医療法人徳洲会 武蔵野徳洲会病院
(東京都 西東京市)
桶川 隆嗣 院長
最終更新日:2025/02/04


広い活動でより地域とつながる病院をめざす
徳洲会グループの一院として「地域のかかりつけ病院」をめざしているのが、「武蔵野徳洲会病院」だ。西東京市を中心とした救急医療に24時間365日で対応している同院。加えて、幅広い内科系や外科系、小児科の診療などに取り組むなど、地域の医療ニーズに応えるための体制を整えている。そんな同院の桶川隆嗣院長は、診療の充実はもちろん、医療のデジタル化や国産の手術支援ロボットの導入など先進的な取り組みにも注力。さらには、子ども食堂やイベントの開催など、地域とのつながりを深める活動にも尽力している。「小粒でもクオリティーが高く、小粒ならではの強みを生かした病院にしていきたいですね」と力強く話す桶川院長に、同院の取り組みについて聞いた。(取材日2024年12月3日)
最初に病院を紹介していただけますか。

「24時間医療」「生命だけは平等だ」「断らない医療」という徳洲会の理念のもとに、高度とまではいかなくとも通常の診療においては十分な医療を、できる限り迅速に、より多くの地域の人に提供することが当院の使命です。めざすのは、かかりつけとして当院を受診して、必要があれば高度な医療機関に紹介し、治療後にはまた当院に戻っていただき、在宅療養となっても何かあればすぐに入院していただけるようにすること。そのために開院以来、当院での診療に加えて、近隣の病院や開業医の先生方の受け皿となって、シームレスな医療を提供できるよう努力してきました。また、救急医療も徳洲会グループの一院としての特徴が最も発揮される領域です。当院も開院以来「24時間365日、安心して治療が受けられる」、断らない救急医療をめざしてきました。その結果、今では救急搬送の多い病院の一つとなり、消防団や地域社会からも頼られる存在になっています。
診療で特徴的なところはありますか?

私の専門である泌尿器科では、腎臓や尿管の結石に24時間対応しています。大学病院や大きな病院だとどうしてもがん診療が中心になって、結石をはじめとする良性疾患は二の次になってしまうことがあります。当院では、もちろんがん診療にも力を入れていますが、良性疾患も含めすべて対応することをめざしています。整形外科は大腿骨骨折治療センターでもあります。また、耳鼻咽喉科では補聴器の外来。小児科では発達障害。消化器外科は肝臓や胆嚢、膵臓など、広域での手術に対応しています。腹腔鏡はもちろんのこと、ロボット支援手術も拡充していく段階になりました。このように、それぞれの診療科で医師の得意な分野を生かしながら診療を行っています。必要なときには、気軽に受診していただけたらと思います。
ほかに力を入れていることは何ですか?

これからも高齢化は進んでいきますが、現役世代が元気でいてほしいということで、健康管理センターで人間ドックや各種の検診にも力を入れています。検査時の痛みに配慮した乳がんのMRI検診も対応しています。もう一つ、国産の手術支援ロボットも導入しています。現在、国内で普及が進んでいるのはアメリカ製ですが、日本人は海外の人に比べて華奢ですよね。国産の手術支援ロボットはアームが細くて、関節も多いなど、非常に日本人に向いているんです。それに、国産のテクノロジーを育てていくことも大切だと考えています。また、医療のデジタル化もめざしています。例えば、入院患者さんの血圧を測ったら、自動的にカルテに入力される。問診もタブレット端末を使って、自動的にカルテに入る。会計も、患者さんが診察室から出たら、計算が済んでいる。アイデアはたくさんありますが、中規模の病院だからこそ推進できるのではないかと考えています。
地域とつながる取り組みにも力を入れていると伺いました。

医療とは直接関係ありませんが、当院の中に子ども食堂があります。病院でこういうことをしているのは、全国でもそう多くないと思います。病院で子ども食堂を設ける意味はというと、栄養相談ができること。病院には管理栄養士がいて、入院患者さんに糖尿病食や減塩食などを提供しています。そのスキルを生かし、子ども食堂では栄養価やクオリティーが高い食事を提供していますし、栄養に関して専門的な知識を持つスタッフに食事の相談もしてもらえるようになっています。市内のほかの場所で行っている子ども食堂にも出張して、栄養相談に乗ることもしています。今後は、当院には24時間の託児所もありますので、地域の子どもたちの放課後の受け入れなどもできれば良いなと考えています。医療と健康は密接していますし、このような活動によって皆さんをサポートしていくことで、当院のことをもっと知っていただいて、より地域に根づいていきたいと考えています。
病院を運営するにあたって心がけていることはありますか?

院長としては、盤石な医療を提供すること。それでこそ、いろいろなことができますし、危機にも対応ができるのだと思うのです。そのために私は、いろいろなものに目標値をつくっています。医療従事者に限らないかもしれませんが、数値があると、とてもそれを意識するんです。そして、目標を達成するために職員がキャリアアップをしていかないといけないと感じるのであれば、費用なども含めてサポートする。職員には、当院で何かを学んでもらいたいですし、もしその職員が当院を辞めても、あの病院でこんなことをしてもらったと言ってもらえれば、それがまた良い評判になるかもしれません。何事もいい加減にやれば不満が生まれますが、一生懸命やれば、良い結果が生まれる。私はそう思って取り組んでいます。そして、当院は小粒な病院かもしれませんが、クオリティーが高い小粒で、小粒なりの強みがある病院。難しいところですが、そこをめざしていきたいですね。

桶川 隆嗣 院長
1991年杏林大学卒業。1998年同大学大学院医学研究科卒業。1999年米国テキサス大学泌尿器科・腫瘍学研究員として留学。2001年杏林大学医学部泌尿器科に戻り、講師、准教授を経て、2014年より教授。2021年4月より現職。杏林大学医学部泌尿器科客員教授。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医。専門分野は泌尿器腫瘍学、ロボット・腹腔鏡手術、泌尿器一般。富山県出身。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック(胃カメラなし)/4万1140円
人間ドック(胃カメラあり)/5万2800円