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アレルギーから二次救急まで
小児科医療の診療体制について

地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター

(東京都 東村山市)

最終更新日:2021/11/30

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  • 保険診療
  • 睡眠障害
  • 食物アレルギー

「公益財団法人東京都保健医療公社 多摩北部医療センター」は、多摩地区の二次救急医療機関として、地域医療の中核を担う病院だ。急な症状や子ども特有の病気に幅広く対応している。近年では、地域の教育機関とも連携し、子どもの健康を地域全体で見ていけるような体制づくりにも尽力。今回は、多摩北部医療センター小児科の特徴や診療体制について、小児科部長の小保内俊雅先生と小児科医長の斎藤雄弥先生に話を聞いた。(取材日2021年4月21日)

外来診療を中心に、二次救急医療機関として地域のニーズに対応

Qどのような小児疾患に対応していますか?

A

発達神経病理学、小児臨床睡眠医学も専門とする小保内先生

【小保内先生】呼吸器疾患、神経疾患、アレルギー疾患、腎疾患、内分泌・代謝疾患、血液疾患、睡眠障害をはじめ幅広い疾患に対応しています。循環器以外の分野はほぼ網羅しています。一般の外来のほか、それぞれの疾患に対応する専門の外来があります。 【斎藤先生】血液専門の外来では特発性血小板減少、再生不良性貧血などに代表され、「顔色が青い」「血が止まりにくい」「あざができやすい」などの症状のある方、腎臓専門の外来であれば、3歳児健診や学校健診で異常が認められた方などを診療しています。また、二次救急医療機関として地域のクリニックから紹介のあった患者さんも診療するほか、救急医療にも対応しています。

Qこちらの小児科の特徴や強みについて教えてください。

A

症状の背景まで聞き取りながら心と体のケアを行う

【小保内先生】乳幼児の夜泣きや思春期の生活リズム異常などの小児睡眠障害と、慢性的な頭痛の診療については遠方から来られる方も多く、当院の特徴の一つですね。頭痛の患者さんの中には「鎮痛剤を飲んでもよくならない」という方もいますし、夜泣きや就寝中の異常行動を伴う夜驚症などでは、「年齢が上がれば自然と治まるでしょう」と言われ、治療していないケースも案外多いのではないかと思います。その結果、親御さんも夜眠れずに精神的・肉体的に疲弊し、日常生活に影響が出てしまうこともあります。当院には入院施設もあるので、入院して集中的に治療を受けることも一つの選択肢とし、ご家族もケアしながら治療にあたっています。

Qアレルギー疾患についての対応はいかがですか?

A

広々とした遊べるスペースも用意されている

【小保内先生】食物アレルギーの症状を中心に対応しています。小学校、中学校との連携が重要なポイントとなっており、学校から相談があったり、年に1回、学校を訪問し栄養士や養護教員などから学校で起きた事例を聞いて、対応や対策を検討しています。当院では、必要に応じて血液検査や皮膚を使った検査をするほか、入院による検査や食べ方の指導なども行います。治療に必要な情報を集め、方針が決まったら地域の医療機関や保育施設、教育機関にも内容をお伝えする形です。その後何かあれば連絡をもらい、協力体制を維持しながらやっていけたらと思っています。

Qどんなときに病院を受診すべきでしょうか?

A

一般的な治療から専門的な治療、小児救急まで対応できる体制だ

【小保内先生】自己判断せずに、お住まいの地域のかかりつけ医に相談していただくといいでしょう。当院は地域の医師会と円滑な連携を図っていますので、必要に応じて紹介などの手立てをとってくれるはずです。当院では診察や検査の上、診断や治療方針について情報を添え、かかりつけの先生方に患者さんをお戻しします。また当院の特徴の一つとして、障害のあるお子さんの診療も行っています。例えば、親御さんが家庭の事情で出かけなければいけないときは、お声がけください。小児科病棟で、障害のあるお子さんを一時的に預かるレスパイト入院も可能です。急性期病院ではレスパイト入院は難しいので、当院がその役割を担いお預かりしています。

Q小児救急にも対応しているのですね。

A

小児科一般、血液疾患、小児がんを専門とする斎藤先生

【斎藤先生】救急車からの連絡を受けて搬送されるケースのほか、地域の先生から急ぎの連絡をいただいたケースも小児救急で対応しています。救急は24時間365日、小児科医が待機して、小児科の疾患を受け入れています。場合によっては他科と連携しますし、当院で対応していない循環器疾患や外科手術が必要な疾患であれば、症状を安定させる処置を行った後に、東京都立小児総合医療センターに対応をお願いするなど、柔軟に対応しています。

患者さんへのメッセージ

小保内 俊雅 小児科部長

1991年千葉大学医学部卒業。専門は小児科学、新生児学、発達神経病理学、小児臨床睡眠医学。

一次医療と三次医療をつなぐ二次救急医療機関として、スムーズな連携体制を整えています。三次救急医療機関が役割を全うできるよう、後方支援病床の整備も含めニーズに合った柔軟な対応をしていきます。また、近年は行政や学校医と連携しながら、子どもの問題行動の解決に向けた取り組みや、学校医を学校の「かかりつけ医」にすることをめざした事業にも参加しています。これからの小児科には「病気だけを診る」のではなく、家庭でのケアも含め「総合的に診る」視点が求められます。一般診療科と連携し、生涯にわたるトータルケアを実践するのが理想です。その中で、お子さんと保護者をサポートする小児診療体制をつくっていきたいですね。

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