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足の血流低下に伴う冷えや痛み
末梢動脈疾患(PAD)の治療

公益社団法人地域医療振興協会 東京ベイ・浦安市川医療センター

(千葉県 浦安市)

最終更新日:2022/10/21

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  • 保険診療
  • 閉塞性動脈硬化症

動脈硬化によって足の血流が悪くなることで、足の冷えや痛みなどさまざまな症状を引き起こす末梢動脈疾患(PAD:peripheral artery disease)。下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)とも呼ばれるこの疾患は、放っておくと壊死や壊疽(えそ)が起こり、足を切断しなくてはいけない事態にもなり得るため、早期の診断と治療が望まれる。治療を行うのは主に循環器内科や心臓血管外科とされているが、糖尿病や糖尿病性腎症との関係も深いことから、「東京ベイ・浦安市川医療センター」では、診療科や職種の垣根を超えた多職種によるチーム医療で対応。足の血管疾患を扱う下肢救済部門を率いる仲間達也循環器内科副部長に、末梢動脈疾患の治療と、それを支える同院のチーム医療体制について話を聞いた。(取材日2022年7月29日)

循環器内科と心臓血管外科を中心に複数の診療科と多職種が連携し、チーム医療で足の血管の病気を治療

Q足の血流が悪くなるとどのような症状が現れますか?

A

循環器内科副部長仲間達也先生

動脈硬化による血流の悪化で起こる足の症状にはいくつか段階がありますが、心臓や頭に血液がいかないと心筋梗塞や脳梗塞の症状が出るように、足の血流が足りなくなることで、足が冷たくなる、歩くと疲れやすい、痛みやしびれを感じるといった症状が出てきます。進行すると、動かなくても痛みが出たり、しびれや痛みのせいで寝られなかったり、透析で長時間横になっていると足の痛みで透析が続けられなくなったりします。さらに重症化すると、傷がなかなか治らなくなり、皮膚や皮下組織が死滅して皮膚が黒くなる壊疽を引き起こすことも。重症化する前になるべく早い段階で受診していただくことをお勧めします。

Q下肢救済部門ではどのような診療をするのですか?

A

当院では循環器内科と心臓血管外科が連携し、心臓と血管の専門的な治療を提供してきました。私が2018年に当院に赴任してからは、全身の血管の治療をさらに専門的に行うようになり、下肢救済部門が設置されました。末梢動脈疾患の場合、まずは経過観察で定期的に受診していただくのか、薬の治療で改善を図るのか、カテーテル治療やバイパス手術をする必要があるのか、問診や検査の結果をもとに判断します。当部門が担当するのは比較的重症の患者さんで、血管がすでに詰まってしまい生活がままならないくらい足が痛い、歩けない、足の傷が治らないといった人に対してカテーテル治療やバイパス手術を行い、症状の改善をめざしています。

Q重症の場合、どのような治療を行いますか?

A

先進機器の治験に積極的に参加し、治療法の選択肢拡大をめざす

重症の人には、詰まっている血管に針金を通して風船で広げるカテーテル治療を行うか、もしくは、人工血管やご自身の血管でつなげるバイパス手術を行うことになります。当院ではもともと循環器内科と心臓血管外科の連携がしっかりと取れているため、カテーテル治療もバイパス手術もバランス良く行っています。カテーテル治療については、豊富な治療技術を持つ医師が先端の機器を使用して実施しています。カテーテル治療の技術は日進月歩で新しい機器がどんどん保険の適用になってきています。また当院では、幅広い治療法の提案につなげられるよう、先進の医療機器の治験にも積極的に参加しています。

Qこちらの病院でカテーテル治療を受けるメリットは何ですか?

A

外科と内科が手術とカテーテル治療の良さをお互いに尊重し合うことで、入院期間を短く、患者さんへの侵襲を最小限に抑えながら、高い効果が見込める治療を提案できることが当院の特徴です。近年は、世界的に見ても低侵襲のカテーテル治療が求められる傾向にありますが、手術が適している患者さんもいるため、カテーテル治療を行うことで次の治療に支障を来すことがないように、心臓血管外科としっかりと話し合って治療方法を決定しています。これは私たちがカテーテル治療を熟知している分、その限界も知っているからで、診療科の垣根なく、多様な選択肢の中から患者さんに適した治療を提供できるのは当院ならではのメリットだと考えています。

Q対応する病院が少ない難易度の高い治療も行っているそうですね。

A

難易度の高い、足の壊疽のある重症患者の治療にも注力している

歩くと足が痛くなる程度の症状であれば、太ももの血管を治療することが多いですが、足に壊疽を起こしている重症の患者さんの場合、膝下の血管や、時にはもっと先の足首より下の血管の治療が必要となります。この治療は難易度が高くできる施設も限られていますが、当院では必要な患者さんに対して膝下や足首以下のカテーテル治療も積極的に行い、着実に実績を伸ばしています。こうした治療は技術も大切ですが、すべての患者さんに適しているわけではないため、対象者と治療のタイミングの適切な判断がとても重要です。当院では足の壊疽のある患者さんをすべて当部門で管理し、診断から治療、そして次の治療の必要性までを効率的に診療しています。

Qチーム医療が大切な足の治療で気をつけていることはありますか?

A

カンファレンスの様子。右は腎臓・内分泌・糖尿病内科鈴木部長

足の血管の病気は、循環器内科や心臓血管外科のほかにも、皮膚科、形成外科、総合内科、腎臓内科など複数の診療科と、診療看護師、皮膚・排泄ケアに精通した看護師、リハビリスタッフなど、多職種によるチームで診療しています。週に1度カンファレンスを実施し、患者さんの情報をシェアしています。そんな中で私たちが大切にしているのは、循環器内科が主体的に、使命感を持って患者さんに関わっていくことです。傷も、日々の管理は循環器内科で行い、血管治療の効果を確認することが重要です。それがあって初めて、専門家同士の得意分野を最大限に生かすための議論が可能となり、患者さんに満足していただける治療につながるのだと思います。

患者さんへのメッセージ

仲間 達也 循環器内科副部長

2005年宮崎大学医学部医学科卒業。2005年宮崎大学医学部附属病院、2007年宮崎市郡医師会病院心臓病センターの循環器内科へ。2015年に同センター循環器内科医長(血管造影室主任兼務)に就任。2018年4月東京ベイ・浦安市川医療センター循環器内科医長となり、2019年より循環器内科副部長を務める。専門は心血管インターベンション、末梢血管疾患診療全般、末梢血管インターベンション。

私たちはカテーテル治療のスペシャリストとして、治療によって予測できることやもたらす結果をしっかりとお伝えすることを心がけています。常に知識をアップデートして国内外に向けて私たちの経験や技術を発信し、さらに患者さんに還元していく、それがプロフェッショナルとしての責務だと思います。一方で院内では患者さんと向き合い、総合内科の医師や各職種のスタッフからの情報をもとに、患者さんのニーズを十分にくみ取った上で、より良い医療を提供していきたいです。足の血管の病気は軽症のうちに受診することが大切です。足が冷たい、脈がわかりにくいなど、気になることはご相談ください。

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