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社会医療法人社団健生会 健生会ふれあい相互病院

(東京都 立川市)

田村 英俊 病院長

最終更新日:2020/11/25

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法人内で機能を分担し幅広いニーズに対応を

東京・多摩地区にある都市・立川市。駅周辺に大型商業施設が林立する一方で、駅北側には国営昭和記念公園を有しており、都会の便利さと緑豊かな自然が両立するエリアだ。この街に2016年にオープンした「健生会ふれあい相互病院」は、「患者・ご家族とともに安心・信頼・平等の医療」を基本理念に掲げ、急性期治療を終えた患者の在宅復帰を支援。回復期リハビリテーション病床と地域包括ケア病床を併せ持ち、専門的なリハビリテーションを提供するとともに、在宅療養支援病院として訪問診療にも注力している。「地域の皆さまが住み慣れた場所で自分らしい生活を長く続けられるよう、地域包括ケアの拠点となる病院をめざしています」と語る田村英俊院長に、同院の成り立ちや診療の特徴を聞いた。(取材日 2017年12月21日)

まずは、設立の経緯をお教えください。

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当院は、三多摩エリアで60年以上医療を提供してきた社会医療法人健生会のグループ病院です。同じ法人の「立川相互病院」が立川駅北口に移転し、その建物を引き継ぐ形で2016年12月に診療をスタートしました。立川相互病院は急性期医療に特化、当院は回復期と慢性期、在宅診療と機能を分担し、連携して診療することで多様化する地域の医療ニーズに幅広く対応しています。院内には立川相互病院から継承した回復期リハビリテーション病床に加えて、2017年8月より地域包括ケア病床を新たに開設しました。急性期医療を終えたものの退院に不安を感じる患者さまに対し、診療、看護、リハビリを提供して在宅復帰を後押ししています。以前の回復期リハビリテ―ション病棟はグループ病院からの紹介患者さまが多かったのですが、当院へ移転後は5割以上が他施設からの紹介患者さまとなり、地域医療の中で大いに利用していただける病院になったと思っています。

在宅医療にも力を入れておられると伺いました。

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もともと在宅診療は同じ法人の「立川相互ふれあいクリニック」で行っていましたが、2017年4月に当院に移転しました。ここ1年で往診患者さまが50名ほど増え、現在は350名の方の自宅療養を支援しています。当院は在宅療養支援病院の認定を受けており、2週間に1度の訪問診療のほか、緊急時の医師の往診や、訪問看護ステーションとの連携により24時間訪問看護が可能です。また、病状が悪化した場合は緊急入院を受け入れるなど、安心して自宅療養ができるような体制を整えています。私も院長就任前に同じ法人が運営する診療所で所長を務めた際、訪問診療を経験しました。患者さまの生活背景を把握できるのが訪問診療のメリットですね。「こういう生活ならこれができるようになったほうがいいだろう」とイメージできるので診療しやすかったです。また、入院していた患者さまが日常生活に戻った姿を見ることができ、医師としての充足感もありました。

外来診療についてもお聞かせください。

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外来では透析治療を行っています。30床の透析ベッドはすべて、従来の血液透析よりも毒素の除去効率が良いとされている、オンラインHDFに対応しています。入院患者さま用の透析ベッドも6床用意していますので、回復期リハビリテーション病棟に入院しながらの透析治療も可能です。他に院内には精神科と泌尿器科の外来診療科があり、内科や整形外科、皮膚科などは「立川相互ふれあいクリニック」で診療しています。同クリニックとは共通の電子カルテでつながっているので、必要に応じて患者さまの情報を共有してコンサルテーションを受けるなど、連携して診療を行っています。同クリニックは道を挟んだ向かい側に立地していますので、連携しやすい環境が整っていると思います。

地域連携を推進するため、取り組んでいることはありますか。

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当院の地域連携室にはケースワーカーが在籍しており、入院患者さまがスムーズに在宅復帰できるよう、ケアマネジャーの選定や介護保険の申請などの退院支援を行っています。また法人内だけでなく、地域にある他の医療機関との連携も強化していきたいと考えており、地域連携室のスタッフが近隣の病院に出向いて情報交換するなど、顔の見える関係づくり進めています。さらに、在宅医療部門の責任者である藤井副院長が、立川市で在宅医療にかかわる医療、介護従事者を対象とした「立川圏域の在宅療養を考える多職種協働の会」を主宰しており、3ヵ月に1度のペースで勉強会を行っています。病院やクリニックのほか、訪問看護ステーション、介護事業所、薬局から、医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャー、ヘルパーなど幅広い職種の方が参加されていて、地域の在宅医療、在宅介護のレベルアップにつながるのではないかと期待しています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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地域包括ケアの機能を拡充すべく、2018年春、院内に訪問看護ステーションと居宅介護事業所を開設する予定です。ここ立川市は多摩地区を代表する都市ですが、高齢化が進み、さらに医療従事者の数が東京都区部に比して少ないので、将来的には医師一人が診なければいけない患者数の増加が予想されます。この状況を乗り切るには、医療資源を有効活用するシステムの構築が必要です。以前、私が長く診ていた独居の高齢患者さまが、ご自宅で突然死されました。長く心疾患を患っていたのですが、入院は嫌だとのことで訪問診療を利用していました。結果的には孤独死でしたが、最後までご自宅で生活することができて満足されていたのではないかと思います。このような患者さまを入院させたままにする医療ではなく、住み慣れた場所でその人らしい生活を送り、人生を終えられるようサポートする、そんな地域包括ケアの一大拠点をめざしていきたいですね。

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田村 英俊 病院長

1986年、慶應義塾大学医学部卒。「地域医療に貢献したい」との思いから、大学卒業後は大学を離れ、社会医療法人社団健生会 立川相互病院に入職。循環器内科の医師として臨床に当たる。1999年、同院の副院長に就任。昭島相互診療所長を経て、2016年から現職。日本循環器学会循環器専門医、日本内科学会総合内科専門医。血管カテーテル治療を得意とする。

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