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一般社団法人巨樹の会 原宿リハビリテーション病院

(東京都 渋谷区)

四津 良平 院長

最終更新日:2020/11/25

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笑顔と明るさが支える在宅復帰支援の場

2015年4月、東京都心の原宿に「原宿リハビリテーション病院」が開院した。表通りから1歩入った静かな地域で、敷地の中には緑の森もある。ゆったりしたロビーにはピアノが置かれ、患者さんが演奏を楽しむこともあるのだとか。診察室の椅子など備品がカラフルで目に心地よいのは、「明るい色使いは脳を活性化するからとデザイナーが考えてくれました」と四津良平院長は話す。屋上庭園からは渋谷、新宿と東京の街並みが遠くまで見渡せる。この場所にこれだけの設備であれば、富裕層対象ではと思われがちだが、ベッドの半分は差額なし。「多くの人に気軽に利用してもらい、病院のことを知ってほしい」と院長は熱を込める。高い在宅復帰率を誇る医療グループの、都心での新しい挑戦について、さまざまな話を聞いた。(取材日2015年6月29日)

開院までの経緯や、病院の特徴を教えてください。

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もともとは九州・山口を発祥の地とする池友会という医療グループが、関東でリハビリテーション病院の運営を行うようになり、まず千葉県の八千代市に第1号を作りました。それから埼玉県、栃木県、都内には蒲田、小金井、赤羽などこの原宿にいたるまで12のリハビリテーション病院を開設しています。東京の中でも山手線の内側は急性期の治療をする病院はたくさんありますが、その後ご自宅に帰るまで、いわゆる回復期のリハビリテーションを行う病院があまりにも少なすぎるということで、こちらに開院の運びとなりました。皆さんがご自宅に戻ってから自分で歩いてトイレに行き、自分で食事ができるといった日常生活動作(ADL)のリハビリを中心に、「寝たきりゼロ」をめざして日々力を尽くしています。

華やかな土地で、富裕層の方が対象ではと思ってしまいますが。

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いいことを聞いてくださいました。原宿に立つ病院というと豪華なイメージを持たれがちですが、決して富裕層の方だけを対象としているわけではありません。ベッド数303床のうち、半数の153床は差額室料がかかりませんので、皆さんに気軽にご利用いただける病院になっているのではと思っています。原宿という土地の良さは、ご家族が立ち寄りやすいということです。これまでのリハビリテーション病院というと、地方や郊外にあって、お見舞いに行くのも月に1回がやっと。それでは患者さんが淋しい思いをなさるのではないでしょうか。ここでは実際に息子さんが会社帰りに立ち寄られたり、奥さまやお嬢さんがお見舞いの後に買い物をして帰られたり、頻繁に訪れていただいているようです。それが今までのリハビリテーション病院との大きな違いですね。

リハビリにおける特徴はどんなことでしょう。

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当院にはリハビリテーション科の医師だけでなく、脳外科、神経内科、外科、心臓外科のそれぞれ専門の医師が在籍します。急性期の病院で治療を受けた後、比較的早い段階でこちらに転院なさっても、彼ら専門の医師がケアできます。リハビリは発症からできるだけ早く、集中的に行うことが肝心ですので、その意味でもお役に立てると思います。リハビリ環境としては、敷地の中に小さな森を設けています。歩ける患者さん、あるいは車いすの患者さんも、リハビリを兼ねて散歩が楽しめることができます。そのほか、早期の歩行や立ち上がりの訓練に役立つロボットスーツや筋肉を刺激するウォーターベッド、心電図・血圧・呼気ガスを計測しながら運動を行える心臓リハビリテーション用の設備、一般道路での反応速度が検査できるドライビングシミュレーターなどさまざまなトレーニングマシンを備えています。

入院前、退院後と各種機関との連携も大事ですが。

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入院当日から退院まで安心して診療を受けられるよう、窓口として医療連携室を設けています。開院してまだ日の浅い病院ですから、私自身も急性期の病院を訪問し、当院を知っていただく努力をしています。ご自宅にお帰りになるときには、当院のソーシャルワーカーが、退院後の生活に支障がないよう、現地のケアマネジャーさんなどと連絡を取っています。またリハビリのスタッフがご自宅まで出かけ、家の構造を拝見して、「ここには手すりが必要でしょう」「この段差が危ない」などと細かいアドバイスもしています。現在入院している患者さんは年齢的には80歳ぐらいから上は100歳を超えるくらいまで。渋谷、世田谷など近隣の方が多いのですが、私が慶應義塾大学病院の心臓外科の教授をしていたものですから、その関係でおいでになっている方も少なくありません。

今後の目標や、読者へのメッセージをお願いします。

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リハビリでは諦めないことが大事です。ご自宅に帰って日常生活ができるようなところまで近づくためには、患者さん自身の努力が必要になります。ご家族の判断も重要ですね。ご本人は痛いしつらいし、入院などの手続きの仕方もわからないかもしれません。まずご家族がリハビリを受ける判断をして、患者さんをしっかりサポートしていただければ。見学は随時受け付けていますので、いつでもお越しください。そして実際に入院した方の意見も聞いていただければと思います。患者さんは誰しも「リハビリはやりたくない。ずっとベッドにいたい」とお考えでしょう。当院では充実した設備や付きっ切りでケアする若い作業療法士など、リハビリがなるべく楽しく行える環境を整え、前向きな雰囲気をつくっています。我々は患者さんが回復され、「この病院に入院して良かった」と笑顔でご自宅に戻っていただけるよう、一心に努めていきたいと思っています。

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四津 良平 院長

1973年慶應義塾大学医学部卒業。1981年米国ニューヨーク州立大学の胸部外科に留学。1993年には母校である慶應義塾大学の医学部外科学の専任講師に着任、2002年は慶應義塾大学医学部外科教授、その後2014年慶應義塾大学名誉教授、2015年より現職。「リハビリではあきらめないことが大事」と語り、日々患者を支えるスタッフの育成を心がけているという。

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