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医療法人社団輝生会 成城リハビリテーション病院

(東京都 世田谷区)

水間 正澄 理事長

最終更新日:2024/04/01

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年齢・病期を超えた包括的な支援をめざす

障害のある人が住み慣れた場所で生き生きと暮らし続けることができるよう、総合的なリハビリテーション医療を提供する「成城リハビリテーション病院」。訪問・外来・入院、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、ケアプランサービス、訪問看護ステーションの各部門で構成される「在宅ケアセンター成城」の一角を成し、入院施設26床を有する病院だ。昭和大学医学部リハビリテーション医学講座の初代主任教授であり、国内のリハビリテーション医療をけん引してきた水間理事長のもと、「リハビリテーションを必要とする人」全体に向けた包括的な支援をめざす。理想とするリハビリテーション医療について、また同院の役割について、水間理事長に話を聞いた。(取材日2020年7月17日/情報更新日2024年4月1日)

まずは、貴院の位置づけについて教えてください。

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当院は、医療法人社団輝生会に属する病院で、訪問診療・外来診療・入院診療、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、ケアプランサービス、訪問看護ステーションから成る在宅総合ケアセンター成城の一翼を担っています。サービス全体の核となるのが、子どもから大人まで、「必要とするすべての人」を対象としたリハビリテーション医療ですね。「ケア」という言葉は便利ですが、「お世話をする」というイメージから高齢者を連想する方が多く、ともすれば私たちのサービスの実態を見えにくくしているかもしれません。実際には、障害のある方全員が再び生き生きとした人生を送ることができるよう、あらゆる年代のすべての病気に対して専門性の高いリハビリテーション医療を提供することが私たちの役割です。今後は、脳卒中、脊髄損傷などの回復期の患者さんに加えて、子どもへのリハビリテーション医療にもさらに注力していくつもりです。

より包括的なリハビリテーション医療をめざすということですね。

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リハビリテーション医療は、障害によって損なわれた暮らしを再構築し、障害とともに生きようとする人の自立を支えるためのもの。「リハケア」という名を冠し、これだけの人員と設備を備えた病院ですから、もっと広く総合的にリハビリテーション医療を提供していくべきだと考えます。その一例が、生まれつき知的障害があったり、脳性まひがあったりする子どもたちに対するリハビリテーション医療ですね。私は大学で障害のある子どもたちをたくさん診てきましたが、彼らの多くは、学校で社会性を身につけたり、変形を進ませないようにしたりするトレーニングをしています。ところが、一定の年齢で卒業すると、そうした場を失ってしまうんです。彼らにトレーニングの場を提供し、二次障害を防いで、できれば社会へ送り出す。それも、私たちだからこそできる重要な役割だと思っています。

患者さんと接する際、どのような点に注意されていますか。

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病気やケガなどで障害を負ったり、生まれたときから障害があったりすると、患者さん自身もご家族も「できないこと」「できなくなったこと」に注目して諦めが先行してしまいがちです。大切なのは、「できること」に目を向けて、目標を設定してあげること。首から下がまひしていても、口を使えば絵や字が書けるということに気づいてもらい、トレーニング環境を整えてあげれば、できるようになりたいという前向きな気持ちを呼び覚ますことができます。お年寄りも同じで、できることを知ってリハビリテーション医療の先にあるものが見えてくると、意欲がまったく違うんですよ。私たちの最終目標は、単なる機能の回復・改善にとどまらず、取り戻した機能を使って社会に参加し、人としての活動を最大限果たせるようサポートすること。その前提に立って、提供できる多彩な選択肢の中から、適したリハビリテーション医療を提案するようにしています。

現場の環境づくりで意識している点についても教えてください。

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当院のスタッフは、輝生会全体の育成システムで回復期リハビリテーション、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションといった一通りのセクションを経験した後に配属されています。「人間の尊厳の保持」「主体性・自己決定権の尊重」「地域リハビリテーションの推進」「ノーマライゼーションの実現」「情報の開示」という法人の理念をよく理解し、共感して現場に出てきているので、最初から同じ目線で患者さんのことを考えられるのが強みですね。職場では、立場に関わらず「さん」づけで呼び合う風土も、職種を超えた協働につながっていると感じます。カンファレンスも頻繁に行っているので、気心が知れた仲間と仕事をしている感覚があって非常にやりやすいんですよ。最終的に決定し、責任を負うのは医師の役割であるという点を明確にして、あらゆる職種の人が闊達に意見を言える環境づくりを心がけています。

最後に、今後の展望についてお聞かせいただけますか。

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高齢者に限らず、障害があるすべての人が特別視されることなく健常者とともに暮らすノーマライゼーション社会を実現するには、生活上の困難を抱える方に対する包括的な支援の在り方を地域全体で考えていく必要があります。これまでも、菅平へのクロスカントリーツアーやお祭りなど、ボランティア活動として高齢者や障害者に直接的なアプローチをしてきましたが、そこから一歩進んで、エリアへのアプローチを意識するフェーズに入ったといえるでしょう。当院には、地域包括ケア病棟、外来診療、在宅医療、訪問看護、外来リハビリテーション、通所・訪問リハビリテーション、居宅介護支援事業、地域連携室など、地域包括ケアに必要な多くの要素がそろっています。充実した設備と人材を最大限活用して、地域リハビリテーションを推進していきたいですね。

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水間 正澄 理事長

1977年昭和大学医学部卒業。同大学医学部リハビリテーション医学講座初代主任教授となり、国内におけるリハビリテーション医療の発展に寄与した。その後、医療法人社団輝生会へ。日本リハビリテーション医学会監事。

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