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地方独立行政法人加古川市民病院機構 加古川中央市民病院

(兵庫県 加古川市)

平田 健一 院長

最終更新日:2024/09/06

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専門の部門を複数設けて高度専門医療を実践

加古川沿いにある「加古川中央市民病院」は、公立病院と民間病院が2016年に統合し開院した病院だ。東播磨の基幹病院として、地域の診療所や病院などと連携しながら、救急医療をはじめ急性期および高度急性期医療に対応し、地域医療に貢献している。前身である2つの病院で培ってきた診療経験を引き継ぎながら、現在は幅広い診療科と、6つの専門的な部門を中心に、高度かつ総合的な医療の提供に努めている。さらに「学べる病院」でありたいという考えから、医師や看護師、医療技術者の教育を積極的に実施したり、各種カンファレンスやレクチャーの充実化を図ったり、医療人の育成にも力を注ぐ。取材では2024年に院長に就任した平田健一先生へ、同院ならではの診療内容や地域医療における役割について、詳しく話を聞いた。(取材日2024年8月5日)

こちらの病院の歴史と、地域における役割をお聞かせください。

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当院は、1950年に国民健康保険直営宝殿病院、1974年に神戸製鋼所加古川診療所として開設された医療施設が前身です。それぞれ加古川市民病院、神鋼加古川病院として発展してきましたが、医師不足などの点から将来の地域医療提供体制を再構築するために2011年に統合し、地方独立行政法人加古川市民病院機構を設立。そして2016年に、加古川中央市民病院として開院しました。当院の理念である「いのちの誕生から生涯にわたって地域住民の健康を支え、頼られる病院であり続けます」の実現をめざし、幅広い領域をカバーできるように病床を600、高度医療を提供する専門の部門と幅広い診療科を設けて、総合的に診られる体制を整えました。救急医療をはじめ急性期および高度急性期医療を担う病院として、地域医療に貢献しています。また新型コロナウイルス感染症の流行時は、入院患者の受け入れや発熱患者の外来診療などに積極的に対応しました。

注力している診療を教えてください。

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東播磨地域を支える基幹病院として、救急医療と災害医療の充実化に努めています。まず救急医療については、小児・周産期および循環器疾患の患者さんに対して、24時間365日の救急搬送に応じています。救急医療は多様な診療科が協力しながら行っているので、その他にも多様な疾患に対応可能なのが特徴です。さらに加古川市だけではなく北播磨や姫路の東側など、広域からの救急の患者さんも受け入れています。屋上にはヘリポートを設置しているので、ドクターヘリの受け入れや搬送にも対応可能です。一方災害医療については、兵庫県の地域災害拠点病院として災害派遣医療チーム「DMAT」を持っています。2024年に発生した能登半島地震の際は、初めて派遣を実施し、災害医療の一翼として尽力しました。今後も地域の病院や診療所との連携を強化し、地域の皆さまを支えていきたいです。

専門的な部門を複数設ける強みは何でしょうか?

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当院は消化器センターと心臓血管センター、こどもセンター、周産母子センター、がん集学的治療センター、呼吸器センター、6つの部門を設けて高度専門医療の実現につなげています。部門を設ける強みは、診療の枠を超えた連携体制を生かし、患者さんごとに適した治療の提供を図れることでしょう。特にがん集学的治療センターでは医師以外に薬剤師や看護師、臨床検査技師などの多職種が集まり、それぞれの知識・経験・技術を集めて連携しながら治療にあたります。このようにがん診療の充実化に尽力していることから、当院は地域がん診療連携拠点病院に指定されました。また遺伝子診療部も開設し、カウンセリングに基づいた遺伝学的検査を実施しています。さらに緩和ケア病棟では、がん患者さんとご家族に対して、適切な緩和ケアを切れ目なく提供できるような体制の構築に努めています。

医療人の教育にも注力しているそうですね。

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ええ。当院は「優れた医療人の育成」も基本方針に掲げて、教育に力を入れています。2つの病院が統合した時に、「研修医がここで働いて勉強したいと思う病院にしたい」と考え、教育体制の構築と職場環境の整備を実施しました。医師の場合、実践研修やシミュレーション研修を通して、将来の専門性を見据えながら研修を行い、育成しています。また看護師が専門職として自律するために欠かせない継続教育にも注力しています。職員全体に対しても、接遇やコーチングなどの研修を実施し、仕事へのモチベーションを高く維持できるよう取り組んでいます。今教育を受けている人たちが次の時代に向けて成長することで、当院全体の医療サービスの質向上につながり、さらには医療界全体のボトムアップになったら幸いです。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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医療機関は、地域や病院の機能によって役割が異なります。当院の場合、医療安全や確かな技術の担保は当然のこととして、今日本で提供できる医療はしっかりと提供。そして地域の患者さんが他の病院に行かなくても、当院で治療の完結をめざせる病院になれたらと思っています。また患者さんに「ここで診てもらえて良かった」と思っていただくためには、スタッフが「ここで働いて良かった」とやりがいを持って働ける病院にしていくことも大事だと考えます。当院で育ったスタッフが、当院で活躍してくれるのはもちろん別の場所で活躍したり、医療技術の発展に寄与したり、指導の立場になったり、いろんなフィールドで頑張ってもらえたらうれしいですね。今後も皆さまに住み慣れた地域で安心して医療を受けていただけるよう、職員全体で努力してまいります。

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平田 健一 院長

1984年神戸大学医学部卒業後、同大学医学部内科学第一講座に入局。1996年からバンダービルト大学、スタンフォード大学に留学。2007年神戸大学大学院医学系研究科教授、神戸大学医学部附属病院副病院長、2018年からは同病院病院長を務める。2024年4月地方独立行政法人加古川市民病院機構の副理事長、加古川中央市民病院院長に就任。日本循環器学会循環器専門医、医学博士。

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