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医療法人徳洲会 葉山ハートセンター

(神奈川県 三浦郡葉山町)

飯田 浩司 院長

最終更新日:2024/07/31

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心臓病を中心に、救急、外科診療にも注力

2000年に心臓病の専門病院として開設された「葉山ハートセンター」。今では心臓病を扱う組織の名称として耳にすることも増えた「ハートセンター」という名称だが、当時はまだ国内ではなじみがなく、海外の病院に模して名づけられたという。その名のとおり心臓疾患に対応してきた同院だが、近年は地域の医療に貢献したいと専門である心臓病以外に内科、外科、脳神経外科などの急性期医療を行い、心臓病治療と急性期医療の2本柱として診療に取り組んでいる。「葉山という名前がついているのに、心臓病以外の町の患者さんを診ないわけにはいかない」と話す飯田浩司院長。現在、改装工事中で、改装後はハイブリットを含む手術室が3室に、外来ブースも8つに拡充。また32床の地域包括ケア病床を新設する予定だ。急性期から準慢性期まで幅広い医療で地域の健康を支える同院の取り組みや、自身のライフワークである漏斗胸の治療について飯田院長に話を聞いた。(取材日2024年6月20日)

心臓血管外科をはじめとする特徴的な診療科をご紹介ください。

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心臓血管外科では私を含む3人の医師ができる限り24時間365日緊急手術に対応し、傷口の小さい低侵襲治療から極めて緊急性の高い大動脈解離の手術まで幅広く治療をしています。2024年12月には透視装置を設置したハイブリッド手術室が完成するので、動脈瘤のステントグラフトなどの血管内治療も積極的に取り入れたいと考えています。脳神経外科では、脳梗塞急性期や脳動脈瘤などさまざまな疾患に対しカテーテル治療から開頭手術まで行っています。リニューアルした透視室では高精度な画像が撮影でき、より安全性に配慮し治療ができるようになりました。循環器内科では、心房細動に対するホットバルーンアブレーション治療を実施しています。

救急医療にも力を入れていると伺いました。

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今年度の大きな変化は外科の増員に伴う救急医療の充実です。外科医が3人に増えたことに加え内科の診療体制が整ったことで、地域の人や救急隊からの信頼がぐっと増したように感じています。実際に救急車の受け入れ台数は格段に増え、2024年5月のある日の救急科外来の受診者が歩いてきた人も含めると当院の過去最高記録となったほか、先日、私が院長に就任して初めて満床になりました。外科と脳神経外科の6人の医師を中心に救急科外来の当番に限らず、皆で協力してとても良い雰囲気で患者さんを受け入れています。患者さんが増えれば、看護師も薬剤師も、事務職も厨房のスタッフも皆忙しくなりますが、患者さんが元気になって帰っていくことは職員全員の喜びであり、病院全体で良い方向に向かっていると思っています。所有しているドクターカーについては、一人暮らしの高齢の方が入院される際にお一人での来院が難しいときのお迎えなどに活用しています。

先生は漏斗胸の治療にも専門的に取り組まれていますね。

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私は大学卒業後に日本の心臓外科のパイオニア的存在である和田寿郎教授に師事しました。和田教授は前胸部が陥凹した漏斗胸に対する胸骨翻転術を開発し、当時はこれが外科の教科書に掲載された方法でした。最近はほぼすべての病院で、体内に金属のバーを長期間留置するNuss法が行われています。私は胸骨翻転術から派生した低侵襲な胸肋挙上術を進化させて、すべての患者さんに対して行っています。この胸肋挙上術変法はNuss法の欠点である異物留置による合併症、疼痛の遷延、長い運動制限などがなく、一回の手術で完結する手術で、全国、海外からも患者さんがお見えになります。

院長として、医師として大切にされていることはありますか?

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やはりチームワークですね。医師もコメディカルもそれぞれに得意・不得意があるので、うまく分担しながらやっていきたいです。例えば救急当番のときは脳神経外科の先生も打撲や風邪、誤嚥性肺炎も診察しますし、私が当番のときにまひがある患者さんが来たら専門の先生にバトンタッチをします。あるいは看護師も救急科外来が忙しいときは他部署から応援に来てくれるなど、そういうチームワークですね。一つの目標に向かっているという一体感が大切なんだと思います。医師としては、私は若い頃から特に弁形成術を中心に行っていましたが、弁形成術も漏斗胸の手術も外科医のスキルに非常に影響されます。私は、医師はサイエンティストであると同時にアーティストであるべきだと思っています。外科医はある意味、職人のようでもありますが、アーティストのレベルまで手技を高めるため、いつも一歩先へという思いでいることが外科医としての信条です。

最後に、地域の方へのメッセージをお願いします。

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何か困ったことがあったらいつでも当院に来てください。「ウニのとげから大動脈解離まで」あらゆる症状に対応していければと思います。大学病院のように先端の医療を提供する医療機関ももちろん必要ですが、「調子が悪いんだよね」と言って来院した患者さんの病気を見つけて治療し、専門的な治療が必要であれば大規模病院にご案内するという役割を担う病院は地域に不可欠です。ウニのとげを踏んでしまった、釣り針が引っかかった、高齢者がどうも元気がないなど、ちょっとしたことでも重症になる前にご利用ください。駅伝大会の救護班のボランティアなど葉山町のイベントにも参加しています。この町の人が「葉山ハートセンター」があるから安心して暮らせると思っていただけるような存在になれればと思います。

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飯田 浩司 院長

1984年旭川医科大学卒業後、東京女子医科大学第一外科入局し和田寿郎教授に師事する。獨協医科大学胸部外科、君津中央病院、成田赤十字病院、名古屋徳洲会総合病院、湘南鎌倉総合病院などを経て2023年より現職。医学博士。日本外科学会外科専門医、日本心臓血管外科学会心臓血管外科専門医。茨城県日立市出身。海の近くで育ち、海のある葉山を愛する。リフレッシュ方法は、素潜り、カヌー、家庭菜園など。

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