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医療法人社団心和会 成田リハビリテーション病院

(千葉県 成田市)

小林 士郎 院長

最終更新日:2020/11/25

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風光明媚な自然の中で医療を提供

成田空港にほど近い緑豊かな環境の中に立つ「医療法人社団心和会成田リハビリテーション病院」。回復期リハビリテーション病院は「森の病院」と呼ばれ、地域住民を中心に千葉県内の広い範囲から患者が訪れる。風光明媚な自然を生かした施設内には、木枠の特注ベッドをしつらえ機能性と居心地にこだわった病床、ベテランから若手までバランスの取れたセラピストがユニットで取り組む充実したリハビリテーション、先進の機器の導入など、回復期の病院が担う「日常生活への復帰」を目的とした100床を有するリハビリテーション専門の病院だ。2017年7月の開院当初から同院をけん引するのは、脳神経外科を専門に40年以上の医師経験を持つ小林士郎院長。日本脳卒中協会の千葉県支部長として「脳卒中・循環器病対策基本法」制定にも尽力するなどマルチな活動の中、患者の社会復帰をサポートするさまざまな病院機能の拡充に取り組む小林院長。同院の機能と地域における役割、今後の展望を中心に話を聞いた。(取材日2018年12月19日/更新日2020年3月17日)

自然環境、独創的な建物など多くの特徴を持つ病院ですね。

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当院は2017年7月に開院した回復期専門の病院です。入院患者さんは、急性期で治療を行った脳卒中の患者さんが6割、整形外科的な大腿骨頸部骨折や膝関節の置換治療後の方が3割、廃用症候群や体力と筋力が落ちた方が1割で、患者さんたちは自然と調和した環境の中でリハビリテーションに取り組んでいます。東京大学工学部建築学科の教授でもある建築家の方が設計した建物は、秋田杉をふんだんに使い、デザイン的にも機能的にも素晴らしいものです。リハビリテーション室からは広々とした緑豊かな中庭が望め、中庭を使った歩行訓練や家庭菜園なども行っています。ここは成田空港の傍なので騒音があるのですが、2重サッシで完全防音になっています。空気が循環されるドーム球場と同じ完全空調を備えているので、空気がすごくすがすがしいですね。夏は涼しく、冬は暖かいので、ずっと病院内にいたくなります(笑)。

リハビリテーションについてはいかがでしょう。

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心和会の母体となる新八千代病院には、295床のリハビリテーション病棟があり、リハビリテーションの専門施設として歴史があります。そこで培われたノウハウを生かし、ベテラン、中堅、若手の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるセラピストチーム8~9人を編成。開院当初から最善のリハビリテーションを提供することができたと思います。現在、当院には5人の言語聴覚士が在籍しており、彼らと常勤の歯科衛生士、看護師が中心となって、摂食嚥下リハビリテーションに力を入れています。東京医科歯科大学の歯学部で嚥下障害を専門で診ている先生が機能を評価し、「食」形態を判断します。ですから、当院では誤嚥性肺炎の方が少ないですね。加えて、一般歯科も週1回実施しており、入院中に虫歯や入れ歯の治療もできます。食事面は、管理栄養士とドクター、看護師が手厚いサポートを行っています。手前味噌になりますが、食事は本当においしいですよ。

先進の治療法の積極的な導入もこちらの特徴ですね。

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先進の機器の導入は、当院の柱の一つです。例えば、早期に歩行ができるように、リハビリテーション室には、天井から体を吊り下げて支え、体重を軽くして歩行を補助する十数メートルの装置が2基もあります。また、オーダーメイドできる下肢装具、機能回復や麻痺改善を瞬時に計測できるようなテクノロジーもひとつです。脳卒中や頭部外傷の患者のなかには、言語・思考・記憶などに問題が出て、日常生活や社会生活に支障をきたす高次脳機能障害を有する方が、少なからず居られます。負われた障害をしっかりと適切に評価し、生活に制約を受けながらも、社会生活や就労に向かう橋渡しまで、担うことができればと考えております。さらに、最近、注目されているロボットを使ったロボテクノロジーの導入を考え、発達度合いを見定めながら詳細を決めていきたいと思います。

先生のご専門は脳神経外科と伺っています。

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脳神経外科を専門に40年以上急性期医療に携わってきました。当法人の心和会は英語でハーモニックハーツといい、ハートが協和するという意味を体現している温かい法人です。患者さんはもちろんですが、職員も大切にする考え方に共感し転身を決意しました。脳神経外科の専門医としてお役に立つことがたくさんあります。脳には難しい病気があり、先天性の脳の萎縮で麻痺やけいれんが起こる患者さんの受け入れは拒否されることも多いのですが、当院では数多くの患者さんを受け入れています。それも私の大事な仕事だと思います。以前は、手術で患者さんの命を救う役割でしたが、今度はリハビリをして患者さんを社会へお返しするという役割を担っています。在宅復帰から患者さんの新しい生活が始まるわけですからとても大切ですし、そこにやりがいを見つけ日々勉強させていただいています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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自然環境に恵まれた「森の病院」として、全職員が協力し合って立ち上げた施設です。今後はこちらから地域に出向き訪問リハビリを提供していきたいと考えています。また、現在はリハビリテーションが必要な方が当院に来ていただく通院リハビリや訪問リハビリのサポートが十分にはできていません。この地域は、通院や訪問リハビリの施設が少ないこともありますので、これからは拡充していきたいですね。また、2019年4月より地域リハビリテーション広域支援センターの指定を受けました。印旛地域のリハビリテーションにおける旗振り役としてより一層地域と密に連携を取っていきたいと思います。不幸にもリハビリテーションが必要になってしまった方が周囲におられたら、遠慮なく相談していただきたいと思います。県内にとどまらず、首都圏の方からも選ばれるリハビリテーション病院をめざして、患者さんの心身の回復に取り組んでいきたいと思います。

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小林 士郎 院長

1977年日本医科大学卒業。1982年同大学大学院修了後、同大学救命救急センター脳神経外科主任を務める。ミズーリ大学、カリフォルニア大学留学後、同大学脳神経外科医局長に就任。1994年より日本医科大学付属千葉北総病院脳神経外科部長。同病院脳卒中治療室長、教授、副院長、院長補佐を経て2017年より現職。医学博士、日本医科大学特任教授、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、日本救急医学会救急科専門医。

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