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社会福祉法人恩賜財団済生会支部神奈川県済生会 東神奈川リハビリテーション病院

(神奈川県 横浜市神奈川区)

江端 広樹 病院長

最終更新日:2020/11/25

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リハビリテーションに特化して地域を支える

高齢社会に対応し病院の機能分化が進む中で、急性期治療を終えた後の患者を受け入れ、社会復帰や在宅医療につなげる回復期リハビリテーション医療の重要性が高まっている。そこで済生会グループでは、高度急性期医療を担う横浜市東部病院との連携を視野に隣地の神奈川県病院から回復期リハビリテーション機能を移設して2018年に「済生会東神奈川リハビリテーション病院」を開院した。病院運営を担う江端広樹病院長は、黎明期からリハビリテーション医療に携わってきた、リハビリテーションと義肢装具のエキスパート。充実したリハビリテーション医療の提供に努めるとともに、神奈川県病院での経験も生かし、急性期病院との医療連携や、開業医や介護施設などとのスムーズな地域連携の構築に努め、地域から選ばれる病院をめざしている。また母校の慶應義塾大学との協働による、「スマートリハ」の開発研究にも参画する。横浜市の地域医療を支えるリハビリテーション専門病院として動き始めた同病院について、江端病院長に取材した。
(取材日2019年2月27日)

まず、こちらの病院の成り立ちについてお聞かせください。

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当病院は、前身の横浜逓信病院を譲り受けて、神奈川県病院の回復期リハビリテーション機能を移した、回復期リハビリテーションの専門病院です。横浜市東部病院をはじめ近隣の医療機関と連携しながら、脳卒中(脳血管障害)などの患者さんの社会復帰を支援する役割を担っています。具体的には、急性期病院での治療が終了した患者さんに対し、食事、歩行、排せつなどの日常生活動作を中心に集中的なリハビリテーションを行い、ご自宅や施設に戻られた後もかかりつけ医と連携しながら生活期を支えていきます。公共交通機関からアクセスも良く、周辺にはスーパーなどの店舗も数多くあり、外出訓練、電車やバスの乗り降り、買い物など患者さんの実際の生活を想定したリハビリテーションも可能です。リハビリテーションに関わる専門的な外来診療も行い、さらに大学や企業と協力して先進のリハビリテーションの研究と実践にも積極的に取り組んでいます。

リハビリテーションの特徴や外来診療について教えてください。

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回復期リハビリテーションに特化した専門病院として、専門性の高い医師やスタッフがそろい、充実した設備や医療機器が整備されているのが特徴です。医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護福祉士、退院支援看護師、ソーシャルワーカーなど多職種によるチーム医療で、脳障害や運動麻痺を中心とした後遺症の回復、そして日常生活動作の改善・向上という共通の目的を持ち、365日切れ目のないリハビリテーションプログラムを展開しています。また、外来診療も強化し、リハビリテーションに関連した専門的な診療から、脳卒中や脊髄損傷、脳性麻痺など中枢神経障害による痙縮の治療を行う痙縮の外来、義足や下肢装具の処方や修理・調整を行う装具の外来、慶應義塾大学関連の先進的リハビリテーションを専門とする医師が相談に対応する外来など、リハビリテーションにおける不安や悩みに窓口を設けて地域に貢献しています。

先進的なリハビリテーションにも取り組まれているそうですね。

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当病院では、先進の医療機器や検査機器を導入し、障害や残存する機能の正確な診断・評価を行い、患者さん一人ひとりに対して最適なリハビリテーションメニューを提案していくことに努めています。そして慶應義塾大学や企業との協働によるリハビリテーション医療機器やシステムの研究・開発にも参画し、脳科学の知見にもとづくニューロリハビリテーション、つまり神経リハビリテーションなどへのアプローチも行っています。また先進のリハビリテーション技術と既存のリハビリテーション技術などをスムーズに提供できるような仕組みも導入しており、例えば、ゲーム感覚で取り組める高次脳機能や認知機能のトレーニングなどを行っています。こうした新しい治療機器や診断装置を用い、患者さんのデータを一元的に集約・管理することで、安全性と治療効率の向上など、未来のリハビリテーションの研究に取り組んでいるのも当病院の大きな特徴ですね。

専門病院として地域の中で果たす役割についてお聞かせください。

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入院患者さんの約8割は、横浜市東部病院をはじめ、横浜労災病院や横浜市立市民病院などで治療を受けられた脳血管障害の患者さんで、横浜市東部、川崎市南部の広いエリアから受け入れています。当病院としては、神奈川県病院との連携、急性期病院との医療連携を中心に、慢性期・生活期の医療にかかわる開業医や訪問看護スタッフ、介護施設などとのスムーズな地域連携を重視し、地域から求められる病院をめざしています。また地域の方を対象にした専門的な外来診療に加え、短時間通所リハビリテーション、済生会かながわ訪問看護ステーションと連携しての訪問リハビリテーションも行っています。済生会グループとしての連携や、当病院ならではの多職種によるチーム医療も生かし、地域医療の中で、リハビリテーションに関わる分野の中心的な存在になりたいと考えています。

最後に、地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

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地域医療の中で、リハビリテーション医療の果たす役割の重要性が認められるようになってきました。患者さんの中には、後遺症を抱えながら心理的にもストレスを受けられている方もいます。医師やスタッフの関わりの中で支えながら、今後の道筋を見出すことは簡単ではありませんが、意義のある医療だと考えています。当病院は、神奈川県病院の回復期リハビリテーション部門として10年診療を行ってきましたので、治療内容は充実しています。今後は訓練室だけでなく病棟での生活にもトレーニングを取り入れるなど、より実践的なリハビリテーションの提供や、摂食嚥下障害への対応など外来診療の充実にも注力したいと考えています。地域に選ばれる専門病院として、充実したリハビリテーション医療を提供して患者さんとご家族を支えるとともに、先進のリハビリテーションの研究にも協力し、常に未来を見すえ発展する病院でありたいと願っています。

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江端 広樹 病院長

1985年慶応義塾大学医学部卒業。まだ新しい医療として歩み始めたばかりのリハビリテーション分野に進む。同大学関連病院などで研鑽を積み、2007年神奈川県病院の副院長に就任。回復期リハビリテーション部門の責任者として横浜市東部地域における連携医療に力を注ぐ。2018年「済生会東神奈川リハビリテーション病院」開院時より現職。幼少期から剣道を始め、現在は7段。

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