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独立行政法人地域医療機能推進機構 東京新宿メディカルセンター

(東京都 新宿区)

関根 信夫 病院長

最終更新日:2024/10/02

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専門的な診療科の連携で質の高い医療を追求

「地域が創る病院、病院が創る地域」。「東京新宿メディカルセンター」の新たな理念は、関根信夫病院長が追求する医療の在り方を端的に示したものだ。認知症や糖尿病など、地域ニーズが高い領域に質の高い医療で応える体制をつくるとともに、啓発活動などを通して積極的に地域に出ていく姿勢を表している。「地域の安全・安心を守るという病院の役割は、警察や消防と同じ。ならば、私たちも患者さんが紹介されてくるのを待つだけでは不十分でしょう」と関根病院長。患者が紹介されてくるのを待つ従来の病院の在り方から1歩進んで、真に地域に根差した病院づくりに取り組む関根病院長に、同院の取り組みについて聞いた。(取材日2024年8月30日)

まずは、病院の成り立ちをお聞かせください。

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もともとは、1952年の開設以来「東京厚生年金病院」として広く親しまれてきた病院です。2014年に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が運営する病院となり、これまで以上に地域医療に貢献することが求められるようになりました。2019年8月には地域医療支援病院の承認を受け、地域の医療機関と連携しながら基幹病院としての責務を果たすべく尽力しています。また、この承認を契機として、新たに「地域が創る病院、病院が創る地域」というモットーを掲げました。住民の皆さんや周辺の医療機関の先生方のニーズに応えるとともに、安心・安全の基盤をつくる警察や消防と同じように地域にアウトリーチして、より皆さんに愛される病院になっていきたいですね。一般病棟のほか回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、緩和ケア病棟を持つケアミックス病院だからこその多様な機能を生かして、質の良い医療を幅広く提供してまいります。

専門性と総合力のバランスが取れた病院だと伺いました。

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豊富な診療科が専門領域に対応しながら、各診療科が有機的につながって総合的な医療を実践しているのが特徴です。多様な病態に対応し、あらゆるステージをシームレスに診ることは総合病院に求められる使命ですが、それだけでは患者さんを真にフォローすることはできません。組織横断的な連携があってこそ、複合的な疾患を持つ人や、多様な視点で全身を診る必要がある疾患に正しい診断と治療を提供できると考えています。こうした考えのもと、就任してすぐに取り組んだのが糖尿病のチーム医療です。最初は私と日本看護協会糖尿病看護認定看護師の2人で病棟を回り、実際に患者さんと関わる病棟の看護師を少しずつ巻き込んで、専門的な視点と現場の視点を併せ持ったチームを作り上げました。現在は、糖尿病を専門とする医師と糖尿病看護認定看護師、臨床検査技師、管理栄養士が全病棟を回診し、病棟看護師に状況を聞きながら対応を決める体制を確立しています。

内科の総合診療も特徴的ですね。

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大学時代に内科の各分野の医師が連携するチーム医療を経験しており、専門家集団で総合的に診る意義を以前から実感していました。それで、当院に着任後、循環器・呼吸器・消化器・腎臓を専門とする医師の総合診療チーム、通称「チームG」をつくったんです。若い医師たちは、チームGの回診やカンファレンスを通じて、総合診療を学んでいます。ただし、こうした体制でレベルの高い診療を提供するには、各診療科の専門性の向上も欠かせません。どの診療科も、大学病院に準じるハイレベルな医療を地域密着型で提供しています。脊椎側湾症や肩関節・膝関節、足の外科などの専門家が在籍し、高齢化に伴って需要が高まる領域のほぼすべてを診ている整形外科がその好例ですね。また、泌尿器科でも、ロボット支援手術を精力的に行うなど、先進の医療を実践しています。女性泌尿器にも対応しており、骨盤内手術をロボット支援手術で行うことができるのも強みですね。

地域へのアウトリーチは、どんな取り組みを行っているのですか?

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1つは、広報誌や院内展示による啓発活動です。関東大震災から100年の節目にあたる2023年には、災害医療の展示を行いました。ナイチンゲール生誕200年の2020年にも、看護学校と病院職員のコラボで展示をしたんです。本来なら日本看護協会なども大々的にイベントをしたかったと思いますが、新型コロナウイルス流行による諸事情を鑑みて中止したところがほとんどでしたから、多くの方に喜んでいただけてうれしかったですね。それから、「オレンジプロジェクト」と銘打ち、認知症の患者さんを支える取り組みも始めました。認知症サポーター養成講座を受けたスタッフがオレンジ色のリングをつけて対応するほか、受付にオレンジステーションを設け、認知症を含めた初診の方にはオレンジ色のファイルをお渡ししてサポートの目印にしています。地域の薬局にも協力を要請し、オレンジファイルをお持ちの方にはこまやかに配慮していただくようにしました。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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地域のニーズを踏まえて、がん診療にはより注力していきたいですね。特にロボット手術に関しては、呼吸器外科などにも活用の幅を広げる予定です。肝胆膵のスペシャリストもいますし、積極的に患者さんを受け入れていきたいと考えています。また、新宿区は大学病院や基幹病院に恵まれていますが、いずれも急性期です。回復期や緩和ケアまで病床を備えたケアミックス病院である当院なら、急性期後の患者さんを受け入れて地域にお戻しすることもできますし、がん患者さんの放射線治療や緩和ケアを担当することも可能です。病病連携、病診連携はより深めて、地域に有用な役割分担を進めてまいります。

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関根 信夫 病院長

1983年東京大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院分院内科に入局。スイス・ジュネーブ大学臨床生化学教室留学を経て、東京大学医学部附属病院総合研修センター・糖尿病・代謝内科講師。2007年より東京厚生年金病院内科部長。同内科主任部長、院長補佐を経て、2014年同院の東京新宿メディカルセンターへの名称変更とともに副院長就任。2016年より現職。

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