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地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター

(神奈川県 横浜市旭区)

金森 平和 病院長

最終更新日:2020/11/25

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「治療の先」まで診る集学的治療を提供

神奈川県内におけるがん医療の中心的存在として、専門性の高いがん医療を県民に提供する「神奈川県立がんセンター」。がん治療の三本柱と呼ばれる手術、薬物療法、放射線治療では、先端の手法を取り入れ、がんの特性や患者個人の状態に応じてベストな治療法を模索する。近年は、入院中の若年患者への教育や退院後の就労支援、治療による精巣や卵巣の機能の低下を見据えた妊孕性(にんようせい)温存の周知、外見の変化をケアするアピアランスサポートの実施など、がん経験者が直面する社会的・精神的・身体的課題を乗り越えて生きていくための「サバイバーシップ」の充実にも力を注ぐ。「治ったその先まで診る、真の集学的治療をめざす」と話す金森平和病院長に話を聞いた。(取材日2020年7月21日)

がん治療の拠点として、長く県民の健康に貢献して来られました。

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1963年に神奈川県立成人病センターとしてスタート後、がんおよび循環器疾患や糖尿病などの生活習慣病を主に手がけてきました。現在の「神奈川県立がんセンター」として再編されたのは1986年のことです。その後、地方独立行政法人への運営母体移行を経て、病棟を建て替え・移転。2015年には、重粒子線治療施設「i-ROCK(アイロック)」を開設して治療を開始し、放射線治療の分野がより厚みを増しました。臨床研究所を併設し、主に臨床の現場で患者さんと接する中で発生した問題について、スピード感を持って対応できるのも当院の特徴です。都道府県がん診療連携拠点病院として県民に最善のがん医療を提供するために、がんの診断や治療の精度向上につながる研究を医師と研究者が協働で進めています。さらに県内の地域がん診療連携病院や県指定病院と協力して、どこでも質の高い全人的ながん治療を受けられる環境づくりをめざしていきたいです。

2019年には、がんゲノム医療拠点病院にも指定されましたね。

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がんゲノム医療拠点病院への指定は、近年の最も大きなトピックスですね。現在は、私たちと連携してゲノム医療を推進してくれる医療機関を増やすべく、その選定に力を入れているところです。ゲノム医療は、患者さんの遺伝子を調べ、一人ひとり異なるがんの特性を明らかにすることにより、より個別化された専門的な治療を行うもの。がんの組織から一つ、または複数の遺伝子を調べて薬を選択するがん遺伝子検査は既に標準治療として行われていますが、がんゲノム医療では数百種類におよぶがん関連の遺伝子を一度に調べ、遺伝子異常に対応した治療薬を探していく「がん遺伝子パネル検査」を行うことができます。当院では、保険適応となった2種類のがん遺伝子パネル検査を行い、標準治療が一通り終了した、または標準治療では選択肢がないという患者さんの挑戦を支援しています。

重粒子線治療、および造血細胞移植についてもお聞かせください。

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重粒子線治療は、外科手術、化学療法と並ぶがん治療の3本柱、放射線治療の中の一つです。がん病巣のみを集中的に攻撃でき、難治性のがんにも有用性が期待できること、患者さんの負担が軽く年齢や併存疾患で他の治療が困難な方にも対象になり得ることなどから、患者数は右肩上がりに増加しています。当院の特徴は、病院と重粒子線治療施設が地下でつながる形で一体化していることであり、重症患者さんは入院したまま、複数の治療を組み合わせて行う集学的治療の一部として重粒子線治療を受けられます。造血幹細胞移植は、当院が1985年から取り組んできたものです。医師、看護師など多職種の専門性を結集したチーム医療で、移植前から移植後まで長期にわたってフォローアップしていることが最大の強みですね。2000年からは、臍帯血移植も導入しています。

その他に力を入れておられることはありますか。

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患者さんが治療と暮らしを両立させていく段階、および治療を終えて社会に復帰する段階で直面する社会的・精神的な課題に対して、適切な支援を提供して社会生活を支えていくサバイバーシップに注力しています。若い患者さんが病院内で学習を継続できるようにしたり、仕事と治療の両立をめざす方の相談に社会保険労務士が対応したりする取り組みはその代表例だといえるでしょう。化学療法などに伴う外見の変化に悩む方には、少しでも前向きな気持ちで過ごしていただけるよう、アピアランスサポートセンターの専門のスタッフが個性にあわせたウィッグやメイクなどをご紹介しています。また、若くしてがんを発症した方には、がんの治療前に妊孕性温存に関する説明も行います。外科手術、化学療法、放射線治療、免疫治療といったさまざまながんの治療法に、「治療の先」まで見据えた精神的な支えも含めて、真の集学的治療を提供していきたいと思っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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コロナ禍での病院長就任で、就任からしばらくは感染症対策に追われていました。発熱者の適切なトリアージ、消毒や換気の徹底はもちろんのこと、医療従事者としての自覚に基づく自衛を引き続き呼びかけ、第二波、第三波に備えていくことが重要だと考えています。コロナ禍にも対応できる時代に合った診療の仕方として、ウェブ診療やオンライン相談なども充実させていきたいですね。同時に、そうした間接的なコミュニケーションにおいても患者さんに温もりを感じていただけるよう、コミュニケーションの在り方、おもてなしの気持ちといった部分を見直していく必要性も感じています。これまで培ってきたホスピタリティに磨きをかけつつ、時代に順応した診療をめざしてまいります。

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金森 平和 病院長

1982年弘前大学医学部卒業。白血病の化学療法や造血幹細胞移植に長く携わる。神奈川県立がんセンター企画情報部長、血液内科部長、 輸血医療科部長、副院長を経て、2020年4月より現職。日本内科学会総合内科専門医、日本血液学会血液専門医。

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