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清川病院

(東京都 杉並区)

安田 清美 院長

最終更新日:2020/11/25

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地域住民の健康を思い進化を続けた七十余年

高円寺駅南口から馬橋通りを歩いて約8分の場所にある「清川病院」。1946年に開院し、1994年には施設内に肝臓病研究センターを設立、2008年には春日居サイバーリハ病院グループの一員としてリハビリテーション医学への取り組みを始めるなど、時代の流れや地域の医療ニーズに合わせて体制を強化し続けてきた。特に肝臓疾患の治療は、インターフェロン治療を早くから導入していた飯野四郎前院長の代から、安田清美院長がトップを務める現在まで、同院の主力分野といえる。同時に、内科単科ながら東京都の二次救急医療機関であるなど、地域密着型の一般急性期病院としても地域に貢献。そんな同院の変遷や特徴、「マニュアルより目の前の患者さんを大切にする」という診療方針など、安田院長に語ってもらった。(取材日2014年11月13日、情報更新日2019年11月22日)

清川病院の歴史や特徴について教えてください。

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結核治療専門の病院として1946年に開院しました。当時、結核は国民病と呼ばれるほど多くの患者さんがいました。しかし21世紀に入ると、肝臓病が国民病といわれるようになったのです。そこで肝臓病の治療に注力したのが、飯野四郎前院長です。飯野先生は肝臓病研究で数多くの実績を残された方です。早い時期にB型肝炎に対するインターフェロン治療を実現しました。1994年からは肝臓病研究センターを併設し、現在は日本肝臓学会肝臓専門医が常勤3人、非常勤4人という充実した体制を敷いています。一般的な外来に加え、金曜10~11時、1人約20分間の予約枠を設けて、肝臓病の治療やそれ以外の悩みを持つ患者さん、ご家族のご相談に応じています。当院は111病床を有する地域密着型の一般急性期病院でもあり、内科単科ではありますが東京都二次救急医療機関ともなっています。

主にどういった患者さんが来られますか?

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内科の一般急性期病院としては、杉並区内や中野区など近隣にお住まいの方がほとんどです。B型肝炎、C型肝炎をはじめとした肝炎の専門治療、健康診査などで肝機能異常を指摘された方の検査・診断など、肝臓疾患については東北や九州から通われる方もいます。近年はウイルス性肝炎の治療や検査が大きく変化しつつあります。C型肝炎はプロテアーゼ阻害薬という新しい薬剤、B型肝炎にはインターフェロン治療など、選択肢が広がってきました。当院のもう一つの特色は、回復期リハビリテーション病棟があることです。2010年に回復期リハ病棟を開設し、現在のベッド数は一般病床51床、回復期リハビリテーション60床。主に他の病院からの依頼で入院リハビリに対応しています。今後はますます地域医療と介護の橋渡し的な役割を担える病院をめざしていきます。

肝臓病をテーマにした公開講座も開催されているそうですね。

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肝臓病に関する情報提供に力を入れていた前院長の意志を継ぎ、2010年から年に1度、市民公開講座を行っています。過去には「肝炎今昔物語~C型肝炎治療の変遷と今後の展望~」をテーマに取り上げ、私も講師として参加しました。肝臓に関する基本的な知識から、C型肝炎の治療の変遷と今後の展望、近年注目されている生活習慣病との関係をわかりやすく解説させていただきました。当院では2014年9月から、インターフェロンを使わない内服薬のみによるC型肝炎の新しい治療も行っており、第2部では当院の肝臓を専門とする医師がその現状を含めてご紹介しました。今後も肝臓治療に関する新しい情報をわかりやすく皆さんにお伝えする機会を、定期的に設けていきたいと考えています。

先生ご自身が診療において大切にしていることを教えてください。

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患者さんの性格やキャラクター、状態をできるだけ早めにつかむことです。そのためには患者さんと同じ目線で、時にはあえてフランクな口調を意識しながら、患者さんが何でも話せるように、またこちらの話を聞いていただけるよう工夫しています。初診の方には趣味の話などの雑談なども交えながら、性格や物事の考え方、インテリジェンスなどを把握した上で治療に入るように心がけています。そのほうが患者さんにとっても、私自身にとっても、病院にとってもスムーズに治療ができるように思います。これは私だけでなく、看護師をはじめスタッフも気を配ってくれています。医師が患者さんとある程度時間をかけて話ができたり、スタッフが一人ひとりの患者さんのお顔をしっかり把握して、治療・処置にあたることができるのは、中小規模病院ならではのメリットだと思います。

最後にメッセージをお願いします。

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当院では患者さんご本人とご家族が心から納得できる治療法のご提案を心がけています。それも画一的な方法ではなく、個々の患者さんに合った治療法です。先端の治療は選択肢の一つとしてありますが、患者さんのご年齢や体への負担、生活状況を考えたとき、違う選択をすることもあるのです。実際に治療が始まったら、患者サイドに立ってきめ細かにケアすることも大切にしています。生活習慣からくる肝臓病の場合、「お酒や食事を控えてください」と言っても、そう簡単ではありません。「これくらいならお酒を飲んでもいいですよ」「毎日体重計に乗ることを心がけましょう」といった、一人ひとりに合ったアドバイスが大切です。肝疾患は専門家が個々の患者さんの状態をよく見極め、柔軟に対応することを診療の根幹としています。当院は決して敷居が高い病院ではありません。どんな些細なことでも困ったことがあればご相談ください。

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安田 清美 院長

山口県出身。1982年防衛医科大学校卒業後、研修医を経て、九州にある関連病院や防衛医科大学校病院で臨床に携わる。同時に非常勤で勤めていた清川病院に1990年入職。診療の傍ら、東京大学医学部第一内科、聖マリアンナ医科大学などで肝臓病治療の臨床研究を続けるなど、専門とする肝臓病治療の発展に寄与する。2008年より現職。日本内科学会総合内科専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会消化器病専門医。

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