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社会医療法人愛仁会 尼崎だいもつ病院

(兵庫県 尼崎市)

松森 良信 院長

最終更新日:2020/11/09

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高度急性期病院の後方支援病院として開設

「尼崎だいもつ病院」は、高度急性期医療を提供する医療機関の後方支援病院として、2016年4月、旧県立尼崎病院跡地に開院。回復期を担う同院敷地内に介護老人保健施設やサービスつき高齢者向け住宅を併設するほか、訪問診療・看護サービスの提供など地域住民が安心して暮らすための環境を整えている。さらに近隣の高度急性期病院との円滑な連携を実現し、患者のもとに赴いての丁寧な説明で転院をサポート。神経難病の患者を受け入れる障害者病棟を有すのも強みだ。消化器内科を専門とする松森良信院長のもと、嚥下造影検査に力を入れ、嚥下機能障害を把握することで患者の食べる意欲をサポートする同院。医療機関との連携や嚥下造影検査、心臓リハビリテーションについてなど話を聞いた。(取材日2020年10月16日)

開院までの経緯を教えてください。

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兵庫県には県立病院がたくさんあり、合理化を進めるべく尼崎にあった県立尼崎病院と県立塚口病院が統合し、2015年7月、高度急性期医療を提供する兵庫県立尼崎総合医療センターが誕生しました。しかし現在の高度急性期は在院日数が9日を切るといった状態で、その後の十分な治療を提供する後方支援病院が必要です。そこで全国公募が行われた際に、当院の運営母体である愛仁会が手を挙げたというのが開設の経緯です。当会は回復期病院とともに介護老人保健施設やサービスつき高齢者向け住宅も同一敷地内につくる、地域包括ケア対応施設を含めたプロジェクトを立ち上げ、選定いただきました。2016年4月、旧県立尼崎病院跡地に開院、そしてその1年後、同敷地内に介護老人保健施設、サービスつき高齢者向け住宅がオープンしました。

各医療機関同士の連携が円滑に進んでいると伺いました。

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高度急性期・急性期・回復期・慢性期など、それぞれの地域の医療需要に即した病院と病床数のバランスが重要です。当エリアでは尼崎総合医療センター設立後、数年かけてそのバランスが徐々に整い、「地域医療構想」が良い形で実現できていると考えています。このような環境が用意された上で、患者さんにとって重要なのが各機関の連携。高度急性期病院での治療を終えた後はリハビリテーションがとても大切です。われわれは同センターに出向き、患者さんとそのご家族にどのようなリハビリができるかなどを丁寧に説明し、ご納得いただいた上でお越しいただいています。さらにリハビリ入院中に症状が悪化するようなことがあれば、すぐに転院を手配できる体制が整っていますので、転院というよりは「同じ病院」に入院しているような安心感も得られると思います。またご自宅に戻られた際には、訪問診療・看護、在宅介護サービスもご提供しています。

注力しているという嚥下造影検査とはどのようなものですか。

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私自身がリハビリテーション科専門医であると同時に消化器内科医師でもあることから、エックス線を利用して飲み込む機能などを診断することができる嚥下造影検査には特に力を入れています。ソフト食や刻み食、ミキサー食、ゼリー食など形を変えながら患者さんにとって食べやすく誤嚥のリスクの低い食物形状を確認するほか、座位はもちろんベッドをリクライニングした状態などその患者さんが食事をするときの姿勢で嚥下機能を診断します。健康な人であればスルッと飲み込めるものでも、嚥下機能に問題があると食べ物が喉につかえる、飲み込んだつもりでもお口の中に物が残っている、誤嚥していてもむせないため嚥下機能障害に気づいていないなど、さまざまなケースを嚥下造影検査で明らかにしていくことができます。口腔内嚥下障害の程度をしっかりと把握することで、より安全性を高めつつ患者さんの「食べたい」という気持ちに応えていきたいですね。

貴院のリハビリテーションの特長を教えてください。

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回復期病院では珍しいともいわれる心臓リハビリテーションを提供しているところです。今後さらなる高齢化とともに心不全患者が増加する「心不全パンデミック」が起こると予測されていますが、心不全になると回復と悪化を繰り返しながら徐々に病状は深刻化するなど、薬物治療だけでは限界があるのです。そこで有用なのが、心臓リハビリテーションだといわれています。これからの需要増も見据え、国立循環器病研究センターで心臓リハビリテーションを専門としてきた医師を招いてスタートしました。医師・スタッフの見守りのもと、心電図を確認しながらエアロバイクをこいでいただいたり、ご自宅で行う運動についての指導もさせていただきます。回復期病院のキーポイントは良質で十分なリハビリです。当院には100人を超えるリハビリスタッフが在籍し、患者さんをサポートしています。

今後の展望と地域住民の方々にメッセージをお願いします。

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当院のスタッフは、まだまだ伸びしろのある若い人材ばかりです。今後はスタッフのスキルアップをサポートし全体的なレベルアップを図りながら、これまで以上に良い治療やケアを提供していきたいと考えています。またリハビリに関しては、歩行アシスト用ロボットや磁気刺激療法など、新しい機器や治療法を導入していきたいという思いもあります。尼崎は医療面で充実し、住みやすい街として変わりつつあります。回復期病院である当院は、高度急性期病院との極めて円滑な連携が実現していると自負しており、地域の方々が安心して暮らせるような環境をご提供しています。現在のご自身に必要な医療は何かを考えて、上手に利用していただければうれしいですね。

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松森 良信 院長

兵庫医科大学医学部卒業。社会医療法人愛仁会の高槻病院副院長・リハビリテーション病院部長を経て、2016年より現職。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医。消化器内科医師として、嚥下造影検査や口腔リハビリの提供により、患者の「食べたい」をサポートし続けている。

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