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医療法人社団鼎会 三和病院

(千葉県 松戸市)

渡辺 修 病院長

最終更新日:2022/03/17

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地域住民のかかりつけとして健康をサポート

2014年地域住民の期待を背に開設された「三和病院」。前身の「新八柱病院」の閉院を受けて、渡辺修先生をはじめとする医師たちは再興への第一歩として新松戸駅にクリニックを開業。日々の診療に加えて、乳腺外科の手術が必要な患者については、新松戸中央病院で渡辺先生が執刀。その後、利便性向上を掲げ、2010年八柱駅前に「八柱三和クリニック」を開業。患者や地域住民は、病床認可を求めて多くの署名を集め、いよいよ病院開設に至ったという経緯がある。「当院の開設時、地域の皆さんたちが署名を集めてくださったことは本当に感謝しています。これまで自分たちがやってきた医療が伝わっていたのだと思うと、本当にうれしかったですね」と話す渡辺院長。現在、同院ではかかりつけの総合病院として日々、患者との信頼関係構築に努めている。同院の診療の柱となっている内科診療と乳がん治療について、詳しく聞いた。(取材日2021年3月19日)

内科の診療の特徴について教えてください。

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ご高齢になりますと複数の疾患を抱えることが多いため、一人の主治医が一人の患者さんを総合的な観点から診察することを重視しています。ただ糖尿病や消化器内科、膠原病・リウマチ、脳神経内科など、より専門的な診査・診断が必要な場合は、それぞれを専門とする医師が診察しています。内科では、リーフレットシステムというオリジナル冊子を作成し、患者さんに配布しているのが一つの特徴です。これは、理事長でもある内科の斉藤丈夫先生が長年取り組んでいるライフワークで、病気や治療について図やイラストなどを用い、分かりやすく解説した説明書のようなもの。患者さんの状態に合わせて3000項目にも及ぶ中から必要な項目を選択、プリントしてお渡ししています。ご高齢の方ですと、医師からの説明だけでは理解できない部分もあると思います。外科診療の際に「内科でこういう説明をされました」と持ってきてくださる患者さんもおられます。

もう一つの柱である乳がん治療について教えてください。

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乳腺外科では、患者さんが安心して治療に向き合っていただけるよう丁寧な説明を心がけています。乳がんの治療は見た目も非常に重要ですので、「きれいに治す」をモットーに、根治性は当然ながら仕上がりの美しさも追求しています。手術では乳がんの乳房温存手術が約半数を占めていて、できるだけ元通りの外見となるよう努めています。また、どうしても全摘出が必要な場合は乳房再建術を行っており、中でも乳房切除と同時に再建を行う一次再建術が増えています。乳房再建をする際も、治療法やメリット、デメリットをわかりやすく説明して患者さんがしっかり理解・納得できるよう努めています。乳がん手術件数は、2020年は社会状況から316件(2020年1月~2020年12月)と以前と比べると減っていますが、それでも県内では多い件数だと思います。

乳がんの化学療法では新しい取り組みがあると伺いました。

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乳がんの化学療法は点滴治療を行うことが多いですが、点滴に代わってCVポートを使用する例が増えています。これは皮下埋め込み型ポートといわれ、鎖骨の下あたりに埋め込んで抗がん剤を投与します。点滴ですと腕や手が動かせませんが、このポートを使うと薬剤の投与中、自由に手を動かせますから本を読んだりスマホを見ることができます。乳がん治療の新薬も次々と出てきていますので効果や副作用などを適切に評価しながら随時導入しています。当院は何か新しいことを導入しようとすると病院全体がさっと動いて機動力がとても高いと感じます。また、病気を克服された方たちが苦しまずに生きていくためには、心のケアも必要になります。患者さんはさまざまな状況の方がいらっしゃいます。個々のケアを充実させるべく、医師だけでなく看護師やソーシャルワーカー、薬剤師、放射線技師、医事課が一丸となって総合的にサポートする体制を整えています。

在宅医療にも力を入れているそうですね。

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人生の終末期を自宅で過ごしたい、家族に見守られながら最期を迎えたいと願う方がとても多いですから、少しでもその思いをかなえていくよう、手厚い在宅医療を行っています。より自分らしく最期を迎えていただくためには、どこまで医療を受けるか、延命措置はどの程度望んでいるのか、ご本人の意識がまだはっきりしているうちに明確にしておくことが大切と考え、高林克日己先生が「事前指示書」を作製し、ご本人の希望に沿った終末期ケアを提供できるよう渡辺聡枝先生、鈴木智先生の3人の医師を中心に取り組んでいます。また、入院が必要な時には入院することもでき、安心して在宅医療を受けられます。その方の尊厳をいかに守りながら医療を提供していくかが重要だと思います。そのほか、当院には広いリハビリテーション室があり、理学療法士、作業療法士が患者さん一人ひとりの症状に即したリハビリプログラムを提供しています。

今後の展望をお聞かせください。

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今後はさらに在宅医療のニーズが高まってきますから、地域の訪問診療医や福祉施設などとも連携しながら在宅医療を充実させていこうと思います。当院が提供している医療について、もっと広い地域に知っていただきたいですね。私たちの方針は、診療科目ごとに患者さんを診るのではなく、患者さんの全身について主治医が責任を持って診療していくこと。駅前の八柱三和クリニックとも連携をとっており、手術や入院が必要な患者さんはスムーズに相互間で治療を受けていただけるようにしています。地域に密着した病院として心を込めた医療を提供していきますので、困ったことがあれば気軽に来院していただければ幸いです。また、当院は女性が安心して働ける環境にあると思いますので、若手の女性の医師などにもぜひ来ていただきたいと願っています。

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渡辺 修 病院長

1985年群馬大学医学部卒業。東京女子医科大学附属第二病院(現・同大学附属東医療センター)外科入局。乳がんの発がんメカニズムを研究。米国コーネル大学留学後、東京女子医科大学附属東医療センター外科勤務を経て、2004年前身の新八柱病院外科部長に。2010年八柱三和クリニック乳腺外科部長。2014年から現職。日本外科学会外科専門医。日本乳癌学会乳腺専門医。審美的面も配慮しながら乳がん手術に取り組む。

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