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医療法人社団心癒会 しのだの森ホスピタル

(千葉県 八千代市)

信田 広晶 院長

最終更新日:2021/03/30

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自然治癒力と自尊感情の回復をめざして

東葉高速線の八千代緑が丘駅・京成本線の勝田台駅からシャトルバスで15~20分ほど。緑に囲まれた八千代市郊外にある「医療法人社団心癒会 しのだの森ホスピタル」。ここはうつ病や適応障害、発達障害などに対応する精神科を専門にしている病院だ。院長としてさまざまな患者と向き合っているのが信田広晶先生。信田院長は、文系の大学に在籍していた時代にジャーナリストをめざして世界各地を放浪している間に、自然治癒力を高めることの重要性に気づき医療の道へ。同院では、患者一人ひとりの自然治癒力や自尊感情の回復をめざして、さまざまな視点を取り入れた診療を行っている。信田院長に病院の特徴や心の医療について話を聞いた。(取材日2021年3月15日)

病院の成り立ちと理念について教えてください。

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当院は1969年に私の父が精神科の病院として開設したのが始まりです。1999年に父が他界し、その後、私が引き継ぎ、2006年に病院名を今の名前に変更しました。私はもともと文系の大学で心理学を学んでいて、ジャーナリストになりたいと思っていました。見聞を広めるために世界各地を放浪しましたが、その時、さまざまなセラピーに出合い、自然治癒力の重要性に気づいたのです。それがきっかけで医療の道に進みました。先進的医療や高度な手術も大切ですが、やはり心の病は、一人ひとりの自然治癒力が高まるよう手助けすることが大切だと考えています。そうした考えを背景に、「癒しとおもてなし」を当院の基本理念としています。うつ病や心の病気は自尊感情が低下してしまった状態とも言えると考えます。自尊感情を回復して、その人が本来持っている自然治癒力を最大限発揮できるよう手を差し伸べることが当院の役割だと思っています。

具体的にどのような医療をめざしているのでしょうか。

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体と心だけでなくスピリットも含めてその人を包括的に診て調和を図っていくことをめざします。私が考えるスピリットというのは、その人本来の在り方、その人の本質といいますか、自分らしさや自分の尊厳が回復した状態といってもいいかもしれません。さまざまなアプローチを行い、その人にもともと備わっている自然治癒力を高めて心身のリラックスを最大限引き出せるように努めます。カウンセリングや集団認知療法などの心理療法、作業療法などさまざまな療法やプログラムがあり、その中から患者さん一人ひとりの特性に最も適すると思われるものを選択、組み合わせて行っています。当院では薬物療法はできるだけ控えるようにしています。ただ、症状によっては薬物療法が適している場合もありますので、その時は投与量や作用など適切に評価しています。

外来と病棟の特徴について教えてください。

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外来では地域医療として精神科・心療内科の診療や急性期患者の受け入れを行っています。うつ病患者向けのデイケアを実施しているのが一つの特徴で、さまざまな心理療法によって自尊感情の回復をめざしています。病棟ではストレスケア専門の病棟があり、シンボル的な存在です。ストレス専用病棟にコンシェルジュを配置しているのも一つの特徴です。患者さんはいろいろと不安でしょうし、医師や看護師には相談できないことも多いと思います。コンシェルジュは患者さんと医療側のつなぐ架け橋として、患者さんが安心して過ごせるようきめ細かにサポートしています。コンシェルジュを配置している病院は珍しいのではないでしょうか。病棟は急性期病棟や社会復帰をめざすための病棟なども設置しています。他に社会復帰を目的としたデイケアや患者の家族をケアするための家族教室の開催なども行っています。

リワークプログラムにも力を入れているそうですが。

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今はIT化により情報量やスピード感が増して対応できないことを引き金にうつ病になる就労者も増えています。SNSや通信アプリでのやりとりなど、目と目を合わせてのコミュニケーションも減っています。もともと発達障害の傾向があった人の特性が顕著になって社会生活が難しくなり休職するというケースも増えています。休職した後、なかなか復職がうまくいかない人たちに向け、リワークプログラムを行っており、さまざまな活動を通じて体力・体調の回復だけでなく、コミュニケーション能力の向上、ストレスへの対処、仕事へのモチベーション向上などをめざしています。最近は、新型コロナウイルス感染症の流行によってリモートワークが進み、他者とのコミュニケーションが激減している人も多いでしょう。自殺者の増加は人と人との絆が希薄になることと深く関連していると思います。人と人との絆やダイレクトなコミュニケーションを大切にしてほしいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

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これからも患者さん一人ひとりの心の状態に適した治療を取り入れながら自然治癒力の回復をめざしていきたいですね。それぞれ医療に求めているものは異なりますから、その人の人生に寄り添いながら、最良の治療法やプログラムを提供できるよう努めていきます。病気と向き合うことは自分と向き合うこと。そこから再度自己実現を図るチャンスを得たり、治療と向き合っていく中でより良い自分、より健康な自分をつくっていくことができると思います。以前と比べると最近では精神科や心療内科のハードルは下がってきているようで、症状が軽いうちに相談に来られる方が増えています。少し生きづらいと感じている方、ちょっと心が弱ったなと感じている方はどうぞご相談にいらしてください。

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信田 広晶 院長

1986年青山学院大学文学部教育学科心理学専修コース卒業。1994年東邦大学医学部卒業後、東京女子医科大学精神神経科入局。1996年武蔵野赤十字病院心療内科入職。2000年、しのだの森ホスピタル前身の医療法人信田病院理事長・院長就任。2006年に院名を現名称に変更、現在に至る。日本精神神経学会精神科専門医。著書に「うつ・心の病気 本気で治したいあなたに贈る本」がある。

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