい造りとし、日常生活動作の訓練でも重要なトイレを各所に設けて、入院生活全体が機能回復に結びつくよう工夫しています。また、患者さんやスタッフにかかる無理な負担を減らし、転倒リスクを避けて安全にリハビリテーションが行えるよう、免荷式歩行器なども導入。これは早期のリハビリテーションの開始にも有用で、PTを中心に装具療法なども組み合わせて、患者さんの歩行機能の回復を支援しています。これらの成果も検査機器により精密に測定し、結果に応じて新たなプログラムを行っています。

先生の診療に対する思いを伺えますか。

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私は以前は外科が専門で、がんの症例も多く診てきました。当時はご本人にはがんを告知しない考えが主流で、治療を繰り返しても治らないと悩む患者さんとのコミュニケーションに非常に苦慮し、また患者さんやご家族につらい思いをさせることになりました。そうした経験もあって、患者さんとご家族の目線で常に物事を考えることは、決して忘れないようにしています。当院では月曜日に先週入院した患者さん全員の病室を訪ね、「○○という病気で入院されて大変でしたね。ここでリハビリテーションをされる中で、何か困ったことがあれば私に直接ご相談いただいて構いませんから」と話をして、院長も含め病院全体で一人ひとりとしっかり向き合う姿勢であることをお伝えしています。そうした病室で話をするときも、膝をついて目線の高さを合わせることはもちろんです。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

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リハビリテーションが必要な病気やケガをされないこと、それが一番です。しかし、万一必要な状況になっても、適切なリハビリテーションで残りの人生を楽しめるようにすることは十分可能だと考えます。ただ、リハビリテーションでスタッフが支援できるのは3割ほどに過ぎず、残り7割はご本人の力にかかっています。ご自分やご家族の将来のため、努力を続けていただくことが必要です。当院ではリハビリテーションの目標についても、患者さんとスタッフが話し合い、ご本人とご家族に納得していただいた上で進めていきます。その際には、日常生活動作の何をどの程度できるようになるかといった具体的な目標を定め、それを視覚化するなどわかりやすくご提示します。話し合いと目標・成果の明確化でわかりやすいリハビリテーションを行うことも、患者さん一人ひとりを大切にする姿勢の表れ。安心してご利用いただければと思います。

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吉田 勝明 院長

1982年金沢医科大学医学部卒業後、東京医科大学大学院医学研究科入学。国立がんセンター(現・国立がん研究センター)病理部での研修を経て、1988年同大学院修了。医学博士。大学院在学中から東京医科大学病院や地方の病院で経験を積み、1988年上尾中央総合病院救命救急部門および呼吸器科に勤務。1993年横浜相原病院開院と同時に病院長に就任する。2021年より現職。日本精神神経学会精神科専門医。

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