医療法人篠原湘南クリニック クローバーホスピタル
(神奈川県 藤沢市)
篠原 裕希 理事長
最終更新日:2024/10/23


多機能な病院で地域の医療と介護をつなぐ
1988年に開院した有床診療所の篠原湘南クリニックをルーツとし、医療と介護の密接な連携で「高齢になっても安心して暮らせる地域づくり」をめざす「クローバーホスピタル」は、「回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟などを持ち、地域の在宅療養を支える病院として重要な役割を果たしています」と篠原裕希理事長は言う。例えば急性期病院で治療を受けた患者の場合、同院に転院した後は、自宅で自立した生活を送るために大切な「口から食べられる」「自分でトイレに行ける」までの回復を目標にリハビリテーションを行っているという。一方、在宅療養中でも誤嚥性肺炎などで入院が必要になった患者も受け入れ、在宅療養が可能な状態への回復をめざす。こうして在宅と入院との橋渡し役を担いながら、外来診療では内科全般を診療するなど、幅広い悩みに応える同院。「地域の皆さんが困っていることを気軽に相談できる病院にしたい」と語る篠原理事長に、その診療の特徴や、今後の展望などを聞いた。(取材日2024年8月5日)
この病院の成り立ちや特徴をお聞かせください。

1988年に開設した有床診療所の篠原湘南クリニックを発展させる形で、2004年に「クローバーホスピタル」をオープンさせました。現在は訪問診療と外来診療に加え、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、慢性期向けの2つの病棟を設け、高齢の方も多いこの地域に欠かせない病院となっています。回復期の病棟では他の病院で急性期の治療を終えた方を受け入れ、ご自宅や施設で暮らせるよう回復をサポートします。さらに在宅療養の支援病院として、在宅療養中に入院が必要になった患者さんを地域包括ケア病棟などに受け入れる役割も担っています。
医療と介護の両分野の橋渡し役を担っているとか。

高齢になったとき安心して暮らし続けるためには、医療・介護の多様なサービスが密接に連携して在宅療養をサポートする必要があります。急性期病院では入院できる期間に制限があるため、病気の治療が中心になります。患者さんが以前どおりの生活をするにはさらなる回復が必要なケースが多く、寝たきりの方を増やさないためにも当院が行う回復期リハビリテーションは非常に重要です。一方、在宅療養中に急な体調の悪化など、ご自宅や施設では対応が難しい症状になったとき、複数の病気を持つ高齢者や重度認知症の方が入院可能な地域包括ケア病棟があれば安心して在宅療養を続けられるでしょう。当院は在宅と入院との橋渡しを行う中核的な存在であり、そのパイプ役となる医療ソーシャルワーカーと退院支援看護師が10人在籍し、他の医療機関や介護事業者ときめ細かく連絡を取って、患者さんの受け入れや当院からの退院を支援しています。
回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟の強みとは?

一つは連携する医療機関の先生方や介護サービスのケアマネジャーさんと、しっかりコミュニケーションがとれ、信頼関係が構築できている点だと思います。例えば、先生方とは入院前に当院の医師と患者さんの入院後についてカンファレンスを行った上で、実際に患者さん一人ひとりがどんな治療を受け、どんな経過をたどっているかもDoctor to Doctorでタイムリーに連絡しています。もう一点はリハビリテーションで、当院では患者さんがご自宅や施設に戻ったとき「口から食べられる」「自分でトイレに行ける」を一つの目標に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が協力して回復を支援しています。特に口から食べることは口腔機能や自宅・施設での食事内容とも密接に関連するため、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士を3つの病棟にそれぞれ配置し、医師のもとでチームとなって機能回復のための訓練、口腔ケア、適した食事の提案などを行います。
外来診療で力を入れている分野を教えてください。

内科全般を診療し、消化器内科では内視鏡検査による早期がんの発見に努め、泌尿器科では尿に関する悩みにも対応しています。また呼吸器内科は、誤嚥性肺炎などの病気に薬や生活指導で対応し、嚥下機能の訓練のサポートなどにも力を入れています。それから、消化器内科での内視鏡検査や、漢方の外来は女性医師も担当します。気になることがありましたらご相談にいらしてください。
地域密着の病院として今後の展望をお聞かせください。

当院の原点である訪問診療は超高齢社会では必須と考えます。外来診療は複数の専門的な外来診療と広く患者さんに対応する総合診療が中心です。地域の皆さんには、困ったことを気軽に相談できる病院として利用していただきたいですね。他科と連携して総合的な対応も可能で、必要ならより専門的な検査・治療が可能な病院にご紹介できます。さらに、2025年に病床構成を変更して、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟のほかに、慢性期病棟を縮小し地域包括医療病棟を新たに設けることを検討しています。地域包括医療病棟は、急増する介護施設等からの中等度救急患者さんと急性期病院で治療の方向性がついた患者さんを受入れ、手厚いリハビリテーションでご自宅や施設への復帰をめざす病棟のことです。これらを実現するために約1年半かけて病院リノベーションを行い、「高齢者救急」に全力で対応していきます。

篠原 裕希 理事長
昭和大学医学部卒業後、日本大学医学部第二外科で研修を受け、同大学医局に入局。胸部外科を中心に広く診療経験を積み、1988年藤沢市片瀬で篠原湘南クリニックを開院する。在宅療養の患者向けの医療・介護施設を開設後、2004年に「クローバーホスピタル」を開院。現在は「医療法人 篠原湘南クリニック」グループの理事長も務め、医療と介護の両分野でさまざまな施設・サービスを展開する。